オメガ3脂肪酸は少量でも悪影響が出るかもしれない、慢性病の原因の可能性も
目次
慢性病の原因はオメガ3(n-3)脂肪酸かもしれない
健康常識として魚油であるオメガ3脂肪酸は身体に良いとされています。
ですが、肝機能障害、甲状腺機能低下、性腺機能低下、免疫系の機能不全、ミトコンドリアのエネルギー生産抑制、シミ、ガンの転移促進などの慢性病を引き起こしている原因は、オメガ3脂肪酸なのかもしれません。
20世紀後半から必須脂肪酸とされるオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸が食卓に普及するにつれてこれらの慢性病が急増しています。
1960年代に石油製品が市場を圧巻するまでは、魚油であるオメガ3脂肪酸はニスなどの塗料として使用されていました。
これは魚油などのオメガ3脂肪酸はとても酸化しやすいので、直ぐに変性して固まると言う性質があったからです。
酸化してしまうと別の物質になります。
直ぐに酸化してしまうオメガ3脂肪酸が身体に中に入れてしまうことが問題となっているのかもしれません。
現代医学や栄養学では、慢性病の人は、血液中のDHA、EPA濃度が低いと言うデータによって、魚油であるDHA、EPAが慢性病の予防に良いとされています。
これは、オメガ3脂肪酸が酸化しやすいと言う性質を完全に無視していることになるのではないでしょうか。
魚油は、摂取すると消化の過程でも直ぐに酸化してしまい変性し別の物質になってしまうと考えられます。
つまり、身体に入ってきた魚油は、元の魚油ではなくなるのです。
形が変わっているので慢性病の人の血液中のDHA、EPAが少なくなってもおかしくないとも言えます。
むしろ、魚油の過酸化脂質などによって慢性病が引き起こされているのかもしれないのです。
2001年の米国で、日本の厚生労働省にあたる米国食品薬品局(FDA)が粉ミルクにDHAを添加しても安全だと発表しました。
日本もそれに追随してDHAが身体に安全であるとしました。
それどころか現代医学や健康常識としてオメガ3脂肪酸は身体に良いとされています。
子供の目や頭に良い、湿疹に良い、心臓血管疾患に良い、ガンを抑制する、減量効果がある、関節炎に良い、うつなどの精神病に良い、など
一般的に言われている様々なオメガ3脂肪酸の健康効果は、実は立証されているわけではないようです。
では、なぜオメガ3脂肪酸が身体に良いと推奨されるようになったのでしょうか。
それは、フィッシュオイル産業の力が大きく関係しているからではないでしょうか。
フィッシュオイル産業は、多国籍企業の中でも最大のシードオイル(植物油脂)産業と同じく、政府に大きな影響力を持っています。
オメガ3脂肪酸は少量でも海馬にダメージを与える
オメガ3脂肪酸は、ほんの少しの量を摂取しても海馬にダメージを与えてしまうかもしれません。
ラットの実験ではありますが、妊娠しているラットに高脂肪食を与えた実験があります。
妊娠ラットの食事の多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)を2gから3.8gに増やしました、
するとオメガ3脂肪酸から自動酸化で作られるMDA、4-HHEなどのアルデヒドが胎児に増加しました。
そして、脳の空間記憶に重要な海馬の神経細胞が死滅していました。
この実験で使用された高脂肪食は、高オレイン酸で低オメガ3脂肪酸食になります。
オメガ3脂肪酸であるリノレン酸は、0.2%しか含まれていません。
この量でも脳の神経細胞を死滅させてしまうと言うことになのかもしれません。
一般の高脂肪食は、大豆油とラード(飽和脂肪酸よりも不飽和脂肪酸が多い)を使用していますが、この食事を続けた場合、母親から生まれた子供の海馬神経細胞は死滅しているようです。
また、オメガ3脂肪酸は、脳でのトリプトファンの取り込みを促して神経伝達物質であるセロトニンを増加させる働きがあります。
脳内のセロトニンの量が過剰に増え濃度が高くなるとうつ病、自閉症、不安、学習性無力症、せん妄、錯乱、権威主義性などを引き起こしてしまう可能性もあるかもしれません。
オメガ3脂肪酸は正常な細胞に組み込まれる
オメガ3脂肪酸であるDHAを摂取すると筋肉で燃焼させることができなかった分は、正常組織と結合をします。
オメガ3脂肪酸から生産される過酸化脂質は、速やかにタンパク質やDNA、リン脂質に結合をしてその機能にダメージを与えてしまいます。
DHAなどの酸化される前のオメガ3脂肪酸自体にも正常な組織に組み込まれたり、結合したりして悪影響を及ぼしてしまいます。
特に研究が進められているのは、ミトコンドリアの内膜とコレステロールです。
ミトコンドリアの内膜を構成するカルジオリピンと言うリン脂質があります。
このリン脂質は、電子伝達系Ⅰ、Ⅲ、Ⅳ、ⅤおよびサイトクロームCと結合をしてダイレクトにエネルギー生産に関わっています。
哺乳類では、カルジオリピンは普通オメガ6脂肪酸のリノール酸が多く結合をしています。
ですが、フィッシュオイルの摂取などで余った分が使用されない、もしくは脂肪分解によってDHAが血液中に放出されるような状態ではDHAはカルジオリピンのリノール酸に置き換わります。
ミトコンドリアの内膜を構成するカルジオリピンがDHAになってしまうと電子伝達系複合体Ⅰ、Ⅳ、ⅤとⅠ+Ⅲの機能が低下してしまいます。
実際に糖尿病の人では、心臓のミトコンドリアのカルジオリピンに含まれているDHAの量が多いことが分かっています。
ラットの糖尿病や肥満でも同じようなことが認められています。
高多価不飽和脂肪酸食による脂肪肝、コレステロールエステル化
欧米でも最近、アルコールではない肝臓のダメージが成人の40%近くに見られるそうです。
米国と同じような食事をしている日本人も肝臓がかなり疲れているかもしれません。
肝臓には、解毒機能、糖質、タンパク質やコレステロールなどを生産していますが、肝臓にダメージがあるとこれらの機能が低下します。
肝臓に悪いと言えばアルコールですが、アルコールではない肝臓障害もあります。
それは脂肪の蓄積によるものです。
これは非アルコール性脂肪肝障害と言います。
高脂肪食を日常的に摂取している現代人特有の典型的な現代病と言えます。
現在では、肝硬変、肝臓ガンの原因となっています。
非アルコール性脂肪肝障害では、ミトコンドリアのカルジオリピン脂質過酸化が原因になっていることが報告されています。
そしてコレステロール。
コレステロールにオメガ3脂肪酸が結合することをエステル化と言います。
コレステロールは、エステル化してしまうとその機能が破壊されてしまいます。
コレステロールには、細胞構造の安定化、ステロイドホルモン、ビタミンD、胆汁酸の合成などの働きがあります。
若い健康な人の脳では、たくさんのコレステロールを含んでいるのですが、そのほぼ全てがフリーのコレステロールです。
オメガ3脂肪酸のような多価不飽和脂肪酸が結合していません。
しかし、加齢で変性した脳には、たくさんの多価不飽和脂肪酸と結合したコレステロールが蓄積されています。
実際に多価不飽和脂肪酸がコレステロールと結合をする酵素をブロックすると変性したコレステロールが減ります。
それによってアミロイド異常タンパク質の沈着による脳組織の変性を防げることも分かっています。
動脈硬化巣(プラーク)には、多価不飽和脂肪酸で変性したコレステロールを貪食した白血球の死骸で埋め尽くされています。
変性したコレステロールは、DHA、EPA、アラキドン酸、オレイン酸と結合したコレステロールになります。
もし多価不飽和脂肪酸がなければ、肝臓では、主に飽和脂肪酸であるパルミチン酸とコレステロールを結合させるか、フリーのコレステロールをステロイド合成が必要な末梢組織に送ります。
これは酸化しないので動脈硬化などを引き起こすことはないと考えられます。
フィッシュオイルには、細胞成分に結合をして機能や構造を壊すDHAをリン脂質構造から遊離する作用を持っています。
フィッシュオイル自体にフォスフォライペースA2と言うリン脂質から遊離脂肪酸を放出する酵素を誘導するからです。
オメガ3脂肪酸は筋肉を分解させ筋トレが無駄になるかも
多価不飽和脂肪酸は、ストレスホルモンであるアドレナリンやコルチゾールの分泌を促します。
これによって体内の筋肉や脂肪が分解されます。
多価不飽和脂肪酸から生産されるプロスタグランジンなどのエイコサノイドと言われる生理活性物質や自動酸化で形成されるアルデヒド類が直接ストレスになります。
最も酸化されやすいオメガ3脂肪酸であるDHA、EPAは、タンパク質の合成を強く抑制することが分かっているようです。
これは、オメガ3脂肪酸がエイコサノイドやアルデヒド類に転換されることで起こるのではなくて、オメガ3脂肪酸の直接の作用です。
飽和脂肪酸では、タンパク質の合成は20~25%アップさせていると言われています。
実際にフィッシュオイルを若い男性に投与した実験があります。
この実験では、筋トレや食後のタンパク質合成をフィッシュオイルが抑制をしていることが分かりました。
筋肉をつける為に筋トレに励み、タンパク質を多く含む食事をしっかりと食べてもフィッシュオイルを摂ってしまうと筋肉の合成を抑えてしまうと言うことです。
筋肉を維持する為にもフィッシュオイルは控えた方が良いのかもしれません。