花粉症について|花粉症対策の一般用医薬品(OTC)
花粉症とは?
花粉症とは、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎のことです。
花粉症の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血などです。花粉症は、日本では約2500万人が悩んでいると言われています。
今では花粉症は国民病と言えます。
花粉は一年を通して飛散していますが、花粉症の原因となる花粉はスギやヒノキなどが主です。
また、イネ科の植物やブタクサなどの花粉でも花粉症発症する人もいます。
花粉の飛散時期は、地域や気候によって異なりますが、一般的には2月から5月にかけてピークになります。
花粉症は症状から判断する方法、アレルギー検査をする方法、経鼻内視鏡を使う方法があります。
毎年花粉の飛散時期にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出る場合は、花粉症の可能性が高いです。
アレルギー検査をする方法は、血液検査や皮膚検査で特定の花粉に対する抗体の量を測定します。
抗体の量が高いほど、アレルギー反応が強いと考えられます。
経鼻内視鏡は、鼻の中をカメラで観察して鼻粘膜の状態を確認します。
花粉症では、鼻粘膜が腫れて赤くなっていることが多いです。
花粉症人口は年々増加傾向
花粉症を発症する人と発症しない人がいます。
アレルギーの素因を持っていない人は花粉症にはなりません。
身体の中に花粉が入ってくるとアレルギー素因を持った人はその花粉に対応する為に抗体を作ります。
花粉の種類によって異なった抗体が作られます。
抗体の量は個人によって異なりますが、数年~数十年花粉を浴びることで抗体が十分な量になります。
この状態を感作が成立したと言います。
この後に花粉が入ってくるとくしゃみや鼻水、涙などの花粉症の症状が出てきます。
近年では、花粉の飛散量が増加しているので、感作までの期間が短くなり小さな子供でも花粉症にかかるようになってきていると考えられているようです。
花粉症の人は年々増加しています。
その要因としては、飛散する花粉の増加や母乳から人工栄養、食生活、腸内細菌の変化などが指摘されています。
大気汚染や喫煙なども花粉症と関係しているとされています。
これらの要因で、花粉症を悪化させる可能性があるものとして空気中の汚染物やストレスの影響などが挙げられます。
また、換気の悪い部屋でストーブやガスレンジなどを使用することによって室内環境の汚染や黄砂も症状の悪化に関係すると指摘されています。
一般的な花粉対策について
一般的な花粉対策として花粉をなるべく浴びないようにし、室内になるべく持ち込まないように気をつけることです。
空気清浄機を使うのも良いでしょう。
1日のうち花粉の飛散の多い時間帯は地域によって多少の差はありますが、13時~15時頃とされています。
可能であれば、この時間帯は外出を避けるようにすると良いでしょう。
外出する際は、メガネやマスクなどを身に付けると体内への花粉の侵入量を減らすことができます。
帰宅時には、花粉が衣類などについているので花粉を払ってから玄関に入るようにすると室内に入ってくる花粉を減らすことができます。
室内の対策としては換気も大切ですが、花粉の飛散が多い日はドアや窓を閉めて外からの花粉の侵入を防ぐようにしましょう。
どんなに気をつけていても花粉は室内に入ってきますので、掃除をこまめに行ってフローリングは拭き掃除をすると良いでしょう。
また、布団を外に干してしまうと花粉がついてしまうので、布団乾燥機などを活用すると良いかと思います。
どうしても外に干す場合は、飛散量の少ない午前中のほうが良いです。
室内に取り入れる時は、花粉をはたいて布団の表面を掃除機で吸うと良いでしょう。
生活習慣を見直して花粉対策
花粉症対策は花粉をなるべき浴びないことですが、これは根本的な改善には繋がりませんし花粉をゼロにすることは不可能です。
花粉症になる人と花粉症にならない人がいますが、この違いは何なのでしょうか。
これに関しては、はっきりとした答えがあるわけではありませんが、花粉症は生活習慣とも関係があるとされています。
生活習慣を改善して根本的に改善させることができるならそのほうが良いでしょう。
まずは、規則正しい生活を送るようにしてみましょう。
睡眠不足になってしまうと免疫やホルモンのバランスが崩れてしまい、花粉症の症状を悪化させる原因となります。
毎日十分な睡眠を取るようにすることはとても大切です。
また、免疫機機能をしっかりと働かせるには、食生活も重要です。
基本は、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素をバランス良く摂取するようにしましょう。
食品添加物も関係している可能性もあるので、なるべく添加物が少ないものを選ぶようにすると良いかもしれません。
免疫機能は、腸内細菌と密接な関係があることも分かってきています。
腸内環境を改善させることで花粉症を和らげることに繋がる可能性があります。
免疫機能と関係のある乳酸菌を摂るようにすると良いかもしれません。
そして、アルコールやタバコは花粉症の症状を悪化させる原因です。
アルコールは、血管を拡張させるので鼻詰まりや目の充血などの症状を起こしやすくなります。
タバコは鼻の粘膜を直接刺激し鼻づまりを悪化させる原因になります。
喫煙者自身のタバコの煙の影響を受けますが、タバコを吸わない人も喫煙者の煙によって刺激を受けるので、タバコを吸わない人は、タバコの煙を避けるようにしましょう。
花粉症対策の一般用医薬品(OTC)について
花粉症のOTC薬には、第一世代抗ヒスタミン薬、第二世代抗ヒスタミン薬があります。
第一世代は、抗ヒスタミン作用は強い反面、眠気やめまいなどの中枢神経系の副作用と口喝、便秘、尿閉などの抗コリン作用の副作用が問題となります。
一方で第二世代は血液脳関門を通過しにくいので、中枢神経系の副作用が少なく、また抗コリン作用が少ないのが特徴です。
このほか、鼻づまりや鼻水の軽減には点鼻薬も有効です。
点鼻薬には、抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用、抗炎症作用、血管収縮作用のものがあります。
抗アレルギー作用、抗ヒスタミン作用は、くしゃみや鼻水を軽減しますが、効果が出るまで時間がかかります。
抗炎症作用のOTC薬は、ステロイドになります。
アレルギーの原因となる化学物質を放出する細胞の働きを抑えるとともに鼻粘膜の炎症を鎮めて炎症を誘発する細胞が集まるのを防ぎますが、長期使用には注意が必要です。
血管収縮作用のOTC薬は、粘膜の血管を収縮させて腫れを取り除くことで鼻づまりに効果を発揮しますが、使い過ぎると悪化することがあります。
なので、1日1~2回、就寝前に使用するのが基本とされています。
花粉症がつらい場合は、一度病院で診てもらうと良いかと思いますが、病院に行って薬を使っても症状を和らげるだけで根本改善には繋がりません。
根本改善を目指すなら生活習慣を見直してみることが大切かと思います。
もちろん、生活習慣だけで改善させることができるとは限りませんが、一度見直してみてはいかがでしょうか。