血圧が下がる食べ物はないのかも、ある食品の健康効果を証明するのは非常に大変
血圧を下げる食べ物はないのかも
世の中には食べ物に関する健康情報が溢れています。
例えば、玉ねぎを食べると血液がサラサラになる、お酢を飲むと疲れが取れる、二日酔いにはシジミが良い、など様々あるかと思います。
血圧を下げる食品としては、大根おろし、プルーン、バナナ、パセリなどあるかと思います。
血圧が気になるからこれらの食品を食べるようにしようと思うかもしれません。
食品なら降圧剤よりも身体に良いと考えることでしょう。
確かに降圧剤よりも食品を食べるようにした方が良いかとは思います。
ですが、高血圧だからと言って病気のリスクが高くなるとは決してありません。
年齢を重ねると血圧が高くなるのは自然現象であり、生命維持の為に身体は血圧を上げているからです。
血圧を気にし過ぎてしまうとそれがストレスとなって逆に身体に良くありません。
極度に高い場合を除き血圧を気にする必要はなく、血圧を下げる食品にこだわる必要性もありません。
これは血圧に限らず、そもそも身体に良い食品と言う物が本当にあるのかと言うことにも疑問があります。
食事は、ある食品に偏ってしまうのは良くありません。
バランス良く食べることが身体に良いのです。
2007年、テレビの健康番組で納豆2パックを朝晩食べると高いダイエット効果があると放送されました。
その後、スーパーの店頭に納豆が1週間以上もない状態が続きました。
ところが、その後に番組で取り上げたデータの捏造が発覚し全くのデタラメだったことが明らかになりました。
テレビ局も捏造を認め謝罪し社会問題にまで発展しました。
この事件を覚えている人も多いのではないでしょうか。
納豆には、生きていくのに必要な必須アミノ酸やビタミン、食物繊維などが豊富に含まれています。
栄養が豊富なので健康維持には欠かせない食品ではあります。
だからと言ってダイエット効果があるわけではありません。
食べ物の健康効果を証明するのは非常に大変なことです。
例えば、納豆の健康効果を科学的に確かめるには数千人以上を無作為に半分ずつに分けて、納豆を食べるグループと納豆を食べないグループに分けます。
そして、20年以上観察して、その間に起きた病気や死亡の割合を厳密に比較しないといけません。
テレビ局が行うような簡単な調査で結論が出るようなものではありません。
しかもテレビ局のデータは、それすらも捏造だったのです。
ある食べ物の健康効果を証明するのは非常に時間もかかりとても困難なのです。
この食品に健康効果があるのかどうかは分からないと言えます。
食事は色々な物を食べバランス良く食べるようにするのが良いでしょう。
空腹健康法には根拠がない
「超低カロリー食で寿命が延びる」「1日1食で若返る」など謳った空腹健康法と言うものがあります。
空腹健康法の根拠は、2009年に発表されたウィスコンシン大学の研究です。
好き放題に食事を与えたアカゲザルのグループと最大40%カロリーを制限したアカゲザルのグループを25年以上観察した結果、好き放題食べていた方は生活習慣病で死亡するサルが多発したそうです。
見た目も肥満や皮膚のたるみ、薄毛などの老化現象も目立っていました。
その一方でカロリー制限をした方では生活習慣病が少なく、顔つきも若々しかったのです。
この研究では日本でも話題になり「食事制限で長寿遺伝子が活性化する」と言うキャッチフレーズと共に空腹健康法は一躍世間の注目を浴びました。
ですが、その数ヶ月後に同じアカゲザルを対象として実験で全く異なる結果が出ました。
おそらく多くの人は、全く反対の結果の実験もあったことを知らないのではないでしょうか。
アメリカの国立老化研究所の研究チームが同じようにアカゲザルを20年以上観察して比較した研究です。
おそらく誰もが先に発表されたウィスコンシン大学の研究を裏付けるデータが出るものと期待したことでしょう。
ですが、結果は全くの逆だったのです。
老化研究所の実験では、カロリー制限による生活習慣病の予防や死亡率減少の効果は認められませんでした。
ダイエットによって寿命が延びることもなかったとのことです。
老化研究所によると「霊長類の寿命はカロリーだけではなく、環境や食事の質など様々な要因が影響するのではないか」としています。
アカゲザルを使った実験は現在も続けられていてウィスコンシン大学は今実験中のサルが老年になる頃に研究結果をまとめた論文を発表する予定だそうです。
空腹健康法には、根拠がないと言うことです。
健康を害する大きな要因はストレス
ストレスは、健康を害する最大の要因と言っても過言ではありません。
現代社会はストレスが非常に多く、多くの人はストレスを抱えているのではないでしょうか。
あれこれ気にし過ぎない方が健康に過ごすことができるでしょう。
ストレスによって高血圧にもなってしまいます。
身体の疲労はストレスです。
身体は、ストレスに抵抗する為に血圧を上げます。
薬を飲むよりも先にストレスを発散させることが先決で、十分に睡眠を取って休むことが一番大事なことです。
時間のない時は、2~3分でも横になればだいぶ違うと思います。
スペインやギリシャなどではシェスタと言う昼寝の習慣があります。
シェスタは生活習慣として社会的にも認められて13~16時までは商店、企業、官公庁などの多くが休業時間となります。
人間の身体には、体内時計があり朝起きて夜寝ると言うサイクルを規則正しく繰り替えるようになっています。
このリズムは、体温や血圧、ホルモン分泌などにも関わっていて健康を大きく左右します。
規則正しい生活を送ると言うのが、健康によってとても大事なことになります。
人間の活力や集中力は。午前中に上昇して正午頃に最も高くなって昼食後14~15時にかけて低下します。
交通事故は注意力の低下する午後の早い時間に多く発生するそうです。
16時過ぎに再び活発になり、日が落ちると就寝に向けて再び低下します。
このことから14~15時に昼寝をするのは合理的と言えます。
しかし、サラリーマンでお昼にゆっくりと休憩ができる人はごく稀で、ほとんどは食事を済ませたら直ぐに仕事に戻るのではないでしょうか。
このような生活では、常に緊張状態を強いられていてはストレスが溜まる一方でしょう。
仕事が忙しくても疲れを取る為に睡眠は十分に取るように心掛けましょう。
休みの日はゆっくりとする時間を作るようにすることも大切かと思います。
高血圧や脂質異常症、動脈硬化、骨粗鬆症、糖尿病、ガン、脳卒中など病気の不安はキリがありません。
心配すればするほど医療費も重なりどんどん膨らんでいきます。
それよりもストレスを発散させる為にお金を使う方が賢明だと思います。
十分な睡眠を心掛けてストレスを解消しポジティブな考えになるように生活をするのが一番の健康法です。
健康への不安は、気にし過ぎない方が健康な生活を送れることでしょう。
参考書籍⇒高血圧はほっとくのが一番