【もう迷わない】心の病気はどこに相談すべき?精神科と心療内科の違いと選び方
心の不調、どこに相談すればいい?
「なんだか気分が晴れない」「ストレスで体にまで影響が出ている気がする」
そう感じた時、私たちは「精神科」と「心療内科」のどちらを受診すべきか迷うことが多いのではないでしょうか。。
どちらも「心の病」を扱う診療科ですが、専門とする領域には明確な違いがあります。
この記事では、それぞれの特徴と、あなたの症状に合わせて最適な受診先を選ぶための具体的な基準を解説します。
精神科と心療内科の根本的な違い(比較表)
| 診療科 | 主な対象 | 治療の焦点 | 医師 | 具体的な症状例 |
| 精神科 | 精神疾患(心の症状が主体) | 心の症状の改善 | 精神科医 | 不安、落ち込み、不眠、幻覚、妄想など |
| 心療内科 | 心身症(心が原因で体に症状) | 心と体の両面からの治療 | 精神科医または内科医 | 腹痛、動悸、吐き気、高血圧、ぜんそくなど(検査で異常がない場合) |
精神科(精神神経科・メンタルクリニック)とは?
✅ 精神科の専門領域
精神科は、心の状態が原因で心の症状が現れる「精神疾患」を専門に扱う診療科です。
以前は「精神神経科」とも呼ばれていましたが、現在では「メンタルクリニック」や「心のクリニック」といった名称で、より気軽に受診しやすい工夫をしている医療機関も増えています。
精神科で主に相談される症状・疾患の例
- 感情・気分の問題: 強い落ち込み(抑うつ)、気分の高揚(躁状態)、イライラ、極端な不安
- 思考・認知の問題: 幻覚、妄想、「誰かに悪口を言われている気がする」
- 行動・意欲の問題: 食欲不振、過食、過度な飲酒・ギャンブル(依存症)、無気力
- 睡眠の問題: 疲れているのに眠れない(不眠)、日中の強い眠気(睡眠障害)
- 主な疾患例: うつ病、双極性障害、統合失調症、適応障害、パニック障害、発達障害、依存症など
💡ポイント: 「心の状態のつらさや違和感が、生活の中心になっている場合」は精神科の専門分野です。
心療内科とは?
✅ 心療内科の専門領域
心療内科は、心理的な要因(ストレスなど)がきっかけで身体に症状が現れる「心身症」を主な診療対象としています。
症状が出ているのは身体ですが、一般的な内科などの検査では異常が見つからない、またはストレスを取り除くことで症状が改善するケースがこれにあたります。
✅ 心療内科で主に相談される症状・疾患の例
- 消化器系: 腹痛、下痢(過敏性腸症候群)、吐き気、胃の不調(胃潰瘍など)
- 循環器・呼吸器系: 動悸、息苦しさ、高血圧、気管支喘息
- 神経・皮膚系: めまい、頭痛、手足のしびれ、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎の悪化
- その他: 疲労感、だるさ
💡ポイント: 「ストレスや悩みが原因で、体に具体的な不調(痛みや病態)が出ている場合」は心療内科の専門分野です。
【重要】最適な受診先を選ぶためのガイドライン
精神科と心療内科の棲み分けは、現実には必ずしも明確ではありません。特にうつ病や不安障害などは、どちらの診療科でも診察・治療を行っていることが多くあります。
迷った時は、以下の基準を参考にしましょう。
1. 症状の「主体」で選ぶ
- 心の症状が強い場合(不安、落ち込み、意欲低下、不眠など):精神科
- 身体の症状が強く、内科などで「異常なし」と言われた場合:心療内科
- 例: 胃の調子が悪い(心療内科)、食欲がなく気分が落ち込んでいる(精神科)
2. まずはかかりつけの内科・専門医に相談する
身体の症状がある場合(動悸、腹痛など)は、まずは内科や専門医を受診し、身体的な原因がないかを確認しましょう。
そこで「異常なし」と診断された後に、心療内科への受診を検討するのが確実です。
3. 医療機関に直接相談する
予約の電話をする際に、「こういう症状で悩んでいるのですが、精神科と心療内科のどちらを受診すべきでしょうか?」と率直に尋ねるのが最も確実です。
医療機関側で、あなたの症状を確認し、適切な診療科や医師を案内してくれるでしょう。
心の不調を感じたら、我慢せずに専門家へ相談しましょう。







