ストレスは身体に悪影響を及ぼす、認知行動療法、マインドフルネス、運動、睡眠、森林浴でストレス軽減
ストレスは生物学的反応である
進化論的には、ストレスは脅威に対する生物学的反応であるとされています。
ストレスを活性化させるシステムは交感神経系です。
脳が脅威を察知するとアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンが働き、呼吸や心拍数を上げたり肝臓や腎臓などの臓器から血液供給を増減させたりさせます。
反対に休息や消化は生命維持の為のシステムでこれらは副交感神経系になります。
ストレスは全てが悪いと言うわけではなくて、良いストレスと悪いストレスがあります。
良いストレスとは、脅威に対して適切に反応をして対処したり、危険な状況から身を引いたりすることができる時間のことで、私たちに必要なストレスです。
その一方で悪いストレスは、私たちの身体と脳に長期にわたりストレス状態が続くことです。
それによって心身の健康、病気のリスク、寿命などに広範囲にわたる悪影響を及ぼします。
ストレスは様々な形で身体に現れてきます。
感情的、肉体的、精神的に影響を与えるだけでなく、行動や人間関係にも影響を与えて不安や思考停止などの認知的な症状が出ることもあります。
精神的な症状としては、イライラ、孤独感、無気力などがあります。
身体的症状には、過呼吸、性的問題、胸の痛み、めまいなどがあります。
これらの症状のようにストレスを過剰に感じると誰かに恨みを感じたり暴言を吐きたくなったりします。
他人との関係に影響を与えることがあります。
また、過度の飲酒、喫煙、強迫観念的な食事など悪い生活習慣に結びついてしまうこともあります。
ストレスは体重を増やす原因にもなる
ストレスは、ダイエットにも悪影響になります。
体重を減らそうと頑張っているのになかなかやせることができない場合、もしかしたらストレスが原因になっているかもしれません。
ストレスは自律神経に影響を与え、代謝を低下させてしまい食べ物の選択にも影響を与えてしまいます。
それによって体重増加を招いてしまいます。
また、睡眠にも悪影響を及ぼします。
睡眠が妨げられることでも体重に影響を与えてしまい食べ物の選択にも影響を与えてしまいます。
ある動物実験では、ストレスによって腸の透過性が高まり、免疫反応や炎症反応が活発になってストレスホルモンがさらに分泌されることが分かっています。
ダイエットを効果的に進めるには、ストレスを上手く発散をして軽減していくことが大切と言えます。
ストレスを解消するには、横隔膜呼吸法が簡単で効果的です。
心身共にリラックスして穏やかな気持ちになる効果があります。
ストレスがかかると呼吸が浅く早くなりがちになってしまいます。
これにより酸素が十分に身体や脳に届いていない状態になってしまう場合があります。
ですので横隔膜と呼ばれる肺の下にある筋肉を使ってコントロールしながら、ゆっくりと呼吸をします。
ゆっくりと呼吸をすることで休息と消化システムが十分に機能するので副交感神経の働きを助けることができます。
大きくゆっくりと呼吸をするようにするとストレス軽減に繋がります。
ストレス解消する有効な手段
認知行動療法(CBT)、マインドフルネス
ストレス解消法には、認知行動療法(CBT)やマインドフルネスに基づくストレス解消法(MBSR)と言うものがあります。
ストレスと戦う為に有効な手段になります。
CBTは、自分の思考パターンを理解してストレスのトリガーとなるものを特定してポジティブな行動や思考への置き換え方を学ぶ方法です。
MBSRは、1970年代に開発されました。
マインドフルネス、瞑想、ヨガなどを組み合わせたもので通常8週間のコースで行われます。
これはエビデンスに基づいたストレスマネジメントツールになっていて広く用いられています。
運動
運動が嫌いな人もいると思いますが、運動はストレスを解消させるのに有効な方法になります。
代謝も高くなるので体重を減らすのにも有効です。
有酸素運動をするとエンドルフィンが分泌されます。
エンドルフィンとは、ランナーズハイのような感覚をもたらす体内の幸せホルモンと呼ばれています。
週に150~300分程度の適度な有酸素運動を行うことが健康、ストレス、ダイエットに良いとされています。
睡眠
睡眠は、身体や脳の疲れを取る為だけでなく、傷ついた細胞を修復する時間でもあり、とても大切な時間です。
睡眠不足になるとイライラしてストレスが溜まりやすくなります。
ストレスを抑える為には睡眠が必要不可欠です。
睡眠不足は、何を食べるか食べ物の選択にも影響を与えてしまい、加工食品などに手が伸びやすくなりがちになってしまいます。
睡眠は毎日充分に取るようにしましょう。
森林浴
森林浴は、自然の中で過ごすことでストレスに対処する方法です。
森や林の中に身を置くことで自分自身を見つめ直すことができます。
ある研究によると、週に2時間自然の中で過ごすことでストレス、うつ、不安を改善できたそうです。
人間も動物であり自然の仲間なので、自然の中で過ごすことがストレスの軽減に繋がるのでしょう。
現代社会では、多くの人が過剰なストレスに晒されているかと思います。
ストレスは、適切であれば良いのですが過度になってしまうと身体に悪い影響を及ぼしてしまいますので、上手く発散をしていくようにしましょう。