怒りは悪いものではなく前向きな変化のきっかけになる|怒りをコントロールしよう
「最近怒りっぽくなってきた」「少しのことでもイライラする」など感じることはありませんか。
怒りの感情は、決してポジティブなものではありませんが、前向きな変化を起こすきっかけになることもあります。
怒りを上手くコントロールして活用してみてはどうでしょうか。
目次
怒りは危険視号
スーパーのセルフレジで並んでいる時、慣れない手つきでレジをしている人がいるとします。
それを見てあなたはどう思いますか。
おそらく多くの人は、そんなことで怒りを感じないと思います。
しかし、様々な理由で私たちは些細なことでも怒りを感じやすくなっています。
例えば、ネット、SNSの発達によって自分の怒りをぶつけやすい環境が昔と比べて増えました。
法律の不平等やLGBTQ+に関する立場、文化的に過激主義の人も増えていたりと怒りを感じる場面が格段に増えてきているのです。
いくつかの調査によると男性よりも女性の方がストレスや疲れを感じやすく、様々な要因が怒りに変わってしまいやすいことが示されているようです。
ストレスと怒りは全くの別物です。
しかし、良い変化がみられないストレス社会に長く生きていたり、その怒りに対して第三者が「ポジティブになろう」とか「瞑想すればいい」とか発信しているのを見ると余計に怒りを感じてしまうこともあると思います。
もちろん軽いストレスであれば、そのような対処で上手くいく可能性は高いかと思います。
ですが、誰かの手で大切な人を失ってしまったり、大好きな自然環境が破壊されたりというようなストレスには対処できないのではないでしょうか。
これらは極端な例えかもしれませんが、簡単に癒されることではないことは分かるかと思います。
これらを解決するには、社会的な変化を起こすしかありません。
怒りは必ずしも悪い感情ではありません。
怒りは、自分の中で上手くいっていないことからの危険視号と言えます。
私たちは、怒りから発せられる危険信号を上手く察知できないので、少し嫌なことがあると周囲に八つ当たりをしてしまったり、甘い物や脂っこい物を食べたりしてしまうのです。
女性は怒りを好ましくないと認識している
実は男性よりも女性の方が怒りを好ましくないものと認識しているそうです。
怒っている事実を認めたり、それを見せたりすることを好ましくないと考えてしまうのです。
なので、感情の為に使われるエネルギーのほとんどを怒りを鎮めたり隠したりすることに使ってしまいます。
ある研究結果によると怒りを外に表現することに対して男性がそれをするよりも女性がする方が周囲の人が否定的に反応するとのことです。
これは、怒りをぶつけられた時に男性よりも女性の方が信用を失いやすいということです。
女性は無意識に怒りを外に表現することをやめているのかもしれません。
では、女性はその怒りの感情をどう処理しているのでしょうか。
それは、悲しみや失望、フラストレーション、ストレスとして変換しています。
女性の「怒っていない」という主張は「怒っている」という意味になります。
何に対して怒っているのか知りたければ、少し会話をする必要があるでしょう。
ストレスを感じているだけだという場合は、何がストレスなのか聞いてみてください。
「子供の世話が大変」「ローンの支払いが厳しい」「仕事で疲れている」など色々出てくるかと思いますが、もう少しだけ掘り下げてみると根本である怒りの感情が見えてくるかと思います。
怒りが身体に与える影響
怒りの感情は健康に大きく関係していることが証明されています。
特に心疾患との関連が強いとされています。
ある研究によれば、頻繁に爆発的な怒りを感じる人がその2時間後に心臓発作が起こるリスクが通常の5倍、そして脳卒中のリスクが3倍以上になることが分かっています。
怒りが心臓発作を起こすわけではありませんが、怒りや不安を感じた状態では、私たちは闘争・逃走モードにあるので血管が収縮して血圧が上昇してしまいます。
筋肉も収縮してしまうので慢性的な背中の痛みや緊張性頭痛を引き起こしてしまう可能性が高くなります。
さらにある研究においては、二型糖尿病のリスクを高めると示唆されています。
そして、心理的な状態、特に不安やうつ病、摂食障害などは表現できない怒りと結びついていると考えられています。
また、文化的な傾向ですがアジア文化は西洋文化よりも集団主義です。
その為、日本人は集団を乱さないように怒りを抑え込みやすい傾向があります。
それは、心理的な影響だけでなく、身体的な部分にも影響を及ぼします。
例えば、胸が押し付けられるような感覚や呼吸困難、顔が暑くなるような感覚、口の渇きなどです。
これらに苦しむ人たちは、怒りを爆発させることよりも受動的な攻撃性や自己非難に傾くことがあるようです。
怒りを抑え込むことが特定の病気に結びつくというデータが多くあるわけではないですが、抑え込んで症状が出ているということは健康的な解決ができていないということです。
何かしらの影響があると言えるでしょう。
怒りをコントロールしよう
瞑想や散歩、甘い物や脂っこい物を食べるなどは手軽に行うことができます。
ですが、怒っている理由そのものに対処をせずに怒りの感情を避けるような方法だと、また同じ理由で怒りが込み上げてきてしまうのではないでしょうか。
その場の怒りのレベルを下げることは大切なことですが、大事なのはその先です。
必要なのは怒りの思考の再構築です。
では、その為にはどうすれば良いのかですが、次にお伝えする方法を一度試してみてはどうでしょうか。
怒りを認識する
私は怒っていると口に出してみましょう。
怒りを感じたらそれが怒りであることを自分に認識させるのです。
もともと怒りは社会的な感情で悪いものではありません。
もし怒りを感じたらそれは「変化を起こすべきものがある」ということでもあるので希望の兆候とも言えます。
怒りの声を聞く
怒りの声に耳を傾けてみましょう。
自分に何を訴えているのか、心と身体のSOSに耳を傾けてみましょう。
共有する
自分が何を望んでいるのかを伝えることを学び、「私はあなたに怒っています」と言うことができるのであれば、それが最善です。
「今は私の話を聞いてほしい」「これをされて良い気分じゃなかった」など伝えましょう。
大人であれば「そうだったんだね。ごめんね。」と言えるはずです。
伝えることで、あなただけが怒りの気持ちを抱えたまま過ごすことはなくなるはずです。
解決策を探す
自分の状況を変えることは難しいかもしれませんが、解決策のヒントを得ることはできるかもしれません。
例えば、女性のフラストレーションの理由に「誰も話を聞いてもらえない、分かってもらえない」というのがあります。
その場合、SNSで同じような悩みを持つ人の解決策を見てみるのも良い方法かと思います。
注意することは、建設的な解決ができるコミュニティを探すことです。
ネガティブなことや批判的なことばかり言う人の意見には耳を傾けないことです。
自分自身も怒りをぶつけるのではなく、あくまで建設的な解決をするようにしましょう。
解決のプランを立てる
怒りをコントロールする方法として、感情を消し去るという方法もあります。
ですが、根本解決ができない限り、無力感を覚えることになります。
良い方法として怒りを書き出す方法があります。
怒りを書き出すことで、自分がどうなっているのか客観的に見られるようになります。
そして、それをどうするべきかを考えていきます。
感情そのものを理解すれば、それによる被害を減らすことができるでしょう。
怒りを表現する
世界中のアート作品には、怒りの感情を昇華させたものが多くあります。
怒りのエネルギーを使って美しいものを作る人がいるのです。
絵画や音楽、造作物など様々あります。
怒りの感情を否定しないで、それを表現するものを見つけ、自分の人生の一部にするのも一つの方法になります。
自分にも他人にも優しく
誰かがあなたを怒らせるようなことをした時、悪気があったと仮定するのではなく、まずは善意のもとでの行動かもしれない、と想像をしてみましょう。
あなたの為の行動が結果的にあなたを怒らせてしまったのかもしれません。
誰もが悪気があって行動をするわけではありません。
もちろん、中には悪気があって行動をする人もいますが、まずは相手の気持ちに寄り添ってみましょう。
怒りは決して悪いものではありません。
前向きは変化を起こす為のきっかけにしていけると良いでしょう。