メンタルヘルス

認知と行動の変革が人生を豊かにする|ストレングスとレジリエンスの力

「認知と行動の変化」は、心の平穏とポジティブな感情を育み、人生を豊かにするための鍵となります。
ポジティブ認知行動療法(PCBT)では、ポジティブな感情を持てる心のあり方に焦点を当てます。

🔑 幸せな人生の鍵:「ストレングス」と「レジリエンス」

PCBTの鍵となるのが、「ストレングス(強み)」と「レジリエンス(精神的回復力)」です。

1. ストレングス(心の強み)

ストレングスとは、つらい状況を乗り越えるための心の強さです。
「粘り強さ」「謙虚さ」「好奇心」など、心に備わったポジティブな特性を指します。
マインドフルな状態とともにストレングスを強化することで、困難な状況に直面しても心が折れにくくなります。

レジリエンス(精神的回復力)

レジリエンスとは、困難な状況からの適応力回復力のことです。
ストレングスとレジリエンスを身に付けることで、心の平穏を保ち、ポジティブな感情を今まで以上に感じられるようになります。

$\rightarrow$「自分には強みなんてない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、「自分の弱さに気づき、人に助けを求めることができる」のも、実は大きな強み(ストレングス)の一つです。


⬆️ 負の原因ではなく、「最高の未来」を描く上向き矢印法

ポジティブ認知行動療法の初期段階では、現状での肯定的な変化と、今後の希望を明確にすることを行います。
これは、ネガティブな「非適応的スキーマ」を見つけるための下向き矢印法とは逆のアプローチ、「上向き矢印法(Upward Arrow Technique)」を用いて行います。

上向き矢印法のステップ

  1. 「今の変化」:修正された自動思考や行動パターン、スキーマによって生じた肯定的な変化を一番下に書きます。
  2. 「それは何を意味するのか」:その変化が自分にとって何を意味するのかを繰り返し自問します。
  3. 「最高の結果」:自問を繰り返すことで、この先どんな自分になりたいかという**「自分にとっての最高の未来」**を見出します。

負の原因を追求するのではなく、プラスの結果(希望)を導き出すことで、未来への動機付けを強化します。

質問記入例意味するもの(最高の結果に向かう)
最高の結果私は一人ではないと実感しながら、豊かな人間関係の中で生きていける(希望)
↑それは何を意味するのか助けたり助けられたりしながら信頼関係を築ける
↑それは何を意味するのか自分への信頼感、他者への信頼感が少しずつでも増していく
↑それは何を意味するのか今の変化
今の変化失敗におびえずに自分から行動を起こさせるようになってきた(肯定的な変化)

このプロセスを通じて、心に新たなポジティブなビジョンを描き、その実現に向けて行動を促すことができます。