怒りのメリット・デメリットを検証|人間関係を破壊する「高すぎる代償」
多くの人が、怒りを爆発させた瞬間に「スッキリした」「自分の正しさを証明できた」と感じるかもしれません。
相手を一時的に屈服させ、自分のプライドが傷つくのを防げる、これが怒りのメリットと言えます。
しかし、その瞬間の達成感の裏側には、自分の人生における最も大切なもの、すなわち良好な人間関係を蝕む、深刻なデメリットが隠されています。
怒りとは、親密さとは真逆の感情であり、その悪影響を検証することは、怒りの問題を解決する価値に気づく第一歩となります。
怒りが人間関係にもたらす悪影響
怒りをあらわにして相手を黙らせたとしても、相手は心から反省することはありません。
むしろ、自尊心を傷つけられた結果、相手はあなたに対して怒りや拒絶感を抱くようになります。
自分を拒否されるのは誰にとっても辛いことであり、怒りで人を攻撃する人からは、心理的にも物理的にも距離を置こうとするのが自然な反応です。
怒りを頻繁に出していると、お互いに心を開き、許し合える相手がいなくなり、孤独に悩むことになります。
良好な人間関係は、人生の価値に直結するものです。
この怒りのデメリットの深刻さに気づけば、「相手が悪いのになぜ私が変わらないといけないのか」という考えは徐々になくなっていきます。
怒りのメリットとデメリットを比較する
怒ることは自分にとって本当に役に立っているのでしょうか?
「私が正しい」と信じて怒っている人も、まずは冷静に怒りのメリットとデメリットを全て書き出してみましょう。
書き出すことで、感情的な利益よりも損失の方が圧倒的に多いことに気づけるはずです。
怒りの主なメリットは、一時的にスッキリすること、相手が間違っていることを思い知らせることができると感じること、そして人から見下されずに済むという認識です。
一方、怒りのデメリットは多岐にわたります。
その瞬間はスッキリしても、すぐに感情的な振る舞いをしたことを後悔します。
一度怒りを向けた相手は、あなたに気安く声をかけてこなくなり、親密な関係を長く続けることができず、孤独に悩むことになります。
親しい人の場合は、相手も怒り出して収拾がつかなくなり、関係が破綻することもあります。
さらに、怒っても相手は心の底から反省をしていない上、自分が正しいと信じて怒ったのに後で間違っていたことが分かると、ひどく気まずくなってしまうでしょう。
また、もし子供がいる場合、その心に悪影響を及ぼすかもしれません。
結論として、怒りは私の人間関係を悪化させており、人生において利益になっていないのは明らかです。
怒りとセットの感情:恥と罪悪感
さらに、怒りは恥と罪悪感というセットの感情でもあります。
怒りを爆発させた直後や後になって、自分の行為を恥ずかしく思い、罪悪感にさいなまれてしまうのです。
また、自分が恥ずかしい状況に置かれたと感じることが、怒りの原因となることもよくあります。
この一連のネガティブな感情の連鎖こそが、怒りの持つ真の代償になります。。



