筋力増強目的の高強度トレーニングでは8分のセット間の休息時間が有効かも!?
セット間の休息時間はトレーニングの重要な変数
筋力トレーニングをする時、セット間の休息時間はどのくらいを目安にしていますか。
セット間の休息時間であるインターバルは、レジスタンストレーニングにおいて重要なトレーニング変数の一つになります。
休息時間をどのくらい取るかによってトレーニング効果が変わってくると言えます。
レジスタンストレーニングの効果は、反復回数やトレーニング量(セット数×回数×負荷)によって決まります。
セット間の休息時間は、反復回数やトレーニング量に大きな影響を及ぼします。
休息時間は、トレーニングの目的によって変わるのが一般的になります。
ここでは、筋肥大ではなく筋力増強についてのお話になります。
一般的に筋力を増強させるには、最大で5分の休息が推奨されています。
しかし、レジスタンストレーニング中の主なエネルギー供給過程であるATP-CP系のエネルギー源であるアデノシン3リン酸(ATP)やクレアチンリン酸(CP)の回復には8分程度の時間が必要だと言うことが明らかになっています。
このことからセット間の休息時間は8分にすると反復回数やトレーニング量を増やすことができるのではないかと考えることができます。
そこで、セット間の休息時間を2分、5分、8分の3種類の休息時間において、85%1RMのベンチプレス4セットを行った場合、反復回数、トレーニング量に及ぼす影響を比較した研究があります。
セット間の休息時間2分、5分、8分の研究
セット間の休息時間を2分、5分、8分の3種類の休息時間において、85%1RMのベンチプレス4セットを行った場合、反復回数、トレーニング量に及ぼす影響を比較した研究があります。
被験者は、週に3日以上、1年以上、レジスタンストレーニングを継続している男性15名です。
体重79±6kg、ベンチプレス1RM、108±13kg。
被験者は、ウォームアップとして50%RMで10回、70%RMで5回、80%RMで3回のベンチプレスを行いました。
その後、1セット目は85%1RMで事前に測定をしていた反復回数までベンチプレスを行いました。
その後の2~4セットは、2分、5分、8分のセット間の休息を取り85%1RMで疲労困憊まで行い回数を記録しました。
2分、5分、8分のセット間の休息時間の実験日は各被験者でランダムな順序で設定。
その結果、2分、5分の休息時間では、セットを重ねるごとに反復できる回数が減りました。
それに対して8分の休息時間では、反復回数が1セット目と同水準に維持されました。
被験者の人数が少ないですが、統計の結果によれば2~4セットの反復回数は、2分、5分のセット間の休息時間と比較し8分のセット間の休息時間で優位に高値を示しました。
また、セット間の休息時間は2分と比較して5分で優位の高値を示しました。
トレーニング量に関しては、2分よりも5分、5分よりも8分で優位に高値を示しました。
この研究結果から筋力増強を目的とした高強度で行うトレーニングにおいて、セット間の休息時間は8分を目安に行うと反復回数を維持することができトレーニング量を増やすことに繋がりそうです。
高強度トレーニングでは8分のセット間の休息時間が有効
この研究結果により、レジスタンストレーニングを継続的に行っている男性が筋力増強を目的に85%1RMの負荷を利用して各セットにおいて疲労困憊まで行うベンチプレスを4セット行う場合、反復回数、トレーニング量の増大の観点からすると、2分よりも5分、5分よりも8分のセット間の休息時間を取って行うことが有効であると言えそうです。
8分の休息時間では、4セットまでは反復回数を1セット目と同水準まで維持することができるので特に優れた方法になるかもしれません。
ですが、これはベンチプレスに関しての報告になりますし負荷も85%1RMです。
スクワットやデッドリフトなど他の種目で同じことが言えるとは限りません。
ベンチプレスよりもハードトレーニングであるスクワットやデッドリフトでは、さらに時間を必要となるかもしれません。
対象となる筋肉によっても変わるかもしれません。
筋力増強を目的としたトレーニングの最適な休息時間については、今度の研究が必要になるかと思います。
また、筋肥大を目的にした場合、セット間の休息時間は8分が良いとは限りません。
筋肥大の場合、トレーニング量を増やすと効果も高まるとされています。
セット間の休息時間が短くても負荷を減らして反復回数が減らないようにすれば、トレーニング量を増やすことができます。
セット間の休息時間が短い方がトレーニング時間も短くなるので効率よくトレーニング量を増やすには、負荷を軽くしていくことが良いと思います。