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オメガ3脂肪酸(n-3)の真実

オメガ3脂肪酸は消化の過程で酸化される、胃の中は酸化反応にうってつけ

消化の過程で酸化されるオメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、身体に良いとされていますが最も酸化しやすい脂質です。
フィッシュオイルのサプリメントでは既に酸化されている可能が非常に高いと言えます。
酸化すると違う物質に変化してしまうのでオメガ3脂肪酸ではなくなります。

酸化によって生成された過酸化脂質は身体に悪影響を与えます。

オメガ3脂肪酸が酸化しアルデヒドを含んでいる物では、生体内および細胞実験レベルでもダイレクトに小腸から吸収されていきます。

オメガ3脂肪酸から作られるアルデヒドは、小腸細胞自体にもダメージを与えています。

では、酸化されていない状態なら問題ないのでしょうか。

残念ながら酸化されていないオメガ3脂肪酸の状態でも体内でアルデヒドを発生させてしまうようです。
オメガ3脂肪酸を含む食品を摂取すると消化の過程でアルデヒドが発生します。

オメガ3源としてタラの肝油の実験があります。
この実験では、肝油を人間および豚の消化酵素に混ぜて、三つのアルデヒドの発生を時系列で見ています。
その結果、人間の消化酵素では、胃および十二指腸胃の中で時間の経過と共にアルデヒドが増加していきました。
オメガ3系のアルデヒドはオメガ6系のアルデヒドよりも多いです。

このことから消化する過程で脂質過酸化反応が起こっていると言うことが予想することができます。

オメガ3脂肪酸には、タラの肝油以外にもオキアミや藻から抽出した物があります。
これらも消化過程でアルデヒドが胃と十二指腸内で発生していることが報告されているようです。
ただし、タラの肝油やカタクチイワシの方がオキアミ油や藻油よりもアルデヒドの発生量が多いと言う結果になったそうです。

ニシンやサーモンのような馴染みのある食材でも既に胃の中でオメガ3脂肪酸の脂質過酸化反応が起こります。
時間の経過と共にアルデヒドが低下してきますが、発生したアルデヒドは直ぐにタンパク質や遺伝子に結合をしてしまうので測定ができなくなっていきます。

胃だけでなく十二指腸の中でも脂質過酸化が促進されます。

十二指腸では、オイルの方がミンチや生サーモンよりもアルデヒドの発生量が少ない傾向にあります。
これは魚に含まれるような十分な鉄やヘムタンパクをオイルに加えていないからです。

魚にはヘムタンパクがあるので脂質過酸化反応がより促進されます。
なのでオイルを鉄を含む食事の後に摂取すればアルデヒドの発生は同じになるようです。

鉄とビタミンCは酸化促進物質

錆イメージ

ニシンやイワシなどの遠洋のコールドフィッシュは、オメガ3脂肪酸、ヘモグロビン、ミオグロビンの量がサーモンより多いですが、このことがアルデヒド発生量に違いを起こしています。

サーモンはオメガ6脂肪酸が多い魚です。
オイルは乳化した物の方がアルデヒドは多く発生しています。
乳化によって表面積が増加するのでより酸化が進みやすくなります。

そして、鉄です。
鉄は、ビタミンCと一緒で酸化促進物質になります。

酸化物質によって最も反応性が高い活性酸素であるハイドロキシラジカルを発生させて、アルデヒドの発生を促進させます。

ビタミンCは一般的に抗酸化物質とされている一方で酸化物質の側面もあります。
ビタミンEの存在下では抗酸化作用を発揮します。

実際にビタミンCのサプリメントを焼きニシンに添加すると胃内で消化の時アルデヒドの発生が高まります。
小腸内で発生したアルデヒドは小腸粘膜細胞に吸収されることも分かっています。

これは、アルデヒドが局所の小腸粘膜細胞にダメージを与えるだけではなくて、全身を循環して全ての臓器にダメージを与えることを意味しています。

吸収された脂質は、一般的に肝臓に行きます。

そして、カイロミクロンやVLDLなどのリポタンパク質になって全身を循環していきます。
小腸から吸収されたアルデヒドは、これらのリポタンパク質に組み入れられて全身を巡っていくのです。

実際にクローン病などの炎症性腸疾患、関節リウマチ、加齢性の骨格筋減少症、骨粗鬆症、骨髄異形成症候群、アルツハイマー病などの神経疾患などの慢性疾患でアルデヒドであるMDA、HNEの血液濃度は高くなっています。

胃の中は酸化反応にうってつけの場所

胃

赤肉は、大腸ガンと関係していると言われています。
その理由は、赤肉のヘム鉄の下記の作用になります。

・赤肉は体内でN-ナイトロ(ニトロ)化合物を形成します。
これはアルデヒドと同じく体内でDNAやタンパク質と結合をします。

・脂質過酸化反応を触媒し(フェントン反応)、多価不飽和脂肪酸から過酸化脂質を生成させます。
ヘム鉄が脂質の過酸化を促すのであれば、消化管でも脂質過酸化反応が起こっているはずです。

胃は消化管の中でも酸素が多く酸性です。
胃の消化液の中では、低濃度ながら内因性のアスコルビン酸が認められビタミンCは安定します。

酸性条件下ではヘム鉄から鉄の遊離が起こります。

このことから胃の中では容易にフェントン反応とそれに続く脂質過酸化反応が起きやすいと言えます。

多価不飽和脂肪酸は摂取時に酸化されていなくても、胃で脂質過酸化反応を起こして過酸化脂質を発生させると言うことになります。

では赤身の肉は白身の肉よりもヘム鉄が多いから脂質の過酸化がより進むのでしょうか。

赤身肉である牛肉や豚肉と白身肉のチキン、サーモンなどの消化によって過酸化脂質の発生を調べた研究があります。
この研究で使用している食材は、鉄の含有量が最も多いのは牛肉、そして脂質の量が最も多いのがサーモンです。

そして、不飽和脂肪酸が多いのがサーモンと牛肉にフィッシュオイルを足した食事です。

用いているフィッシュオイルは、DHA 21.7 %、EPA 55.6%のオメガ3油です。
これらの食材が胃に入って十二指腸へと消化されていく過程で本当に酸化されているのでしょうか。
結果は、どの食材に関しても消化が進むにつれて過酸化脂質(MDA)の量が増えることが分かりました。

そして、サーモンが飛びぬけてMDAを発生させました。

この結果をまとめると
同じ脂質単位当たりのMDAの量は、サーモン、チキン > ビーフ(鉄の含有量が最多)

では、オメガ3の過酸化脂質(4-HHE)、オメガ6の過酸化脂質(4-HNE)についてはどうでしょうか。

サーモンは、ビーフよりも高い4-HHE量を発生させています。
同じ脂質単位当たりのMDA、4-HHE量は、鉄の含有量が一番少ないサーモンが最大です。

このことから脂質の過酸化は、ヘム鉄よりも多価不飽和脂肪酸の含有量に依存していることが分かります。

ヘモグロビン、マイオグロビンの両方とも脂質過酸化を促しMDAが生産されます。
サーモンのヘモグロビンは哺乳類よりも酸化力が強いのでビーフと同じヘム鉄の量でもサーモンの方がより過酸化反応が高くなります。

また、小腸でも脂質過酸化が促進します。
胆汁の乳化作用によって表面積が増えます。

これによって酸素と反応する表面が大きくなることや胆汁酸はビタミンCと同じで酸化剤になるので胆汁が混じる小腸では脂質過酸化が促進されます。
実際に胆汁がないと過酸化反応が低下します。

酸化せていないオメガ3脂肪酸を摂取しても消化の過程で酸化してしまい有害な過酸化脂質が発生してしまい、それが体内に蓄積されていくことで様々な慢性病を発症させる可能性があると言えそうです。

参考書籍⇒オメガ3の真実 フィッシュオイルと慢性病の全貌