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ヘルス&フィットネス~日々の健康・身体作りに役立つ知っておきたいこと~

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身体の悩み別食事法10、太り過ぎ、やせ過ぎ、胃炎、便秘、動脈硬化、骨粗鬆症

太り過ぎを防ぐ生活習慣

お七周りを測る女性

肥満を解消するには、生活習慣の改善が不可欠です。
しかし、単純に食事を大幅に減らすだけだと身体が飢餓状態に適応してしまい、反対にやせにくい体質になってしまいます。
大事なのは、食事のエネルギー量をある程度減らしながらも栄養自体は減らさないようにすることです。
そして、適度に運動を行うことも大切です。

食事については、まずは太りやすい食習慣を見直す必要があります。
朝食や食事を抜いて1日2食にしたり、夜食や間食を食べてしまったりしてしまうと食べ過ぎてしまうこともあります。
なるべく1日3食食べて夜食は控え目にするといいでしょう。
特に夕食よりは朝食を多く食べるほうが望ましいです。

また、早食いをすると食事の満足感を得られず食べ過ぎになりがちですので早食いにならないようによく噛んで食べることも重要です。

食事の内容に関しては、脂肪分や糖分を控えて食物繊維、水分をたっぷりと摂るようにしてみましょう。
アルコールはカロリーが高いですが体内に溜まりにくいとされています。
ですが、食欲を増進させてしまうのでなるべく控えたほうがいいです。
おつまみに関しては、お刺身や鶏のささみ、枝豆や豆腐、スルメなどのなるべくカロリーが低く高タンパクなものを選ぶようにしてみましょう。

やせ過ぎは摂取カロリーを増やす

肥満は健康上問題になりますが、やせ過ぎも問題です。
やせている人の多くは、若い女性と高齢者です。
BMIでのやせは18.5未満の人のことを指しています。

肥満と同じでやせ過ぎも健康に悪影響を及ぼします。
やせ過ぎの妊婦からは、低出生体重児が生まれやすくなって赤ちゃんの健康リスクも高まります。

高齢になると食欲が低下して栄養不足になり、身体の機能が衰えた為に運動量が減り、さらに食欲が減るという「フレイル・サイクル」に陥り介護や入院のリスクが高まります。
フレイルとは、老化に伴って身体の様々な機能が低下して入院や介護を必要とする状態に近づいていることを指します。

例えば、食欲が低下してやせてしまうと栄養不足によって筋力も低下してサルコペニアに繋がります。
すると疲れやすくなったり身体の機能が低下したりして活動量が低下して、さらに食欲が低下して弱ってしまいます。
このようなサイクルをフレイル・サイクルと言います。

やせ過ぎの人の食事のポイントは、食事の量に対して摂取エネルギーを多くしてタンパク質をしっかり摂ることです。
また、消化のよいものにする、食欲が増すような調理法にすることも大切です。

例えば、薬味や香辛料などを使えば風味がよくなり、食欲が増します。
酢豚のようなすっぱい揚げ物は高カロリーで食べやすいのでおススメです。
マヨネーズは、高カロリーで積極的に取り入れたい調味料になります。
醤油やケチャップを入れてみたりタルタルソースを作ってみたりするのも味に変化が出ます。
牛乳にもはちみつや砂糖を入れて高カロリーにすると良いでしょう。
アルコールも食欲を増進させるので良いですが、飲み過ぎると栄養が偏ってしまいます。
日本酒やワインなら1合程度におさえておきましょう。

美しい肌を作るにはタンパク質をしっかりと摂る

化粧水をつける女性

私たちの身体はタンパク質でできています。
肌もタンパク質でできているので、美しい肌を保つことにも食事が大きく関わっています。
肌がキレイと言えば、潤いやハリ、弾力があって血色の良い肌をイメージする人は多いかと思います。

しかし、睡眠不足になったりストレスが溜まったりすれば肌の状態は悪くなり病気になれば皮膚の色が悪くなります。
つまり、美肌の為には身体が健康でなければいけないのです。

皮膚は内臓の鏡とも言われます。
ですので、美しい肌を手に入れる為には、まずは原因となる病気やストレスを取り除くことが大切です。
その上で、食事面では動物性タンパク質を積極的に摂るようにしましょう。
食品で含まれるタンパク質は体内でアミノ酸に分解され吸収されて、再度身体を構成するタンパク質の元になります。

そして、身体を健康に保ち肌のツヤを増すように働きかけるのです。
動物性の油脂は、摂り過ぎると皮脂の分泌量が増えてニキビなどの原因になるので控えめにしましょう。
また、ビタミン類は皮膚の代謝を良くしてくれます。

食物繊維は便秘を解消してくれますので、これらも十分な量を摂取するようにしましょう。
便秘になってしまうと大腸の中に便が長い間とどまることになります。
そうなると便の腐敗が進み、善玉菌が減って悪玉菌が増えてきます。
増えた悪玉菌によって有害物質が多く生産されます。
それが腸管内で吸収されて血液から全身を巡ることになります。
この有害物質が肌に到達するとニキビや肌荒れなどの肌トラブルを起こすと考えられていますので、便秘も美容の大敵になります。

毛髪を元気にする食べ物はない?

頭皮を気にする女性

毛髪は私たちの見た目の美しさを左右する大切な要素でもあります。
人間には、約10万本の毛髪があります。
それぞれが伸びたり抜けたりして毛周期を繰り返しています。
こうして髪の毛は、全体として常にふさふさ状態を保っています。

しかし、何かしらの原因でこの毛周期が崩れてしまうと毛髪の量が減って脱毛症になってしまいます。
毛髪症には、ストレスによって円形の脱毛が起こる円形脱毛症や男性ホルモンの分泌過剰による壮年性脱毛症があります。

また、毛髪のトラブルとして白髪もあります。
髪の毛の色は、メラニンという色素によるものです。
何らかの原因でこのメラニンが作られなくなると白髪になっていきます。

メラニンは、メラノサイトと呼ばれる細胞から作られ毛母細胞に渡されています。
メラノサイトが減ってしまったりメラノサイトのメラニン合成と供給能力が低下してしまったりすると白髪になります。
白髪は老化現象ですが、遺伝的な要素が強く白髪になりやすい人となりにくい人がいます。

また、過度のストレス、栄養不足、薬の副作用や代謝障害も白髪の原因になります。
脱毛症や白髪は、残念ながら食事で根本的に解決することは難しいとされています。
海藻が髪の毛に良いと俗に言われていたりもしますが、これは何の根拠もありません。

しかし、脱毛も白髪も栄養不足によっても起こることがあるので、その場合は栄養バランスの良い食事をすると改善する可能性があります。
海藻には、ビタミンやミネラル、食物繊維なども含まれていますので栄養を摂取することはできます。

胃炎になった時の食事

食べ過ぎたり、アルコールを飲み過ぎたりすると急性胃炎になることがあります。
症状としては、粘膜の炎症や胃液の分泌の増加が起こり、胃の不快感や食欲不振、気持ちの悪さなどの不調を感じます。
暴飲暴食の他に香辛料などの刺激物や酸性やアルカリ性の強い薬物の摂取、精神的なストレスなどによっても急性胃炎が引き起こされる場合があります。

急性胃炎が起きている時には、胃に負担の少ない食べ物を食べることが望ましいです。
低脂質な食べ物、消化しやすい食べ物、刺激の少ない食べ物です。

胃液の過剰な分泌を防ぐ為には、食事の回数を増やして少量ずつ食べるようにすると良いです。
吐き気や食欲不振が激しい1日目は断食をして、ぬるめのお湯や緑茶、麦茶で過ごします。
2日目は、おかゆなどの消化しやすい糖質を中心に摂ります。
3日目は、豆腐や牛乳など糖質以外の栄養素も摂ります。
豆腐や牛乳に含まれるタンパク質は、肉や魚などのタンパク質よりも流動性があるので消化しやすくなっています。

また、牛乳に含まれる乳化脂肪は、脂肪の吸収を助ける胆汁に溶けやすいので消化しやすい脂質です。
4~5日目からは、茶わん蒸しや白身魚、鶏ひき肉など柔らかく低脂質な料理を取り入れます。
脂質が多く、かたい肉や熱すぎ、冷た過ぎのような温度刺激のあるもの香辛料などの刺激物は避けるようにします。
アルコールやカフェインも急性胃炎の症状がなくなるまで控えるようにしましょう。

便秘解消には大腸を刺激させよう

お腹を押さえる女性

便秘には、弛緩性便秘、痙攣英便秘、直腸性便秘の3種類があります。
日本人の便秘の原因の約3分2は弛緩性便秘と言われています。
これは、大腸の腸管がゆるんでいたり、腸管の運動機能が低下したりして便が腸内に長く滞在して水分が過剰に吸収されて便がかたなっていきます。

便秘を解消するには、食物繊維の多い食材を食べるようにすると良いです。
植物に含まれるセルロースやヘミセルロースは、便の量を増やしてくれます。
セルロースやヘミセルロースは腸内細菌によって消化されます。
この時に腸内細菌が発生させる揮発性脂肪酸が腸管を刺激します。

冷たい飲み物や牛乳、果物、香辛料、アルコールも排便に効果があります。
冷たい温度や牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)が胃や大腸の反射的な運動を起こしやすくしてくれます。
果物に含まれるリンゴ酸やクエン酸などが腸内の粘膜を刺激して排便を促してくれます。
香辛料やアルコールなどの刺激物も腸管を刺激してくれます。

また、濃い味付けをすることでも排便を促すことができます。
塩や砂糖を増やすと腸が外から水分を取り込もうとする力(浸透圧)が高まります。
これが便をやわらかくしてくれるので排便しやすくなります。

動脈硬化の予防には魚介類やオリーブオイルを摂ろう

動脈硬化とは、動脈の血管壁が部分的に厚く硬くなることで血管が狭くなった状態のことです。
動脈硬化が進むと脳血管障害や心筋梗塞などの病気にかかり、命を落としてしまう危険性が高まってしまいます。

動脈硬化に関連する病気は、日本人の死因第2位です。
動脈硬化の原因としてLDLコレステロールの値が高くなり血管の内側に溜まり最終的に粥腫と呼ばれるこぶの状態になります。

動脈硬化を予防するには、魚介類やオリーブオイルなどに含まれている脂質の摂取を増やしコーン油や大豆油を減らすと良いとされています。

タンパク質は、肉類よりも魚介類から摂取したり、調理用の油は大豆油からオリーブオイルに代えたりすることが有効になります。
他にも水溶性食物繊維を摂取エネルギー1000キロカロリーあたり10g摂取することが推奨されています。

水溶性食物繊維は、小腸からコレステロールの吸収を抑えるほかコレステロールから合成されて便から排出される胆汁酸の量を増やす為、体内の総コレステロール値を減少させる働きがあります。

また、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質の摂取は、体内の活性酸素を減らす為、動脈硬化リスクを下げることに繋がります。

骨粗鬆症予防、骨の形成を促す食品

牛乳

閉経後の女性は、骨粗鬆症になりやすいです。

骨粗鬆症は、骨に多数の隙間ができ、わずかな力で骨折しやすい状態になる病気です。
健康な骨は、破骨細胞が骨を破壊する作用と骨芽細胞が骨を作る作用のバランスが保たれていることで維持されています。

骨の質は、骨の材料と骨とその材料をもとに作られた微細な構造によって決まります。
閉経後の女性では、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が低下することで、骨の破壊の割合が高まって骨密度が下がっていきます。
すると骨の微細構造の維持が困難になり、構造が壊れていきます。

また、加齢や生活習慣病も骨の破壊の割合を高めて骨の材料の質を悪化させることが知られています。
骨粗鬆症を予防するには、骨の形成の度合いが高まる成長期にカルシウムを摂取することが大切です。

カルシウムは骨を形成する主成分です。
体内のカルシウムの99%は骨や歯に存在しています。
カルシウムは、小魚や牛乳、チーズ、大豆製品、緑黄色野菜などに多く含まれています。

成人になってからでもカルシウムや骨の健康に関わる栄養素をバランス良く摂取することで骨粗鬆症の予防になるので、日々の食事から栄養素をしっかりと摂るようにしましょう。

骨を作るのはカルシウムと思いがちかもしれませんが、カルシウムだけでは骨は作られません。
カルシウム以外にもビタミンDやビタミンKなども重要になります。

ビタミンDは、小腸や腎臓でカルシウム吸収量を高めてくれます。
高齢者では、ビタミンDの欠乏が長期的に続くと甲状腺ホルモンの濃度が低下し骨密度が低下することが分かっています。
魚類やキノコ類などに多く含まれています。

ビタミンKは、骨の材料の一種であるオステオカルシンとカルシウムを結合させる働きを高めたり尿からカルシウム排出を抑えたりします。
納豆や緑黄色野菜などに多く含まれています。

貧血予防にはヘム鉄

落ち込んでいる女性

私たちの身体が正常に機能するには、血液中のヘモグロビンを介して酸素が身体の隅々まで行き渡らせる必要があります。
ヘモグロビンが不足してしまうと酸素が十分に行き渡らなくなってしまいます。
そうなると倦怠感や動悸、ふらつきなどの症状が出てきます。

貧血で多いのが鉄欠乏性貧血です。
月経中の女性や成長期の子供など体内で鉄が使われやすい人やダイエットで偏った食事をすることで鉄が不足している人に起こりやすいです。

鉄不足は、病院で処方される鉄材で補うのが基本となります。
食生活では、血を作る為の栄養素である鉄、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンC、葉酸、銅をしっかりと摂ることです。

鉄は、ヘムという分子と結びついたヘム鉄の形で摂取すると吸収率が15~25%高まります。
ヘム鉄は、動物性食品に含まれていて、レバーや牛肉、貝類に多く含まれています。

ホウレン草や海藻類にも鉄分は多く含まれていますが、動物性に比べて吸収率が悪くなります。
効率よく摂取するには、植物性よりも動物性食品から摂取すると良いです。

また、緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げてしまうとされていましたが、近年では通常の量であれば阻害はほとんど起こらないと考えられています。

口内炎が痛む時は刺激の少ない食事を

発酵食品

口内炎は、舌や唇、頬の内側などの口腔内の粘膜で炎症が起きている状態です。
炎症部位が小さくても口の中では、大きな痛みに感じられ食事や会話に差し支えることもあります。

口内炎で最も多いのは、体力低下や睡眠不足、ビタミン類の不足によって起こるアフタ性口内炎です。
他には、口腔単純ヘルペスなどのウイルスの感染や口腔内にいるカンジダ菌などの真菌の増殖によって炎症が起こるウイルス性口内炎があります。

さらに熱いものを食べて口内を火傷したり、歯並びが悪くて定期的に歯が粘膜に当たったりすることで口腔内が傷ついて炎症に発展するカタル性口内炎もあります。
栄養素の不足が一因である場合は栄養剤を、ウイルスやカビが原因の場合は抗ウイルス薬や抗真菌薬を、それぞれ飲みながら治療をしていきます。

口内炎を改善する為には、炎症を悪化させないことが重要です。
口当たりがよくてやわらかく、水分を多く含む食べ物を食べ、口腔内を刺激しないことが望ましいです。
具体的には、茶わん蒸しや絹ごし豆腐、プリン、冷や麦、ヨーグルトなどが良いです。
あんかけなどのとろみをつけた調理にすることで、痛みを緩和することもできます。

また、食事の温度を人肌程度にすると低刺激になります。

参考書籍⇒Newtonライト2.0 食と栄養