血圧は加齢と共に上昇する「血圧が高い=悪」ではない、結果と原因が逆
歳を取れば血圧は上昇するのは普通のこと
血圧の基準値は大幅に下げられましたが、一番の問題は年齢による血圧の違いが完全に無視されていることです。
1960年代頃までは、血圧の基準値は年齢プラス90でした。
医学部の教科書にもそう記載されていたのです。
これに従ってみると60歳で150、70歳で160、80歳で170と言うことになります。
血圧が年齢と共に上昇するのは医学の常識でした。
ですが、今では20代以上は全て成人としてひとまとめにし、20歳でも80歳でも同じ基準になっているのはおかしいことではないでしょうか。
なぜこんなことがまかり通っているのでしょうか。
それは年齢ごとに基準値を設定するよりも一括した方が患者の数が増えるからでしょう。
そして、基準値はなるべく低く設定をすればより患者を増やすことができます。
歳を重ねれば誰でも白髪が増えたり皮膚がたるんできたしシワができたりします。
同じような加齢現象は、目に見えない身体の中でも起こっています。
内臓の機能が弱くなり、若い頃と同じように食べることができなくなったり、軟骨がすり減って膝や股関節に痛みが出てきたりします。
血管も同じように年齢と共に硬くなり、柔軟性や弾力性を失っていきます。
つまり動脈硬化が進んでいくのです。
動脈硬化は、加齢現象と言えます。
通常、動脈は血液の量に合わせてしなやかに血管を拡張・収縮させながら心臓や脳などの臓器や筋肉などの組織に必要な酸素や栄養の供給をしています。
手首や首で脈を感じることができるのは、動脈に弾力性があるからです。
心臓から送り出された血液は、25秒ほどで全身を駆け巡ることができます。
血液が流れる速さは、時速約216kmになるとされています。
血液は新幹線並みの早さで全身を駆け巡っているのです。
動脈は弾力性の高い壁で衝撃を吸収することによって血液の流れる勢いに日々耐えているのです。
ですが、歳を重ねると血管の柔軟性は失われていきます。
そして。身体はコレステロールや中性脂肪などを血管壁に付着させることで血管が破れないように補強をします。
このように動脈硬化は身体の反応と言えるのです。
動脈硬化が進んでくるとそれに応じて心臓は、血液を送る為に血圧を上げようとします。
加齢によって血圧が上がるのは、生理現象で当たり前のことなのです。
それを薬で下げてしまうと脳や手足の先に血液が行かなくなってしまいボケたりふらついたりしてしまいます。
実際に、降圧剤を飲んでいる人に服薬を止めてもらうと、ほとんどの人が「頭がすっきりした」と言われるそうです。
さらには、めまいや手足の痺れもなくなったと言う人も多いそうです。
血圧は安易に下げてはいけないと言うことなのではないでしょうか。
動脈硬化は加齢現象、血圧は180でも大丈夫
歳を重ねれば動脈硬化になるのが当たり前のことで自然の摂理です。
シワが一つもないおばあさんがいないのと同じで動脈硬化がない高齢者はいません。
動脈硬化は加齢現象で、傷ついた血管を守る為にコレステロールで補強をしています。
これは病気でもなんでもないので薬で治るものではありません。
動脈硬化も高血圧も高コレステロール血症も加齢現象と言えるのです。
薄毛や白髪に対して、薄毛症、白髪症など誰も言わないのに、血圧が高いと高血圧症、コレステロールが高い脂質異常症と言います。
ただの加齢現象に病気を意味する症をつけること自体おかしいことかと思います。
残念ながら加齢現象を誰でも起こります。
白髪やシワが薬で治らないのと同じように加齢現象を治すことはできません。
現代の医療は、年齢を無視して20代でも80代でも同じ基準値にしてしまっているのです。
血圧の基準値は、昔の年齢プラス90の方がずっとマシでしょう。
そう考えると高齢者は血圧が160~180でも大丈夫と言うことになります。
加齢で硬くなった血管に血液を全身に送るにはそのくらいの血圧が必要になるのです。
ですが、上が200を超えていたり、心臓に持病があったりする場合は薬を使った方が良い場合もあるでしょう。
身体の反応には目的がある
私たちの身体の反応には全て目的があります。
例えば、風邪を引いた場合熱が出るのは、体温を上げてウイルスを殺す為です。
しかし、風邪で病院に行くと当然のように解熱剤や抗生物質などが処方されます。
多くの人が深く考えもせずに薬を飲んでいるのではないでしょうか。
風邪のほとんどはウイルスが原因です。
ウイルスは、湿度が低く、空気が乾燥しているほど活発になります。
反対に暖かくて湿度が高い環境では活性が弱くなります。
冬に風邪を引きやすいのは、この為です。
呼吸などによってウイルスが体内に入ってくると白血球など免疫を担当する細胞が迎え撃ちます。
ウイルスの侵入を防ごうと咳やくしゃみで追い出そうとしたり、鼻水を出して粘膜への付着を防ごうとしたりします。
発熱すると皮膚を走る血管が収縮して、汗腺が閉じて熱が逃げないようにします。
また、筋肉を震わせて熱の生産を促します。
風邪を引くとゾクゾクしたり鳥肌が立ったりするのはこの為です。
体温が上昇するとウイルスとの戦いは身体が有利になります。
ウイルスは温度が高いほど活性が弱くなり、免疫細胞は体温が高いほど活発に働くようになるからです。
風邪を引くと子供は、高熱をよく出しますが、安静にしていれば数日で治ることが多いです。
子供が高熱を出すのは、免疫細胞の活性が強いからです。
反対に歳を重ねると微熱が続き、治りが遅くなります。
ウイルスが熱を出して身体を苦しめているわけではなくて、ウイルスと戦う為に体温を上げているのです。
ここで解熱剤を飲んで体温を下げてしまうとウイルスに加勢することになり治りが遅くなるのです。
それにも関わらず、医者は解熱剤を出すことでしょう。
解熱剤が悪い物と言う意識がないのでしょう。
あまりにも症状が重く、辛いのであれば薬で抑えるのも良いとは思いますが、風邪は薬を飲まない方が早く治ります。
血圧の薬もこれと同じようなことだと思います。
血圧は命を守る為に上がる
風邪を引いて医者にかかると解熱剤と一緒に抗生物質を処方されることも多いと思います。
抗生物質には一体どのような効果があるのでしょうか。
そもそも抗生物質は細菌にしか効きません。
細菌とウイルスは全く別物です。
風邪やインフルエンザの原因は、ウイルスで細菌よりもさらに小さく、非生物とされ自分で増えていくことができません。
ウイルスは人間など他の生物の細胞に入り込んで自分のコピーを作らせて増えていきます。
抗生物質は、細菌の増殖を抑える薬なのでウイルスには全く効きません。
風邪の特効薬を作れたらノーベル賞ものと言うのはこの為です。
抗生物質は人間にとって有益な細菌まで殺してしまうので、善玉菌などにも影響をして腸内細菌のバランスを崩してしまいます。
これによって下痢やカンジダなどの副作用が起こることもあります。
風邪で抗生物質を飲んでも意味がないどころか副作用のリスクがあるわけです。
それにも関わらずたいていの医者は、抗生物質を出しているのが現状です。
これは食中毒にも言えます。
1990年の埼玉県浦和市のしらさぎ幼稚園でO-157の集団食中毒が発生しました。
汚染された井戸水を飲んだ319人の園児や家族、職員が発症して園児2名が亡くなってしまいました。
亡くなった2名は、下痢止めの治療を受けていました。
これは医者の判断が間違っていたと言うことです。
下痢を止めてしまったせいで、毒素が体内に留まってしまい園児の命を奪ってしまったのです。
下痢と言う反応は、体内の悪いものを体外に排出する行為です。
この出来事以降、下痢は止めないと言うことが医学の常識となりました。
身体で起こる反応は、自分の命を守る為に行われています。
長い時間をかけて生物は命を守るシステムを進化させてきました。
熱が出たり下痢をしたりするのはその為なのです。
もしこのような反応がなければ、細菌やウイルスなどの病原体に負けて絶滅をしていることでしょう。
夏に汗をかくのは気化熱で体温を下げる為、冬に鳥肌が立つのは空気の層を作り体温を保つ為です。
これらと同じことが血圧にも言えます。
高血圧の人は、血圧を高くしないといけない何かが身体で起こっていると言うことです。
自分と言う固体を守る為に血圧を上げていると言うことではないでしょうか。
原因と結果が逆
頭が痛い人がいて血圧を測定したら180もあったとしたら、多くの医者は「頭痛は血圧が高いのが原因」とされ血圧が下がれば頭痛は治ると言って薬を出すかと思います。
実際に血圧が下がれば頭痛は治るかもしれません。
ですが、これでは一時的になり、なぜ血圧が180になったのかを考えないといけないのです。
多くの人が勘違いをしているかと思いますが、頭が痛いのは血圧が高いからではなくて、頭の中で何かが起こっていると言うことなのです。
血圧を高くして、栄養や酸素を含んだ血液を大量に送ることで、身体は頭痛を治そうとしていると言うことなのです。
原因と結果が逆になっていると言うことです。
それにも関わらず「血圧が高い=悪」と決めつけて薬を出しているのです。
2002年国民栄養調査によると20歳以上の国民のうち降圧剤を服用している人の割合は成人男性21.2%、女性20.4%でした。
それが2011年では、男性30.1%、女性25.3%と増えています。
60~69歳では男性36.6%、女性34.9%、70歳以上では男性55.3%、女性49.5%になっています。
10年間で降圧剤を飲む人が増えたのは、少しでも血圧が高いと、直ぐに医者が薬を出すからでしょう。
基準値は、180からどんどん下がり、その都度に患者が1000万人単位で増えてきました。
患者がどんどん作られていき薬に膨大は無駄遣いがされています。
この費用を他のことに使えば、多くの病気を治したり予防したりすることもできるのではないでしょうか。
適正な医療とは一体何なのか考えないといけないのではないでしょうか。
薬を出すのは医者の保身
医者は、血圧が少しでも高いと直ぐに薬を飲ませようとします。
しかも、一生飲み続けないといけませんとも言うことでしょう。
風邪で病院に行くとたくさんの薬を出されたことがある人もいるのではないでしょうか。
解熱剤、抗生物質、咳止め、鼻水止め、抗炎症剤など
これを一週間分となれば、かなりの量ですが、たいていは飲み切る前に治ってしまいます。
中には、医者はお金儲けの為にたくさん薬を出すと思っている人もいると思います。
実際に1980年代まではそうだったみたいですが、その頃から変わっていきました。
今では薬をたくさん出しても医者は儲からないようになっています。
薬の仕入れ値と売値がほぼ同じになっているからです。
薬の売買価格は国で決められているので儲けようと思ってもできないのです。
昔は、医者に行くとそこで薬を貰っていましたが、30年ほど前から処方箋を受け取って近くの薬局で薬を貰うようになりました。
薬を出せば出すほど儲かる時代が確かにありました。
ですが、80年代頃から薬漬け医療が取りざたされるようになりました。
医者は、利益を出す為にむやみに薬を出したり、なるべく高い薬で治療しようと患者を誘導したりすることが問題にされました。
これによって薬では儲からないようにシステムが変わったのです。
では、なぜ医者は薬をたくさん出そうとするのでしょうか。
それは医者自身の保身の為と言えます。
医者が診断に迷うとたくさん薬を処方しようとします。
ヘタな鉄砲も数打てば当たると言うことです。
風邪でも分かりづらいことはよくあります。
結核、肺炎、百日咳、アレルギー性鼻炎などの初期症状は風邪と非常に似ています。
あとは標準治療の存在も大きいでしょう。
これは全国の医師に向けての治療マニュアルで、医者はこのマニュアル通りに治療をします。
でなければ治療を怠っていると言われてしまうこともあるからです。
マニュアル通りに薬を出すのは医者自身の保身の為と言えるのです。
ですが、マニュアルを優先して患者の健康を顧みなければ医師として不誠実かと思います。
本当に患者のことを思って治療しているのかと言うことです。
参考書籍⇒高血圧はほっとくのが一番