オメガ3の過酸化脂質は糖代謝を抑制、細胞にストレスを与える

オメガ3の過酸化脂質は姉妹染色体交叉を引き起こす

オメガ3の過酸化脂質は、DNA、タンパク質、リン脂質(ホスファチジル・エタノールアミン)と結合をすることが報告されています。
DNAの結合は、生体内では認められていないようですが、毒性のない濃度でも姉妹染色体交叉を引き起こします。

姉妹染色体交叉は、細胞にストレスがかかった時に父親と母親由来の染色体にある遺伝子が相互に働くことで起こります。

毒性濃度では、DNAを破壊します。

ヒトの動脈硬化巣にLDL酸化の結果形成された4-HHE-タンパク質結合体が上昇します。
筋萎縮性側索硬化症では、ヒトの脊髄に4-HHEのタンパク質結合体が上昇しています。

4-OHEは、生体内でDNAと結合します。

筋委縮性側索硬化症では4-OHEとDNA結合体も上昇していることが分かっているそうです。

オメガ3は糖代謝を止める

オメガ3などの多価不飽和脂肪酸は、インスリン感受性を高めると言われています。
インスリン感受性とは、インスリンに対する細胞の糖質の取り込み作用が高まると言うことです。
簡単に言うと血糖値が速やかに低下すると言うことです。

オメガ3の過酸化脂質の4-HHEは、低濃度ではPPAR-δを刺激するシグナルとして作用します。
その結果、膵臓のβ細胞を刺激してインスリン生産を高めるとされています。

では、本当にオメガ3はインスリンの感受性を高めて糖質のエネルギー代謝を高めてくれるのでしょうか。

純粋は多価不飽和脂肪酸をヒトに静脈内投与をした実験によると多価不飽和脂肪酸濃度が高くなるとほどインスリン抵抗性になります。

オメガ6、オメガ3の多価不飽和脂肪酸が主体となっているイントラリピッドと言う脂肪乳剤の点滴の実験でも筋肉内に脂肪酸アシルCoA、ジアシルグリセロールが蓄積することで、インスリン受容体基質をブロックしインスリン抵抗性を引き起こすことが報告されているようです。

オメガ6から形成される過酸化脂質がインスリン受容体物質に結合をしてインスリンシグナルをブロックすることも分かっています。

オメガ3から形成されるアルデヒド4-HHEも4-HNEと同じハイドロキシアルカナールに属して構造はほぼ同じになります。

細胞障害、遺伝子障害、発ガン作用があり、インスリンシグナルのブロック作用もあると考えることができます。

筋肉は糖代謝で重要な器官です。
筋肉がインスリン抵抗性になると糖質の細胞内利用がブロックされて高血糖になってしまいます。
オメガ3から形成される過酸化脂質が筋肉のインスリン抵抗性をもたらすことが分かっています。

オメガ3の過酸化脂質はインスリンそのものに結合をして、その機能と構造を破壊してしまいます。
それによって血糖値が上昇することが、細胞実験でも生体内でも認められています。
また、メタ炎症の引き金とされる細胞の糖運搬体の機能不全の原因もアルデヒドです。

脂肪がエネルギーの燃料として利用されると糖質をエネルギーの燃料として使用することが抑えられます。
その反対に糖質がエネルギーとして利用されると脂肪がエネルギーとして利用されるのを抑えられます。
これをランドル効果と言います。

脂肪をエネルギーとして利用した場合、脂肪酸の鎖が長くなるほど、不飽和度が高くなるほど糖質のエネルギー代謝が抑制されます。

多価不飽和脂肪酸の中でもフィッシュオイルやDHAは糖質のエネルギー代謝を止めるのに有効な物質と言えるのです。

アルデヒドは細胞にストレスを与える

アミノ酸がペプチドになって、さらに二次構造、三次構造になるのは、細胞内の小胞体と言う器官の働きによります。
ここでタンパク質が機能を持つように折りたたみや凝集と言う作業を行います。

小胞体のタンパク質修復作業には、シャペロンと言うタンパク質が重要です。
シャペロンは、小胞体でタンパク質の折りたたみなどを助けるタンパク質です。
近年になって小胞体にストレスがかかることで、タンパク質の修復がうまくいかなくなり、ガンや糖尿病、動脈硬化、アルツハイマー病などの慢性病が起こることが注目をされているようです。

この小胞体にストレスを与えるのが、多価不飽和脂肪酸の自動酸化で発生するアルデヒドです。

アルデヒドは、小胞体の膜構造に結合をして機能・構造にダメージを与えてしまいます。
さらにアルデヒドは、シャペロンにも結合をしてタンパク質の折りたたみにダメージを与えます。
また、小胞体ストレスはメタ炎症の引き金にもなります。

細胞内のタンパク質のリサイクルをブロック

タンパク質の新陳代謝は、 1日で約300~400gです。
現代の平均は、1日100g程度のタンパク質を摂取しているので、その3~4倍が毎日新しく入れ替わっていることになります。

機能するタンパク質は小胞体で作られます。
分解をするのは、細胞内では二つの小器官でプロテアソームとライソソームです。

プロテアソームは、主に細胞内で生産されたタンパク質の分解酵素になります。
ライソソームは、主に細胞外から取り込んだタンパク質を分解します。
オートファジーと呼ばれる自食作用もライソソームで行われます。

タンパク質の分解には、ユビクィティンと言う物質がタンパク質と結合をして分解を促進します。
ですが、ユビクィティンプロテアソーム経路やライソソームオートファジー経路がブロックされると、ダメージを受けたタンパク質が凝集します。
それによってアルツハイマー病などの神経性炎症疾患、子宮ガンや大腸ガンなどのガンの発症につながっています。
細胞内タンパク質分解システムが働かないことが原因になります。

この細胞内タンパク質分解システムにダメージを与えるのが、多価不飽和脂肪酸の酸化によって生産されるアルデヒドです。

小胞体でのタンパク質折りたたみ、タンパク質凝集の異常とプロテアソームやライソソームでの変性タンパク質の分解異常によって起こる病態を総称してタンパク質折りたたみ異常病と言います。

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