怒りの感情を力に変える!スキーマ療法に基づいた「過剰保障モード」からの脱却法
怒りの感情は、あなたの心を守ろうとするコーピングモード(対処法モード)から生まれるサインかもしれません。
大切なのは、怒りをゼロにすることではなく、その怒りに振り回されないように、根本的な原因とより建設的な対処法を見つけることです。
この記事では、スキーマ療法における「過剰保障モード」に焦点を当て、怒りの原因を深く掘り下げ、現実的で偏りのない新しい行動パターンを身につけるための具体的なステップを解説します。
怒りの根源を探る:モードと認知の振り返り
あなたは、心で習慣化しているコーピングモードに気づいていますか?
このモードに気づくことが、感情的な反応をコントロールする第一歩です。
まずは、「スキーマ・フラッシュカード」を使ったワークで、怒りを強く感じた場面を具体的に振り返りましょう。
1. 怒りを感じた時の「モード」と「認知」を記入する
- 感情・きっかけとなった出来事: 怒りの強度と、何が起こったのかを詳細に記録します。
- モード: どのようなコーピングモードが働いているかを特定します。例: 「怒れるチャイルドモード」
- 認知: 出来事をどう理解し、どのような偏った見方(スキーマ)が働いたかを分析します。
2. 幼少期の体験を掘り起こす
現在のモードや認知の背景には、幼少期の体験が深く関わっていることがよくあります。
例えば、「怒りを親に抑圧された経験」は、大人になってからの感情の過剰反応(過剰保障)の原因になりがちです。
💡 ポイント: 怒りは、本来「悪い感情」ではありません。欲求が満たされない時に起こる自然な反応です。この感情を抑圧するのではなく、「何を守ろうとしているのか」に目を向けましょう。
過剰保障モードを断ち切る!「新しい対処行動」の設定
怒りに関わるモード(例: 怒れるチャイルドモード)に気づくことができたら、次にスキーマの修正を行い、新しい対処行動を具体的に設定します。
現実に即した、偏りのないものの見方(代替の捉え方)を考え、それをベースにした行動を準備することが極めて重要です。
なぜ新しい対処法を考えるのか?
怒りが湧いた瞬間、私たちはとっさにいつもの行動(例: 攻撃的な行動や、不満をぶつける行動)をとってしまいがちです。
これを防ぐためには、事前に新しい行動パターンを脳にインプットしておく必要があります。
新しい対処行動の例
- 他者を尊重しつつ、自分の思いを伝える具体的なフレーズを考える。
- 怒りを感じた時のその場を離れる、深呼吸するなどのアンガーマネジメントの行動を準備する。
外的要因にも注目!状況・行動パターンの見直し
怒りは、時間に追われているなどの外的要因によっても誘発されることがあります。
このような場合、怒りを感じるような状況や行動パターンそのものを見直すことが、最も効果的な解決策となることがあります。
- 例:
満員電車でストレスを感じやすいのであれば、通勤時間をずらしてみる、別の交通手段を検討するなど。 - 重要:
あなたにとって怒りを感じやすい状況と、それを避けるための現実的な解決策をセットで考えることが、ストレスの軽減に直結します。
まとめ|怒りの「トリガー」を知り、主体的に人生をコントロールする
怒りの感情は、あなたの満たされていないニーズや傷ついた心の部分を教えてくれる大切な信号です。
スキーマ療法に基づき、感情の「トリガー」となるモードと認知を理解し、建設的な新しい対処行動を準備することで、あなたは怒りに囚われることなく、主体的に人生をコントロールできるようになります。







