健康情報館

ヘルス&フィットネス~日々の健康・身体作りに役立つ知っておきたいこと~

健康情報館
健康

睡眠の質を高める寝室環境の整え方|光、温度、湿度

本が辛うじて読めるくらいの明るさ

快適に睡眠をするには、寝る環境を整えることが重要です。
寝る準備で一番大切なのは、光です。

私たちの身体には体内時計が存在しています。
体内時計によって私たちはどの時間に何をするのかをコントロールされています。
快適な睡眠をするには、体内時計を整えることが大事なのです。

体内時計は、約25時間周期になっているので毎日リセットをする必要があります。
その為には、朝目覚めたら朝日を浴びることです。
朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、約16時間後に眠るように準備をしてくれます。
例えば、7時に起きるのであれば23時頃に眠くなってきます。

しかし、日が落ちて暗くなっても強い光を浴びてしまうと体内時計にズレが生じてきます。
寝る直前には、覚醒が一時的に強まる睡眠禁止帯がありますが、この睡眠禁止帯もズレてしまうので寝ようと思っていても目が冴えてしまい眠れなくなってしまいます。
帰宅後の部屋の照明は暗くして200ルクス程度にすると良いとされています。
これは辛うじて本が読めるくらいの明るさになります。
と言っても現実的に実行するのは難しいと思うので、就寝の1~2時間前程度に部屋を暗くして寝る準備をするようにすれば良いかと思います。

朝起きたら朝日を浴びる、寝る1~2時間前に部屋を暗くすると良いのではないでしょうか。
朝は、太陽光でなくても人工の光でも良いです。

スマホは体内時計を狂わす原因になる

悩むイメージ

部屋を暗くして寝る準備を整えてもスマホやタブレットなどを見続けていたら体内時計はズレてしまいます。
液晶ディスプレイは、明るいうえに白色を作る為に青い波長の成分が多いのが特徴です。
網膜で光をキャッチするメラノプシンという受容体は、青い波長によく反応するのでスマホやタブレットの光は体内時計を狂わしてしまう情報を送りやすいです。
でも、ベッドでスマホを見ていて寝落ちした経験がある人も多いと思います。

なぜ体内時計がズレていても眠れるのでしょうか。

それは、単純に睡眠不足だからです。
睡眠が足りないと睡眠圧が高まって睡眠禁止帯でも簡単に眠ることができます。
睡眠圧とは、起きている時間が長いほど強まる眠気のことです。
起きている時間が長ければ長いほど眠気が強くなり眠たくなるということです。
通勤中の電車や会議中に居眠りしたり、休日に平日より長く眠ったりするなら睡眠が足りていない証拠です。
家に帰ったらスマホなどの使用は最小限にして早めに眠るようにするのが良いでしょう。

不眠の一因は、朝起きて日の光をきちんと浴びないことなので、一日の始まりを早く体内時計に教えてないと眠くなる時刻はどんどん後ろに後退してしまいます。
遮光性の高いカーテンやブラインドを閉めて眠り、目覚ましで起きたらカーテンやブラインドを開けて、朝日を浴びると良いかと思います。
カーテンやブラインドを開けて寝た方が良いという考えもあると思いますが、季節によって日の出の時間が違うので日の出と共に起きると早く起き過ぎてしまうことがあります。
前日夜早く眠れていれば何の問題ありませんが、もし夜更かししていると睡眠時間が足りなくなってしまうかもしれません。

起床時間と就寝時間は、なるべく同じ時間にするようにしましょう。

エアコンの温度は25℃前後

快適な睡眠をするには、室温も重要です。
脳などの深部体温には個人差は少なく37.5度前後に保たれています。
それが1度程度下がると寝入りしやすくなります。
ですので、睡眠中の深部体温は36.5度になります。
この深部体温を維持するのに最適な外気温は24.5度前後になります。
これは温熱的中性域と呼ばれています。

体温は放熱と発熱のバランスで決まります。
暑ければ末梢血管を開いて熱を逃がし、それでも足りないと汗をかいて気化熱で熱を奪います。
寒ければ褐色脂肪細胞が熱を作り、筋肉が震えを起こします。
このようなことをしなくても熱の放射や伝導、対流のみで深部体温が保てるのが温熱的中性域で、ヒトは快適に感じて質のいい眠りが取れます。

暑い季節はエアコンを使って室内全体を下げて、寒い季節は暖房に掛け布団などを活用して温熱的中性域を保つと良いかと思います。

また、温度だけでなく湿度も大事です。
温度がそれほど高くなくても、湿度が高いとムシムシして不快に感じます。
湿度は50%前後がもっとも快適であり、湿度が高い季節は除湿器、乾燥し過ぎる季節は加湿器などで調整すると良いです。

筑波大学などの研究によると寝室に木材・木質材料が「多い」と答えた人たちは「少ない」と答えた人たちよりも不眠症の疑いがある人は少なかったそうです
木材・木質材料は、安らぎと穏やかさを与えてくれるだけでなく、湿度を調整する働きがあります。
なので、それが不眠症を減らしている可能性が考えられそうです。

調湿機能を持つ建材や壁紙を用いることも寝室の快適さを保つのに役立つかもしれません。