メンタルヘルスのカギ「レジリエンス」周囲の環境が大事、回復、抵抗、再構成

ストレスで不調になる人とならない人

人は厳しい環境や状況に置かれるとストレスを感じ私たちの脳に負担をかけます。
そして、場合によっては心に不調をきたしてしまいます。
ですが、誰しも不調になるわけではなく不調にならない人もいます。

では、この不調になる人とならない人を分ける違いは一体何なのでしょうか。

その要素の一つとしてレジリエンスが挙げられます。
メンタルヘルスケアのアプローチとして、心の不調や病を予防する為には脆弱性要因を減らしレジリエンス要因を増やすことがポイントです。

では、レジリエンスとは何なのでしょうか。

日本語にすると変形したものが元の形に戻る復元力・弾力になります。
他にも困難や脅威などの厳しい状況にも適応するプロセスや能力、結果を指します。
貧困な環境など厳しい逆境で育ちながら健全な大人に成長した子供はレジリエントと呼ぶこともあります。

レジリエンスには、下記の3つ挙げることができます。

・回復
強風が吹いてもしなやかな竹のように元と同じ状態に戻ることです。

・抵抗
どんな風にも微動だにしない状態です。
負けるなと言う声かけに表されるようなスポーツの場面でもイメージしやすい側面かと思います。

・再構成
メンタルヘルスの領域ではこの側面を指すことが多いです。
特に思春期にはとても重要な部分となります。

木を例にすると切られた木がその横から芽を出すように別の形になってより美しくなる、それが再構成です。
これを専門用語で言うと心的外傷後成長と言います。

厳しい出来事があると、まず気持ちが大きく落ち込みます。
やがて回復過程に向かい、ここで元に戻る(回復)、場合によっては新しい自分を見つける(再構成)フェーズがあります。
どちらの場合もやがて回復が完了して、それが成長に繋がることになります。

ですが、この一連の過程で大切なのが周囲の環境になります。
周囲の人の対応によってレジリエンスを高めてくれるようになりますし、その逆になってしまうこともあります。
回復の過程は一人ではなく、周囲のサポートなど環境要因が影響します。

レジリエンスを高める要因は、個人間、所属組織、地域・社会です。
これらの力で人は困難も乗り越えることができます。

情報化時代になり昨今ではストレス増

頭痛イメージ

レジリエンスを高める要因である環境はとても大事です。
これまでのスポーツ現場では、レジリエンスの抵抗の側面が多かったのではないでしょうか。

しかし、抵抗を育む為に根性論や精神論が強調され、重視するあまり折られたら見捨てられてしまうと言う状態では選手のダメージが計り知れません。

精神論の重要性ももちろんあります。
ですが、そこからどうするのか、再構成を見据えた声かけをすることで人は前を向いて成長することができます。

また、いつの時代でも若者にとってはストレスが多いものです。
昨今では、予測不能はVUCAの時代などと呼ばれています。

VUCAとは、変動制、不確実性、複雑性、曖昧性の英語での頭文字を取った造語です。
将来の予測が困難な状態を意味します。

特に今の情報化時代により、情報が氾濫しストレス要因は増すばかりで処理するのもそう簡単ではありません。

心の病は一生のうち18~25%、4~5人に1人の割合で罹るとされています。
その好発時期は思春期なのです。

精神疾患を持っている患者の調査では、14歳の時点で既に50%、25歳までに75%までが発症していたと言う報告もあるようです。

脳科学の分野では、12~25歳が思春期と捉えられこの時期に精神疾患のリスクが高まるのは脳の発達があるとよく言われています。

第二次性徴で不安感情がリード

落ち込む女性

脳の奥には、不安感情を作る偏桃体があります。
偏桃体は、第二次性徴で急速に発達をします。

その一方で、感情をコントロールしたり思考を整理したりする前頭葉が発達するのは、25~30歳になります。
なので偏桃体の活発な動きを止められずメンタルヘルスの不調に繋がっていくのです。

その予防に繋がるのがレジリエンスです。
それを高めるのもネガティブにさせてしまうのも周囲の人が大きなカギを握っていると言えます。

学校やスポーツ少年団、民間のクラブ活動など子供たちが日常のうちで決して少なくない時間を過ごす環境で大きな影響を及ぼすのは近くにいる大人です。
大人が子供に与える影響の強さをきちんと認識することが大切でしょう。

メンタルヘルスは0か1かで捉えられがちかもしれませんが、連続的なものです。
メンタルヘルスに不調がある状態を指して精神疾患と一口に言っても心の健康状態も心の障害も症状や程度は実に様々です。

メンタルに不調をきたす例で多いのが「まさか自分が、、、」と本人が気づかないケースです。
自分の心は強いと思い込み少しでも成績が落ち込んだりすると不安から現実を認めず、その結果が続くといつか自分自身を否定するようになります。
中には自分を追い詰め過ぎてしまう人もいます。

そして、症状が重いほどなかなか心情を話してはくれません。

多くの人は自分の心の様子を人に話すことは、弱い人間がすることと考えているのかもしれません。
ですが、弱さを出せる人は強い人です。
人に相談できる人は、人と話すことで課題を共有し解決に向かえる強い人なのです。

メンタルヘルスは全ての土台になるものです。
土台であるメンタルヘルスがケアできなければ良好なパフォーマンスを発揮できません。
土台を常にチェックして日々のストレスを少しでも緩和する、それには周囲の環境がとても大事と言えます。

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