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副腎と老化

肝臓の負担を減らすシンプルな生活で副腎をケアしよう!お酒だけではない肝臓の負担

お酒を飲まない人でも肝臓が疲れている

副腎ケアでは、まず腸を整えることをします。

腸を整えて副腎をケアしよう!炭水化物の摂り過ぎで腸にカビ!?

腸を整えたら次は肝臓です。
肝臓は解毒機能があるので身体の出口とも言えます。
私たちは普段の生活で肝臓を意識することはあまりないかもしれません。
お酒を飲み過ぎたら肝臓に悪いな、と思うくらいではないでしょうか。
実は肝臓は5000以上の仕事をこなしています。
主な肝臓の働きは、代謝、エネルギーの貯蔵、解毒です。

摂取した栄養が腸で吸収されたそのままの形で利用されわけではありません。
肝臓の代謝によってエネルギー源となるブドウ糖はグリコーゲンと言う形で蓄えられます。
余ったグリコーゲンは中性脂肪になり、溜まり過ぎると脂肪肝になります。

肝臓が身体の出口と言えるのは、解毒機能があるからです。
身体にとって毒となるものを出すところが肝臓になります。
肝臓は、いわゆる体内のデトックス工場になります。
身体に有害な物質を分解して無毒化して尿や胆汁を通じて体外に排出します。
この肝臓の解毒機能を高めて毒を出せる身体にすることで副腎の仕事を減らすことができます。

現代人は、解毒しなくてはならないものが多すぎて肝臓の負担が増えていると言えます。
解毒しきれない毒素は体内にまき散らされて様々なところに炎症を起こします。
その炎症を抑えるのにコルチゾールが浪費されて副腎を疲れさせてしまいます。

私たちが気付かないうちに体内に入れている有害物質には、お酒などのアルコールだけではありません。
コーヒーに含まれるカフェインや食品添加物、整髪料、化粧品、殺虫剤、消臭剤、ドライクリーニングなどの化学物質、大気汚染、マグロなど大型魚に含まれる重金属などがあります。

また、病気を治す為に飲んでいる薬も身体にとっては有害物質になります。
現代では、普通に生活をしているだけで解毒しないといけないものばかりなのです。
その解毒作業が肝臓で行われているのです。
これでは肝臓の負担が増えていくばかりになってしまいます。
気が付いていないかもしれませんが、お酒をまったく飲まない人でも肝臓は疲れていると言えます。

日本の医療では、肝臓と言うとB型肝炎やC型肝炎と言ったウイルス性の病気が注目されますが、この解毒機能低下からくる病気については注目されることがあまりありません。

「私はお酒に弱いから肝臓も弱い」「健康診断で肝機能の数値に問題がないから大丈夫」と安心している人はちょっと待ってください。
病名を診断されなくても数値が正常値の範囲内であっても肝臓は疲れ切っているかもしれません。

肝機能が低下すると身体中に毒素がまき散らされる

肝臓

肝臓は1日24時間、1年365日休むことなく働いています。
現代の環境では、身体に溜まりに溜まった毒素である有害物質を解毒しきれなくなり、その毒素は体内にまき散らされていきます。
そして、体内にまき散らされた毒素は、あちこちで炎症を起こします。
必然的に火消しの為にコルチゾールが分泌されるので、副腎の負担も増えて副腎も疲れてしまうのです。

では、肝臓の解毒経路について少し説明をします。
肝臓の解毒経路には2段階あります。

まず第1段階では、シトクロムP450と呼ばれる代謝酵素で脂溶性の毒を化学分解しています。
毒の多くは脂溶性です。
解毒する酵素の働きは遺伝的に決まっていて、その代表的なものがアルコールを分解する代謝酵素です。
人によってアルコールに強い人、弱い人がいるのも遺伝的なものになります。
ちなみにアルコールに強いからといって肝臓が強いわけではありません。
アルコールに強い人は、シトクロムP450と呼ばれるたくさんの酵素の一つ、アルコールを分解する代謝酵素が強いというだけです。

2段階目では、脂溶性の毒を水溶性に変換して尿や胆汁に流す作業をしています。
つまり、毒を水に溶けやすくなるようにコーティングして腎臓や胆嚢などに流して尿や便として排出しやすいようにしています。
一般的に年齢を重ねると薬の量が増えていくのですが、薬もこの解毒経路を通って体外に出していきます。
薬は体内で身体の不調を解消した後、直ぐに消えてしまうわけではありません。

解毒される過程で薬の副作用が出ることもあります。
薬の副作用が起こるのは、身体の毒素の量が多過ぎて肝臓で大渋滞を起こしていることも理由の一つになります。
肝臓で毒素が停滞してしまい、毒素がしっかりと排出できなくなっているのです。
肝臓が処理できる能力は限られていますので、それを超えてしまうと体内で炎症を起こします。
その炎症は自分のウィークポイントで、もともと弱いところに出てきます。
人によっては脳であったり各臓器であったり様々です。

副腎疲労があると例え小さな火種でも大火事になってしまい大病になる危険があるので注意が必要です。
肝臓をしっかりと働かせて毒素を残さないようにすれば、副腎の負担も減って副腎を疲れさせないことに繋がります。

体内に毒を入れない生活で肝臓の負担が減る

肝臓の負担を減らすには、なるべく体内に毒素を入れないようにすることです。
肝臓に元気に働いてもらうには、身体に良いものを入れて肝臓を強くすることよりも身体に悪いものを入れないように心掛けることが大事です。
腸と同じように引き算のケアをしていきます。

買い物をする時は、食品表示を見てなるべく食品添加物が少ない物を選ぶようにすると良いでしょう。
食品添加物をまるっきり摂らないのは、現実的に不可能なのでなるべく少なくするようにします。
難しく考えることもありません。
加工された物ほど食品添加物が加えられているので、なるべく加工食品を避けて素材そのものを食べるようにすればいいのです。

ハム、ベーコン、ソーセージよりも肉を選ぶようにする、直ぐに食べることができる調理済み食品ではなくて素材を買ってきて手作りをする、合成甘味料をしようした飲料を買うなら果汁100%ジュースを買うようにする、などです。

これらを注意するだけでも体内に入ってくる有害物質を減らすことができます。
魚も加工食品よりも生の魚を買ってきて調理したほうが安全ではありますが、マグロなどの大型の魚は避けたほうが無難でしょう。

食物連鎖で小さな魚を中型の魚が食べてその魚を大型の魚が食べます。
その過程で海中にごく微量に含まれていた水銀の濃度が高くなって海で生きている時間の長い大型の魚には水銀が溜まってしまうので注意が必要になります。
もちろん大型の魚を食べてはいけないと言うわけではありません。
食べ過ぎてはいけないと言うことです。
重度の副腎疲労患者の方なら別ですが、毎日の食生活でよく食べる習慣がある人は食べる回数を減らしてみると良いかと思います。

また、薬の飲み過ぎもよくありません。
ほとんどの薬は脂溶性なので常用している薬の数や種類が多ければ多いほど解毒の過程で肝臓に負担がかかってしまいます。
不要な薬は飲まないようにして薬の量を減らしていけると良いでしょう。

深呼吸している女性

シンプルな生活で毒素を減らせる

食べ物以外にも毒素と思われるものは私たちの生活に溢れています。
殺虫剤や芳香剤、香水、化粧品、消臭剤。整髪料、カラーリング剤、ホルムアルデヒド、排気ガスなど化学物質はたくさんあります。
ここで言う化学物質とは、自然界に存在しないもののことです。

自然界に存在しないものが全て毒と言うわけではありませんが、私たちは自然の一部なので自然でないものは身体にとって毒になると考えてみると分かりやすいのではないでしょうか。
難しく考えることはなく、副腎ケアの為には生活をシンプルにすれば良いのです。

例えば、部屋の臭いには消臭剤を使わずに部屋の窓を開けて換気をする、布団は抗菌スプレーを使わずに晴れた日に干すなどです。
歯磨き粉にも発泡剤や研磨剤、防腐剤、香料などの化学物質が多く含まれています。
これらが口の中の粘膜に触れただけで過敏に反応をして体調が悪くなる人もいます。
そんな人は、歯磨き粉を使うのをやめて塩で磨いたり歯ブラシだけで磨いたりすると良いでしょう。
また、皮膚から吸収される化学物質もあります。

例えば、シャンプーや整髪料が頭皮の毛穴から吸収されて脂漏性湿疹になってしまう人もいます。
洗濯洗剤や柔軟剤、ドライクリーニングなどに含まれる化学物質も直接肌に触れる衣類を通して身体に悪影響を及ぼすことがあります。
肌につける化粧品やハンドクリームも同じです。

ドライクリーニングは、水ではなく有機溶剤を使って汚れを落とします。
クリーニング後の嫌な臭い成分には有害性があります。
なのでクリーニングに出したら必ず衣類を覆っているビニールを取って風通しを良くすることを習慣にすると良いかと思います。

ここで挙げたことが全てあなたの身体にとって悪影響を及ぼすわけではありません。
もちろん絶対にやめないといけないわけでもありません。

ですが、肝臓の負担を少しでも減らす為に体内に解毒しなければならないものを入れ過ぎないように意識をしてみることが大切かと思います。

解毒に良いとされる食べ物、レモン、スイカ、薬味など

切り刻み葱

肝臓の機能を高めて解毒作用を促す効果の高い食材をご紹介します。
おススメはレモン、スイカです。
小松菜やブロッコリーなどの緑黄色野菜も抗酸化物質を含んでいますので肝臓を労わってくれるでしょう。

また、水分をしっかりと摂ることでデトックス作用を促してくれます。
医学的には、デトックスと言う言葉はありませんが、分かりやすくする為にデトックスと言う言葉を使っています。

水分の目安は、発汗量にももちろんよりますが1.5~2リットルが目安になります。
これは純粋に飲み物だけの量になります。

コーヒーやアルコールなどは反対に肝臓に負担をかけてしまいます。
コーヒーを習慣的に飲む人は多いかと思いますが、1日に何杯も飲む人は気を付けたほうが良いでしょう。
歳を重ねると水分摂取量が減る傾向にあるので、それに加えてコーヒーをよく飲む習慣があるとさらに体内の水分摂取量が減ってしまいます。
さらにコーヒーには、利尿作用があるので1杯飲んだらその倍くらいの水分が必要になります。

カフェインは、肝臓に負担をかけるのでアルコールと同じように控えめにするようにすると良いです。
水分を摂り過ぎるとむくんでしまうのでは?と思う人もいるかと思いますが、その心配はありません。
むくんでしまうのは水分を摂り過ぎたからではなくて、水分の代謝が悪いのが原因です。
座ったまま動かない、運動不足、女性ホルモンのバランスが悪い人はむくみやすいです。

日本には、その他にも昔から解毒食材として食べられている食べ物がたくさんあります。
にんにくや生姜、シソ、ネギ、ミョウガなどの薬味は、肝臓に良い食材です。

また、ローズマリー、オレガノ、コリアンダー、ターメリック、シナモン、パセリ、ミント、バジル、パクチー、玉ねぎなどハーブやスパイスとして料理に使われている食材もおススメです。

日々の食事でこれらを取り入れてみてはいかがでしょうか。

参考書籍⇒アメリカ抗加齢医学会の新常識! 老化は「副腎」で止められた