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老化は44歳と60歳で急激に進行!?老化予防の基本はバランスの良い食事

44歳と60歳に老化の崖がある

人間は年齢とともにゆっくりと老化していくと考えられていましたが、20204年8月に発表された米スタンフォード大学の研究論文によると老化は44歳と60歳で急激に進行するということが明らかになったそうです。
もちろん個人差があるかと思いますが44歳と60歳前後で体内に大きな変化が起る、いわゆる老化の崖があるとのことです。
これが老化に関連する疾患のリスク増加に影響していると可能性があるようです。

この論文では、25歳から75歳の108人の被験者のタンパク質や遺伝子の発現、腸内細菌叢などを調査しています。
この論文でのサンプル人数は少ないので、あくまで参考としてお考え下さい。

第一のピークである44歳では、脂質やアルコールの代謝などに関連するデータが急激に変化、心血管疾患や代謝関連疾患のリスクが高まるとしています。

第二のピークである60歳では、腎機能や免疫機能などに関する変化が顕著で腎機能障害や感染症のリスクが増加するとのことです。

哺乳類には、心拍数が20億回で寿命を迎えるという説がありますが、それを乗り越えたヒトが20億回を迎えるのがだいたい40~50歳前後になります。

論文で44歳頃に各データの変化が出たのは、進化の名残が可視化されたのかもしれないとのことらしいです。

この論文で示された二つのピークでは、生物学的な変化が目立つだけであって、それらが必ずしも直接病気に結びつくというわけではありません。
老化対策は、ピークを考え年代によって変えていくと良いのかもしれません。

老化の遺伝的要因は少ないかも

白衣を着ている男性困る

老化は自然現象で避けることができませんが、ある程度遅らせることができるかと思います。
老化には、様々な要因が考えられ遺伝子も要因の一つになります。
遺伝子は私たちの身体の設計図なので、遺伝子が老化の大きな要因と考えることができます。

ですが、遺伝的要因が老化に及ぼす影響は少ないという論文もあるようです。
遺伝子が全く同じである一卵性双生児を長期間追跡した調査によると遺伝的要因は25%で、残り75%は後天的要因であることが分かったそうです。
このことから食事や運動など生活習慣に気を付けることで老化のスピードをある程度遅らせることができると言えそうです。

では、具体的に老化対策はどのようにすれば良いのでしょうか。

老化対策でのポイントは年代によって変わってくると言えます。
個人差がありますが、年代によるリスクは下記のようになります。

年代別リスク

30代
生活習慣病のリスクが少しずつ高まる

40代
アルコール代謝が低下
脂質代謝が低下
男性の肥満率が急増
皮膚の老化
心筋梗塞、心臓病の発症率が高まる
緑内障有病率が増加
下肢筋力低下
毛細血管の減少が加速

50代
アミロイドβが徐々に蓄積
脂肪肝が男女ともに増加
がんの発症率が増加
糖尿病の疑いが増える

60代
糖代謝低下
上肢の筋力低下
免疫機能の低下
腎臓の機能低下
糖尿病のリスク増加
脳卒中の罹患率が上昇
認知機能の低下

70代
多くの臓器の機能低下
転倒などによる骨折が増える
肝臓がんのリスク増加
視覚障害のリスクが高まる
認知症の有病率が上がる
サルコペニアが急増

食事が基本で五大栄養素をバランス良く摂ろう

箸で食べている女性

老化を予防するには、生活習慣に気を付けることが重要です。
その中でも食事が基本と言えます。

食事の基本は、バランスの良い食事です。
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を過不足なく摂取することが基本ですが、年代によって考え方も変わるかもしれません。

例えば、40代であれば炭水化物を最後に食べる、60代なら時間をかけて食べるなど意識するべきことが年代によって変わってくるかもしれません。
ただ一つ言えることは、バランスの良い食事が最も重要で前提条件ということです。

年齢を重ねたら早寝早起きが良いというのも過去の常識です。
最新の研究によると寝過ぎは認知症リスクや死亡リスクを増やす要因になることもあります。
眠れないのに無理して寝床にいるよりも少し夜更かしをして遅寝早起きも一つの選択肢になります。

また、臓器は部位によって老化のスピードが異なります。
心臓や血管、目などは40代頃から疾病のリスクが高くなります。
反対に脳は老化が比較的ゆっくりと言えます。
臓器ごとの老化の分岐点を把握して対策をすると良いのかもしれません。

あと重要なのは運動です。
加齢によって筋力が低下してくると歩き方が変わってきて歩幅も狭くなっていきます。
歩幅が狭い人は、歩幅が広い人に比べて認知機能が低下しやすいことが分かっています。
下半身の筋力は、加齢で衰えやすいので筋力低下を防ぐ為に普段からよく歩くことを意識すると良いかと思います。
歩幅も意識して広くするようにしましょう。
歩幅を広くすることでより多くの筋肉を使うことになります。
歩くだけで筋力低下を完全に防げるわけではないので、筋力トレーニングのような筋肉に強い刺激を与える運動も取り入れるようにする必要もあります。
若い年代から意識して生活をすると良いかと思います。