健康

アスタキサンチンを多く含む食べ物とは?健康をサポートする食材を解説!

「最近、お肌の調子がイマイチ…」「目の疲れがなかなか取れない…」「年齢とともに体の変化を感じる…」
もし、そんな悩みを抱えているなら、天然の赤い色素成分「アスタキサンチン」が、美と健康をサポートしてくれるかもしれません。

アスタキサンチンは、サケ、イクラ、エビ、カニ、タイ、オキアミといった、鮮やかな「赤い海洋生物」に特に豊富に含まれています。
これらの食品を日々の食生活に積極的に取り入れることで、アスタキサンチンが持つ非常に強力な抗酸化作用をによって、美肌効果、眼精疲労の改善、生活習慣病予防、疲労回復、免疫機能のサポートなど、実に多様な健康効果が期待できるかもしれません。
食卓から身体の内側をケアする為の強力な味方となるのではないでしょうか。

アスタキサンチンとは?その効果の秘密

アスタキサンチンは、エビやカニ、サケといった海洋生物に多く含まれる「カロテノイド」と呼ばれる天然色素の一種です。
この赤い色素は、単に色を付けているだけでなく、その生物が持つ紫外線や過酷な環境下での活性酸素から身を守る為の、非常に重要な天然のバリアとしての役割を担っています。
例えば、サケが激流を遡上できる強靭な体力を維持できるのは、アスタキサンチンの助けがあるからだとも言われています。

アスタキサンチンの最も特筆すべき点は、その強い抗酸化作用です。
私たちの身体は呼吸するたびに、またストレスや紫外線、喫煙、過度な運動などによって「活性酸素」を生成します。
活性酸素は、適量であれば免疫機能などを担う良い働きをする一方、過剰になると細胞をサビつかせ、様々な病気や老化の原因となるとされています。

アスタキサンチンは、この過剰な活性酸素を強力に除去する働きを持っています。
その抗酸化力はとても強く、一般的な抗酸化成分と比較すると、

  • ビタミンEの約1000倍
  • β-カロテンの約100倍
  • コエンザイムQ10の約150倍
  • リコピンの約50倍

とも言われるほどのパワーを秘めています。
この強力な抗酸化力によって、アスタキサンチンは体内の細胞をサビつきから守り、細胞の損傷や老化を抑制する働きが期待されています。

アスタキサンチンがもたらす具体的な健康効果は多岐にわたります。

化粧水をつける女性

1. 美肌効果:内側から輝く肌へ
活性酸素は、シミ、シワ、たるみといった肌の老化現象の主要な原因の一つです。
アスタキサンチンは、その強力な抗酸化作用で紫外線によって発生する活性酸素を除去し、コラーゲンやエラスチンの破壊を防ぐことで、肌のハリや弾力を維持し、シワの形成を抑制する効果が期待できます。
また、メラニン色素の生成を抑える働きもあり、シミやそばかすの予防にも役立つと言われています。
肌の水分量を保ち、乾燥から守る効果も報告されており、肌の健康を多角的にサポートします。

2. 眼精疲労の改善:デジタル社会の目の救世主
現代社会は、パソコンやスマートフォンによる目の酷使が避けられません。
これにより、目のピント調節機能が低下し、眼精疲労やかすみ目、ドライアイなどの症状に悩む人が増えています。
アスタキサンチンは、毛様体筋(目のピント調節を担う筋肉)の血流を改善し、目の疲労物質の蓄積を抑える働きが報告されています。
これにより、目のピント調節機能を正常化し、眼精疲労の症状を軽減することが期待できます。
長時間のデスクワークやスマホ操作で目が疲れると感じる方にもおススメです。

3. 生活習慣病の予防:身体の基盤を健康に保つ
動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な生活習慣病の引き金となります。
アスタキサンチンは、悪玉コレステロール(LDL)が活性酸素によって酸化されるのを強力に防ぐ働きがあります。
LDLが酸化されると、血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させてしまうので、その酸化を防ぐことは生活習慣病予防に極めて重要です。
また、血糖値の上昇を緩やかにする作用や、血圧を安定させる効果も研究されており、総合的な生活習慣病のリスク低減に貢献すると期待されています。

4. 疲労回復効果:アクティブな毎日をサポート
運動後や日々の活動で生じる疲労は、活性酸素による筋肉へのダメージが原因の一つです。
アスタキサンチンは、筋肉への血流を促進し、活性酸素によるダメージを軽減することで、運動後の筋肉痛の緩和や疲労回復を早める効果が期待されています。
アスリートはもちろん、日頃から体を動かす習慣のある方、仕事や家事で忙しく疲れが溜まりやすい方にも心強い味方となります。

5. 免疫力向上:病気に負けない身体づくり
アスタキサンチンは、体内の免疫細胞(NK細胞など)の活性を高める働きが報告されています。
免疫細胞が活発に働くことで、ウイルスや細菌といった病原体に対する体の抵抗力が高まり、風邪などの感染症予防にも繋がります。
日頃から免疫力を高めておきたいと考える方にも、アスタキサンチンは有効な成分と言えます。

アスタキサンチンを豊富に含む食べ物リスト

タブレットを見る女性

アスタキサンチンは、主に特定の海洋生物、特に「赤い」色素を持つものに豊富に含まれています。
その代表的な食材を見ていきましょう。

  1. サケ(鮭)
    アスタキサンチンを摂取する上で最も代表的で手軽な食材がサケです。
    サケの身が鮮やかな赤色をしているのは、オキアミなどを食べて体内にアスタキサンチンを蓄積している為です。
    特に、天然の紅鮭やアトランティックサーモンはアスタキサンチンの含有量が多いことで知られています。
    日本の食卓に馴染み深く、焼き魚、刺身、お寿司、ムニエルなど、様々な調理法で美味しく摂取できます。
    • 含有量目安: 天然紅鮭 100gあたり約3~4mg
  2. イクラ・筋子
    サケの卵であるイクラや筋子にも、アスタキサンチンが凝縮されています。
    プチプチとした食感と濃厚な味わいは、アスタキサンチンの恩恵も同時に得られる嬉しい食材です。
    丼物やお寿司、和え物など、少量でも効率よく摂取できます。
    • 含有量目安: イクラ 100gあたり約5mg
  3. エビ(海老)
    茹でると鮮やかな赤色になるエビも、アスタキサンチンが豊富な食材です。
    車エビ、甘エビ、ブラックタイガー、桜エビなど、種類も豊富です。
    特に桜エビは、小さいながらも殻ごと食べられるので、アスタキサンチンを丸ごと摂取しやすいと言えます。
    • 含有量目安: 甘エビ 100gあたり約1.5mg(種類や調理法で変動)
  4. カニ(蟹)
    エビと同様に、カニの赤い殻にもアスタキサンチンが含まれています。
    ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニなど、カニの種類は多岐にわたりますが、いずれもアスタキサンチンを含んでいます。
  5. タイ(真鯛)
    真鯛の身の赤い部分や、皮下組織にもアスタキサンチンが含まれています。
    天然物よりも、飼料にアスタキサンチンを混ぜて育てられた養殖のタイの方が、含有量が多い傾向にあります。
  6. オキアミ
    エビに似た小型の甲殻類で、食物連鎖の基点となり、サケやクジラなどの餌となっています。
    実は、天然界で最もアスタキサンチンを豊富に含む生物の一つであり、サプリメントの主要な原料としても利用されています。

【ポイント】 アスタキサンチンの含有量は、魚の種類や産地、養殖か天然か、また個体差によっても異なります。
一般的に、身の赤い色が濃いほど、アスタキサンチンが多く含まれている傾向があります。

効率的にアスタキサンチンを摂取する為の調理法とポイント

せっかくアスタキサンチンが豊富な食材を食べるなら、その効果を最大限に引き出したいもです。
ここでは、アスタキサンチンの吸収率を高める為の調理法とポイントをご紹介します。

1. 油と一緒に摂取する
アスタキサンチンは、「脂溶性」の成分です。
これは、水には溶けにくく、油に溶けやすい性質を持っていることを意味します。
アスタキサンチンを含む食材を油と一緒に摂取することで、体内での吸収率が格段にアップします。 例えば、

  • サケのムニエルやフライ
  • エビのアヒージョや炒め物
  • アボカドやナッツ類などの良質な脂質と一緒に摂る

といった工夫が有効です。オリーブオイルやアマニ油、えごま油など、健康に良い油を選ぶと、さらにメリットが増えます。

2. 加熱調理でもOK!
ビタミンCなどの水溶性ビタミンは加熱によって失われやすい性質がありますが、アスタキサンチンは熱に強く、加熱調理によって成分が損なわれる心配はほとんどありません。
焼き魚、蒸し料理、煮込み料理、汁物など、様々な調理法で安心して美味しく摂取できます。
ただし、揚げ物の場合は油の劣化にも注意が必要です。

3. 生食も効果的
サケの刺身やイクラ丼など、生で摂取することもアスタキサンチンを効率良く摂る方法の一つです。
生の魚介類は、加熱による栄養素の損失がないので、素材本来の栄養価を丸ごと摂取できます。
新鮮なものを衛生的に扱うことを心がけましょう。

4. 毎日継続して摂取する
アスタキサンチンは、一度に大量に摂取するよりも、毎日少しずつでも継続して摂取する方が、体内で安定的に効果を発揮しやすいと言われています。
サケの切り身を週に数回食べる、エビやカニを使った料理を定期的に取り入れるなど、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。

5. サプリメントも選択肢に
日々の食事から必要量のアスタキサンチンを摂取するのが難しい場合や、より高濃度で摂取したい場合は、アスタキサンチン配合のサプリメントを補助的に利用するのも一つの手です。
サプリメントを選ぶ際は、品質や配合量、吸収率の高い形態であるかなどを確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶようにしましょう。

アスタキサンチン摂取の注意点

書類を開いている女性

アスタキサンチンは、その安全性について多くの研究が行われており、通常の食事からの摂取において過剰摂取による副作用の心配はほとんど報告されていないようです。

ですが、以下の点には留意しましょう。

  • 食物アレルギー: エビ、カニ、サケなどの魚介類にアレルギーがある場合は、アスタキサンチンを含む食材の摂取は避けてください。
  • バランスの取れた食事: アスタキサンチンは非常に魅力的な成分ですが、特定の成分だけを偏って摂取するのではなく、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど、バランスの取れた食事を心がけることが、健康の基本です。アスタキサンチンを含む食材も、あくまで健康的な食生活の一部として取り入れましょう。
  • 薬との相互作用: 稀に、特定の医薬品(抗凝固剤など)とアスタキサンチンが相互作用を起こす可能性が指摘されることもあります。現在、何らかの治療を受けている方や、常用している薬がある方は、念のため医師や薬剤師に相談しましょう。

まとめ

アスタキサンチンは、サケ、イクラ、エビ、カニ、タイ、オキアミといった、私たちが普段から親しんでいる「赤い海洋生物」に豊富に含まれています。
その強力な抗酸化作用は、美肌の維持、眼精疲労の緩和、生活習慣病の予防、疲労回復、免疫機能のサポートなど、実に多岐にわたる健康効果をもたらしてくれそうです。