近視人口が急増!スマホで失明のリスクが高まる
スマホの見過ぎで近視が進行
現代では、欠かすことのできないスマートフォンですが、目にかなりの負担がかかっています。
スマホを見過ぎることで急性内斜視になるケースが起きているようです。
近くで物を見ると目が内側に寄る状態になり、長時間続けると寄り目が固定化してピントが合わなくなってしまいます。
目を休めたり手術をしたりして改善させることができますが、完全に目の状態が元に戻ることはありません。
手術後も物が二重に見える状態で日常生活に支障をきたすのであれば、機能的失明とも言えます。
急性内斜視は若年層に目立つようですが、若い世代特有の症状というわけではありません。
世界では近視の人口が急激に増えてきているのです。
2016年オーストラリアのブライアン・ホールデン視覚研究所は、世界の近視人口は30%を超えており50年には世界人口のほぼ半数が近視になるだろうと予測しました。
22年のデータでもほぼこの論文の通りに推察しています。
日本でも同様の状況が進んでいます。
19年に慶応義塾大学医学部が発表した研究では、小学生の近視有病率は76.5%、中学生の近視有病率は94.9%に達していました。
既にこれ以上は高まらないようなレベルでそのまま高止まりしている状態です。
近視の原因とされている遺伝的な素因だけでは、このような急激な増加を説明することができません。
野外活動時間の減少やスマホなどのデジタル機器を使う時間の増加などライフスタイルの変化が影響をしていると考えられます。
コロナをきっかけにデジタル機器のスクリーンを眺める時間と近視進行リスクに相関関係があることを裏付けるデータも出てきました。
コロナによるロックダウンの間、中国の青少年を対象に行った研究では、毎日のスクリーンタイムが長くなることで近視の発症・進行リスクが高まること、スマホなどの画面が小さいデジタル機器ではよりリスクが高まる可能性があることなどが示されています。
近視だけに限らず近年では、スマホによって様々な悪影響が出てくることも分かってきています。
強度近視の失明リスクは軽度近視の50倍以上

近視の症状は、主に若年時に始まります。
ピントの操作はレンズの周りの毛様体筋が行っています。
近くの物を見る時は毛様体筋が緊張してレンズの厚みを増やし、遠くの物を見る時は毛様体筋が緩みレンズの厚さを薄くするように調整をしています。
近くの物ばかりにピントを合わせていると毛様体筋が緊張状態のまま固まってしまいます。
これが、仮性近視と呼ばれる近視の初期段階になります。
近年では、スマホ老眼という言葉も聞くようになりました。
スマホの使い過ぎで老眼と同じようにピント調整がうまくできなくなる症状のことですが、これは一時的なものでスマホの使用を抑えれば大体は良くなります。
仮性近視の状態でさらに近くの物を見る作業を続けていると、近くの物にピントを合わせる為に眼球が前後に変形していきます。
これを軸性近視と言います。
現代の医学では、長く変形してしまった眼球を元に戻すことはできません。
さらに近い物を見続け眼軸長が伸びていくと、度の強いメガネがないと日常生活に支障が出る、強度近視になってしまいます。
強度近視になると網膜や脈絡膜に負担がかかり、様々な目の病気のリスクが高まってしまいます。
強度近視は軽度近視に比べて網膜剥離の危険性は約4倍、近視性黄斑症は60倍以上、失明は50倍以上に上昇します。
緑内障も近視ではない人に比べて約3倍多いことが分かっています。
眼軸長の過度な伸張によって黄斑部や視神経がダメージを受けると視力の回復は困難になります。
世界の強度近視の人口は50年には約10%になるとされています。
日本の成人の強度近視率は約5%とされていますが、慶應大学の研究では中学生の強度近視有病率は11.3%に達していました。
今後、失明に繋がる眼疾患の発生率も増えていくかもしれません。
若い頃の近視で眼疾患になる

近視は子供時代から思春期にかけて始まることが多く、20代ぐらいで進行のペースが鈍くなります。
ですが、最近の研究では20代で進行が止まるわけではなく、近くでものを見る時間が長くなればほぼ一生に渡って眼軸長が伸びていくことが分かっています。
若い頃に発症した近視がその後も進行し中高年になって強度近視による目の病気を発症してしまうことも十分にあります。
一度なってしまった近視を元通りに治すことはできないかもしれませんが、その進行を少しでも抑えることができれば将来失明するリスクを減らすことができます。
その為には、目から30㎝以内の作業である近業時間を減らすことが良いとされています。
具体的には、スマホや読書する時間を減らすことです。
スマホは、紙の本よりも目の負担が大きいとされていますので、特にスマホなどのデジタルスクリーンを見る時間を減らすほうが良いかと思います。
アメリカでは、子供の近視対策として20-20-20ルールを推奨しています。
これは、20分間継続して近くを見たら20フィート(約6m)以上離れたものを20秒間眺めるというものです。
定期的に遠くを見ることで目の緊張を緩めて近視の進行を防ぐことができます。
もう一つ心掛けてほしいことが週14時間以上の野外活動です。
毎日2時間以上になりますが、難しいようであれば休日にまとめてでも良いかとは思います。
ポイントは、バイオレットライトと照明です。
自然光には、人工光にほぼないバイオレットライトと呼ばれる光が含まれています。
この光が近視を抑制する遺伝子EGR-1を活性化して眼軸長の伸びを抑えることが近年の研究で分かってきています。
直射日光を浴びなくても日中の野外で1000ルクス程度の照度があれば効果があるとされています。
野外が難しければ、自然光が差す窓際で作業をすると良いかと思います。
デジタルデバイスを見る時は暗い環境にいることが多いかと思いますが、なるべく明るいところでものを見るようにしてみましょう。
スマホなどのデジタルデバイスが普及したことによって世界中で近視の進行が加速し発症も低年齢化しています。
近視からくる眼疾患を防ぐ為に今からでも近視の進行を遅らせることを始めてはいかがでしょうか。