メンタルヘルス

【気分が辛い時】「辛さの原因」と向き合う!感情と出来事を記録する具体的なステップ

気分が落ち込んだり、不安や怒りに襲われたりする時、その辛い感情に圧倒されてしまい、何も考えられなくなることがあります。

しかし、この先、少しでも穏やかな生活を送るためには、辛さの原因を特定し、そこから生じる心のパターンと向き合うことが不可欠です。

この記事では、辛い気分を整理し、その根源を探るための具体的な方法と、記録シートへの記入ステップを解説します。

1. 感情の動揺を探る:この一週間で「特に辛かった場面」を振り返る

心の奥にある辛さの原因を探る第一歩は、直近の出来事を具体的に振り返ることです。
この一週間を思い出し、特に印象的だった出来事、落ち込みや不安、怒りなどが強く生じ、気分が動揺した場面を探してみましょう。

出来事の大小は問いません。
どんなにささいなことでも、心が強く反応した瞬間こそ、あなたが抱える辛さの原因、すなわち不適応的な認知やスキーマを特定するヒントが隠されています。

直近の出来事に焦点を当てる

もし辛い出来事が多く、一つに絞れない場合は、最も直近の出来事を選ぶと良いでしょう。
時間が経っていないため、辛かった状況や気分、その時に頭に浮かんだ思考を、より鮮明に、具体的に思い出せるでしょう。

出来事を特定できたら、その情報を整理するためのシートに記入していきます。

2. 気分の動揺を悪化させる「身体の変化」を見逃さない

出来事だけでなく、その時に生じた身体の変化も合わせて書き留めておくことが重要です。

  • 不安な時: 冷や汗、手の震え、胸のドキドキ、動悸
  • 怒りが強い時: 顔のほてり、筋肉のこわばり
  • 憂鬱さが強い時: 身体が重く感じる、朝起きられない

このような身体の症状は、気分の動揺をさらに強くし、物事の捉え方(認知の歪み)を悪化させる原因になることもあります。
身体の反応も感情の一部として、具体的に記録に残しましょう。

3. 「嫌な出来事シート」に事実に基づき具体的に記入する

辛かった場面を特定し、感情や身体の変化を確認したら、「嫌な出来事シート」に情報を記入します。

記入のポイント

出来事を書き出す際は、事実に即した情報を記入することが大切です。
あなたの主観や解釈を入れず、誰が、いつ、どこで、何を言ったか、という客観的な事実のみを記述しましょう。

例えば、誰かに嫌なことを言われた場合は、「あの人に嫌味を言われた」ではなく、「先輩に『先週頼んだ資料、どうなった?』と聞かれた」のように、その言葉をできるだけ具体的に書いておくようにします。

記入項目具体例ポイント
いつ?3月27日18時時刻まで具体的に
どこで?会社のデスク場所を明確に
何があった?先輩に「先週頼んだ資料、どうなった?」と聞かれ、期日を過ぎているのに途中までしか進んでいないことを伝えた。「残りは俺がやっておくから大丈夫だよ」と言われた。事実のみを記述。

このように具体的かつ客観的に状況を把握することで、次はその出来事に対して生じたあなたの思考(認知)を分析する段階に進むことができます。