健康

その疲れの原因は肝臓かもしれない、肝臓の三毒「糖・酒・薬」

疲れは肝臓から

慢性的な疲れの原因は様々ありますが、元をたどれば内臓の不調に行きつくことが多いです。
その中でも肝臓は、摂取した栄養素を各細胞で使いやすい形へと変える代謝、アルコールをはじめとする有害物質を無毒化する解毒をしているので疲労に直結する臓器になります。
体内に入ってきた栄養素は、肝臓で加工されて血液を通して全身へと送られます。
腸管内で発生するアンモニアや摂取したアルコールなどの有害物質の無毒化も肝臓が行っています。

肝臓は代謝や解毒を担っているのでその処理能力が低下してくると疲労に繋がってしまいます。
ですので肝臓をいたわることであらゆる不調が改善されていくのです。

肝機能低下というとお酒のイメージが強いかもしれませんが、近年では過度の飲酒によるアルコール性脂肪肝よりもお酒を飲まない人の非アルコール性脂肪肝の増加が顕著になっています。
酒を飲まない人でも肝機能低下になるのです。
主に糖質過多などによって自覚症状がないまま代謝や解毒の機能が低下し疲れやすくなっているケースが多いです。

脂肪肝は国内の成人の約3分の1を占めていると言われています。
悪化すると肝細胞が破壊されて脂肪肝炎になり、肝硬変や肝臓ガンになってしまうリスクがあります。
自覚症状がないので健康診断や人間ドックでの血液検査の数値を見逃さないようにしましょう。

腸の働きが弱まることで肝臓への負担が増加

腸

基本的に肝臓に特効薬はありません。
休ませてビタミンEを摂取するなど補助的なケアが一般的になります。
近年の研究で分かってきたのが腸にアクセスして間接的に肝臓の改善を促す方法があります。
腸と肝臓は密接に関係し、脂肪肝は腸内環境を悪化させます。
体内の消化システムにおいて腸は肝臓の上流にあり、摂取した栄養や毒は腸で吸収・分解されて肝臓へとやってきます。
つまり腸の働きが弱いと肝臓に負荷がかかり、代謝や解毒の機能が低下し全身が疲労してしまいます。

腸機能を改善すれば、脂肪肝を防ぐこともできます。
腸内で悪玉菌が増殖してLPSという毒素を生み出し血液と共に肝臓に到達すると非アルコール性脂肪肝炎を引き起こすことが明らかになってきました。

また、大腸内に便が長時間滞在すると腸内細菌が便中の栄養分を分解し脂肪として蓄えてしまいます。
この腸肝相関は近年、専門医の間でも重要なテーマになっていて腸内環境の改善をしない限り肝機能の向上はあり得ないとされています。
腸内の有害物質が増えると疲れの原因となる活性酸素が多く発生することも知られてきました。

疲れの大元である肝臓と腸に効く食事や生活習慣が疲れにくい身体を作る必須条件と言えます。

肝臓は連打に弱い、過剰摂取を避ける3習慣

サプリメントに頼らない
急性肝炎で入院した症例の半数以上が薬剤性肝障害であるというデータがあります。
日常的に薬やサプリメントを飲むことで過剰摂取のリスクが上がり、肝臓への負担が増します。
栄養は食事で摂取するのが基本です。
飲む医薬品が5種類以上なら必要性や優先順位を医師に確認をしましょう。
サプリメントもポリファーマシーに該当します。
5種類以上の服用は要注意です。
複数の薬を服用することで有害な作用が起きることをポリファーマシーと言います。
これには、サプリメントも含まれます。
4種類以下の内服と比べて副作用は5~6種類で2倍、7~8種類で3倍に上昇します。
数が多いほど薬剤性肝障害のリスクが高まります。

飲酒は量よりも頻度を減らす
肝臓は、ハードパンチに強いですが、連続したパンチには弱いです。
合計で同じ飲酒量なら毎日少しずつ飲むよりも1日おきに2倍飲むほうが負担は少ないです。
1日おきが無理でも週1日休肝日を作れば肝臓への負担は減らせます。

発酵食品や食物繊維も摂り過ぎには注意
腸内環境を整える為には発酵食品や食物繊維を摂るのは良いことです。
ですが、体質によって善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れて下痢や消化不良を引き起こすこともあります。
また、発酵食品には塩分や脂質を多く含むものも多いので、食べ過ぎには注意が必要です。

肝臓の三毒「糖・酒・薬」

悩むイメージ

肝臓ケアの第一歩は生活習慣を正すことです。
肝機能を落とさないような生活習慣を送ることが大切です。
肝機能を低下させてしまう最大の原因は、糖質などの様々な栄養の過剰摂取です。
特に注意が必要なのが肝臓の三毒といわれる糖、酒、薬です。
これらは、適量を超えてしまうと脂肪肝や脂肪肝炎のリスクを高めてしまいます。

肝臓は回復力が高い臓器ですが、慢性的に業務過多になっているとその機能が落ちていきます。
重要なのが休肝日を作ることです。
白米やパン、麺類などの精製糖質を置き換えた食事や1日2食にするファスティングも有効になります。
三毒は無意識に摂ってしまうこともあるので意識をしてみましょう。

糖分を減らすなら糖分が含まれている甘い清涼飲料水などを避けるのが基本です。
注意したいのが水分補給に摂取することが多いスポーツドリンクです。
一般的なスポーツドリンクには、500ml中に1日の基準量を超える量の砂糖が含まれているので簡単に過剰摂取になってしまいます。
激しい運動時には糖質も必要なので良いですが、そうでなければスポーツドリンクで水分補給をしないほうが良いでしょう。
水分補給には、発汗時に失ってしまうミネラルを含み糖が含まれていない麦茶にすると良いのではないでしょうか。

お酒の飲み方のポイントは毎日飲まないことです。
純アルコール量20g(ビール500ml程度)以上のアルコールを摂取する場合は、毎日飲むより1日おきにその2倍飲むほうが肝臓への負担は小さくなります。
たくさん飲んでも翌日を休肝日にすることで肝臓が回復し機能低下を防ぐことができます。

肝臓ケアの食材として有名なウコンは、実は薬剤性肝障害のリスクが高い食材です。
ウコンは、鉄の含有量が多いので発生した活性酸素が酸化ストレスを起こしてしまい肝臓に負担をかけてしまう場合もあります。
脂肪肝や肝炎の人は避けるようにしましょう。

腸も肝臓と同じように休ませると良い影響があることが分かってきています。
食事は腹七分目を意識して、腸が疲れないように次の食事まで4~5時間以上空けるようにすると良いかと思います。

発酵食品の過剰摂取は逆に腸を酷使してしまうこともあります。
整腸食を摂っているのにガスや下痢が治らない時は、小腸で吸収されやすい低FODMAPに切り替えると良いです。
腸にガスが溜まりやすい人は、過敏性腸症候群かSIBOの可能性があります。
SIBとは、小腸で細菌が異常に増えすぎることによってお腹の張りやゲップ、胃酸の逆流、下痢や便秘など多くの不調をひき起こす病気のことです

ヨーグルトや納豆など小腸で吸収されにくい高FODMAPの整腸食を摂ると悪化の原因になってしまいます。
なので海藻類や発酵食品でも味噌など低FODMAPにすると良いかと思います。
FODMAPは、短鎖炭水化物と言われて小腸内で分解・吸収がされにくい糖類のことです

人によって食材の相性は様々なので色々試しながら選ぶようにすると良いです。

また、サプリメントに頼らないようにしましょう。
日常的に薬やサプリメントを飲んでいると過剰摂取のリスクが上がるので肝臓への負担が増してしまいます。
必要な栄養は食事で摂取するのが基本です。

サプリメントは、どうしても補えない栄養がある場合のみ補助的に使用するようにしましょう。
複数の薬を服用することで有害な作用が起きることをポリファーマシーと言います。
これにはサプリメントも含まれますので、栄養は食事で摂るように意識をしましょう。