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トレーニング・フィットネス

カゼインプロテインはゆっくり吸収される、就寝前や食事の時間が空く時におススメ

乳タンパク質の基礎

乳タンパク質は大きく分けるとカゼインとホエイに分けることができます。
牛乳に含まれているタンパク質の内、約8割がカゼインで残り2割がホエイ(乳清タンパク質)と言われています。
どちらのタンパク質も身体作りには欠かせない必須アミノ酸が豊富に含まれています。

カゼインは水に溶けずに酢などの酸を加えると凝固・沈殿する性質があります。
主にチーズなどの原料になります。

ホエイは分岐鎖アミノ酸であるBCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)を多く含み、体内利用率が高いので筋肉をつける効果が高いとされています。
その為、プロテイン市場ではこれまでホエイを使った商品が比較的多く出回っていたかと思います。
ですが、近年ではカゼインを使ったプロテインも注目を集めるようになってきています。

では、カゼインにはどのような特徴があるのでしょうか。

カゼインの特徴はゆっくりと吸収される

プロテインを飲む男女

カゼインはホエイに比べてゆっくりと吸収されると言う特徴があります。
カゼインはゆっくりと吸収されるので摂取後、血液中のアミノ酸濃度を長い時間高めてくれます。

一方でホエイは吸収が早く、血液中のアミノ酸上昇は3時間程度で収まるとされています。
消化吸収の速さで比べるとカゼインはゆっくり、ホエイは比較的速くなります。

牛乳の乳タンパク質は、カゼイン主体のホエイ混合物になるので、消化吸収の速さとしてはホエイとカゼインの中間あたりになります。

消化吸収の時間を考えると、トレーニング直後は吸収の速いホエイを摂り、それ以外では比較的ゆっくりと吸収されるカゼインを摂るようにするとより効果的かと思います。

カゼイン摂取に関する事例とエビデンスとしては、ポルトガルのプロサッカー選手向けの栄養摂取に関するレビューで就寝前のカゼインが推奨されています。
この背景にある文献によると若い男性に12週間の筋力トレーニングを実施し、その間カゼイン態27.5g(カゼイン分解物13.75gとカゼイン13.75g)を含む飲料を毎日就寝前に摂取させたところトレーニング期の筋力と筋肉量が増加したとのことです。

また、就寝前にカゼインを摂取することによる筋合成への影響を検討した文献もあるようです。
この文献では、健康な男性に就寝30分前にカゼインを含む飲料を摂取させて夜間のタンパク質の消化と吸収、全身のタンパク質ネットバランスを確認した結果、就寝前のカゼインを含む飲料摂取が全身のタンパク質のネットバランスを改善させたと言う結果が得られているそうです。

タンパク質ネットバランスとは、筋タンパク質の合成量から分解量を引いた値です。
筋肥大を起こさせるには、ネットバランスがプラスになっている必要があります。
筋肉の合成量が分解量を上回る必要があります。

カゼインの摂取タイミングは就寝前がおススメ

眠る女性

トレーニング後の栄養補給やリカバリーを目的にホエイやアミノ酸など、既にカゼイン以外のサプリメント活用している場合、カゼインをどのように取り入れればいいのか悩む人も多いかと思います。

トレーニング後は、筋肉が運動による刺激によってダメージを受けています。
このタイミングでは、吸収の速いホエイやアミノ酸を摂取することが筋肉の分解を抑制し合成を促すのに良いとされています。

ですが、筋肉はトレーニングの有無に関わらず合成と分解を常に繰り返しています。
運動をしていない時も寝ている時も絶えず続いているのです。
その間、常に筋合成に必要な材料であるタンパク質がしっかりと体内に入っている状態を保つことが有効です。
血液中に筋合成に必要なアミノ酸が存在していることが重要になります。
もちろん筋肉の合成は、タンパク質だけではないので他の栄養素も必要になります。

筋肉の素早い回復を目的としトレーニング後なるべく早くホエイを摂取すれば効率よく筋合成のスイッチを入れることができます。
就寝前や食事の時間が空いてしまう時は、ゆっくりと吸収されるカゼインを摂取すると長時間血液中のアミノ酸濃度を保つことができます。

トレーニング後は、吸収の速いホエイやアミノ酸、就寝前や食事の時間が空いてしまう時はカゼインが良いでしょう。

プロテインは、それぞれのシーンに合わせて最適なタンパク質を選ぶとより効果的にトレーニングを行うことができると思います。

タンパク質の1日の必要量は、筋肉を付けたい場合は体重1kgあたり1.5~2g程度が必要になります。
ボディビルをしている方は、それ以上摂取していると言う人も多いかと思います。

ですが、必要以上に摂取しても筋合成は頭落ちしてしまうようです。
単純にタンパク質を摂れば摂るほど筋合成も高くなると言うわけではありません。