健康

野菜ジュースが脂肪肝の原因、アルコールを飲まない人の脂肪肝が急増|飲み物を変えてみよう

お酒を飲まない人の脂肪肝が増加

近年、アルコールを飲まない人の脂肪肝の人が増えてきているようです。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が溜まった状態のことです。
本来であれば、食事で摂り過ぎてしまったエネルギーは皮下脂肪や内臓脂肪となって体内に蓄えられていきます。

ですが、脂肪細胞にもキャパシティがあります。
限界を超えて取り込まれた栄養は、最終的に肝臓の内部に脂肪として蓄えられていきます。

脂肪肝の組織を顕微鏡で見てみると肝細胞が風船のようにふくらみ、細胞質内にラーメンのスープに浮いた脂のようなしずくが溜まっているのが見えます。
この脂肪が増えていくことで次第に肝臓の機能が失われていきます。

脂肪肝は、以前お酒をよく飲む人に見られる症状でしたが、最近ではお酒を飲まない人の脂肪肝が急増してきています。
2016年のデータによると非アルコール性脂肪肝の人は約2300万人もいて今現在も増え続けている状態です。
この場合の脂肪肝の主な原因は栄養の摂り過ぎによるものです。

肝臓は、沈黙の臓器と言われ自覚症状がないまま病状は悪化していきます。
肝臓が悪くなってきても何の自覚症状がないので、普段から肝臓を労わる必要があります。
脂肪肝患者のうち、1~2割は5~10年で肝硬変に陥る脂肪肝炎の状態です。
肝硬変とは、肝炎の末期症状で腹水、胸水、黄疸が出て肝不全を引き起こす死に至る病です。
脂肪肝はがんにもなりやすくなります。

また、脂肪肝によって糖尿病、心臓病、脳血管障害、心筋梗塞など様々な病気を引き起こしてしまいます。

脂肪肝は1ヶ月でも改善してくる

メディカル

肝臓に関する医療技術が高度に発達した現在でも薬だけで脂肪肝を治すことはできません。
しかし、脂肪肝を改善することは難しいことではありません。
日々の食生活を改善するだけです。

肝臓は、病院に行かなくても簡単に改善させることのできる臓器でもあります。
日本肝臓学会による脂肪肝に関するガイドラインでは、7%以上の体重減少で脂肪肝・脂肪肝炎は改善すると記載されています。
BMI25以上であっても効果はあります。
標準体重とされている数値まで、落とさなくても今の体重から7%以上減量するだけでいいのです。
やせる時は、肝臓の細胞質内の脂肪から減少いてき、次に内臓脂肪、最後に皮下脂肪が落ちていきます。
仮に肥満で今の体重がどれだけ重たくても減量した分だけ確実に脂肪肝改善の効果が出てきます。
1ヶ月でもその効果が出てきます。

では、実際に何をすれば良いのでしょうか。

脂肪を落とす為に脂質を控える人が多いのですが、実は糖質を抑えるのが重要です。
肝臓にもたらされる脂肪の60%は、皮下脂肪や内臓脂肪が溶け出したもので、食事が要因となって溜まる脂肪は40%、その内訳は食餌性の脂質が要因でついた脂肪が15%で残りの25%は肝臓で糖質から合成されたものです。
脂質も影響はあるものの脂質ばかり抑えて糖質の多いものを摂っていると改善はなかなか難しいです。

例えば、甘い食べ物ももちろんそうですが、野菜ジュースや乳酸菌飲料、スポーツドリンクなどの飲み物にも注意が必要です。

これらは、身体に良いと思って飲んでいる人も多いのではないでしょうか。

身体に良さげな野菜ジュースが脂肪肝の原因に

頭を抱えて落ち込む女性

糖質を減らした食生活というと甘い食事を控えればいいと思うかもしれません。
もちろんそれも重要です。
ですが、もっと手軽で効果的に減らすことのできる方法があります。

それは、飲み物です。

最近の研究で肝臓に脂肪が溜まる原因として、口から栄養素が入ってから肝臓に届くまでのスピードが関係していることが分かりました。
同じ糖質でもゆっくりと吸収されるものは、小腸でブドウ糖に変えられエネルギー源として使われます。
肝臓への負担も少なくて済みます。

ところが飲み物だと糖質がそのまま肝臓に届いて脂肪に変えられてしまいます。
短時間に高い密度で栄養素が身体に吸収されるものが、もっとも肝臓に負担をかけてしまうのです。
その代表が甘い飲み物になります。
甘い物をやめるだけでも脂肪肝は、劇的に改善していくはずです。

甘い飲み物というとジュースを控えれば良いと思うかもしれませんが、それだけではありません。
一般的に身体に良いとされている飲み物に注意が必要です。

例えば、野菜ジュース、乳酸菌飲料、スポーツドリンク、豆乳、牛乳、甘酒などです。
これらには糖質がかなりの量、含まれています。

脂肪肝は、栄養の摂り過ぎなので脂肪肝の人はこれらを控えるべき飲み物になります。
これらの飲み物を水やお茶、ブラックコーヒーなどに変えるだけで肝臓の状態は変わってくるかと思います。

夕食は軽めに朝と昼にタンパク質を摂る

飲み物で糖質を抑えることと同様に重要なのがタンパク質を摂ることです。
その理由は、筋肉を維持させる為です。

糖質は、肝臓と筋肉にグリコーゲンとして蓄えられています。
なので、筋肉が減ってしまうと蓄えられる糖質も減ってしまうので、脂肪に変わり蓄えられてしまいます。
筋肉が減ることでも脂肪肝を悪化させる原因になるので、筋肉を維持する為にタンパク質は十分に摂る必要があります。
タンパク質だけ摂れば筋肉が維持できるわけではないので、運動もするようにしましょう。
適度に運動をしてタンパク質を摂ることが重要です。

タンパク質の1日の量は、体重1kgあたり1gが目安になります。
夕食を多めに食べる人が多いと思いますが、朝と昼に多めにタンパク質を摂るようにしましょう。
日中に栄養をしっかりと摂り、夕食は軽めに済ませるほうが、脂肪が溜まりにくくなるからです。
朝や昼は、身体が体温を上げる為に熱を使うので脂肪を落としやすく、夜は身体を休める為食事から摂った栄養が脂肪になりやすいです。

現在、日本人の3分の1が脂肪肝を抱えていると言われています。
しかし、食生活を見直せば簡単に改善させることができるかと思います。
特に普段の飲み物を変えてみてはいかがでしょうか。

参考雑誌⇒プレジデント2024年12/13号 間違いだらけの健康常識