健康糖尿病の真犯人は脂質

カノーラ油は本当に安全? 知られざる微量成分と健康への深刻な影響

カノーラ油に潜むリスク|未解明の微量成分が健康を脅かす可能性

私たちが日常的に調理や食事で摂取する食用油は、そのほとんどが脂肪酸を主成分としています。
しかし、油脂は単一の脂肪酸だけで構成されているわけではありません。
多種多様な脂肪酸が複雑な割合で混ざり合い、それぞれの油の特性を決定づけています。
さらに重要なのは、これらの主要な脂肪酸以外にも、まだ完全に解明されていない微量成分が数多く含まれていることです。

特に植物油においては、この微量成分の影響を見過ごすことはできません。
動物性脂肪は比較的組成がシンプルで、食用のものも種類が限られているため、研究が進んでいます。
しかし、植物は動物とは比較にならないほど膨大な種類の化合物を含有しており、それぞれが独自の生理活性を持つため、その全貌を解明するのは極めて困難です。
現段階でも、多くの植物由来の微量成分の正体や人体への影響については、まだ不明な点が多く残されています。

特定の植物に含まれる微量成分の中には、たとえ微量であっても人間が摂取すると重大な影響を及ぼすことが知られています。
例えば、ナス科のタバコに含まれる神経毒であるニコチンや、ケシ科のケシの実から採れる麻薬成分のアヘンなどが挙げられます。
これらは極端な例として知られていますが、同様の警戒が植物油脂にも必要です。

一般的に「植物性食品はヘルシーで身体に良い」というイメージが浸透していますが、これはある意味で大きな誤解を生む可能性があります。
植物油脂の全貌が解明されていないからこそ、私たちはその潜在的なリスクに対して慎重な姿勢を取るべきなのかもしれません。
その代表的な例として、近年注目を集めているのがカノーラ油(菜種油)です。

脂肪酸組成の裏に隠されたカノーラ油の真のリスク|動物実験で明らかになった驚くべき事実

メディカル

カノーラ油を構成する脂肪酸の中で最も多いのはオレイン酸で、全体の約6割を占めています。
オレイン酸は、体内で飽和脂肪酸から合成されることもあり、健康促進効果も健康被害ももたらさない「中立的」な脂肪酸とされています。
次に多いのはリノール酸で約2割を占め、さらに健康効果が高いとされるオメガ3系のα-リノレン酸も比較的多く含まれています。

このように、カノーラ油は脂肪酸の組成だけを見ると、一般的な植物油(紅花油、ひまわり油、大豆油、コーン油など、リノール酸が過剰に含まれるもの)と比較しても、大きな問題がある油脂とは考えにくいかもしれません。
むしろ、バランスの取れた脂肪酸組成を持つ優良な油だと評価されることもあります。

しかし、その油を摂取した動物の健康状態や寿命を観察する研究では、この脂肪酸組成からは予測できない、深刻な影響が明らかになりました。
ある研究では、高血圧で脳卒中を起こしやすい「SHRSPラット」と呼ばれる特定の系統のラットに、離乳期から様々な種類の油脂を10%含む餌を与え、死亡するまでの寿命を比較する実験が行われました。

普通食にオメガ3脂肪酸が豊富な魚油やしそ油、えごま油を摂取したラットの群では、死亡するラットが出現するまでに400日近くの期間があり、生存数がゼロになるのは約500日前後でした。
しかし、カノーラ油を摂取したラットの群では、わずか200日ほどで死亡が始まり、300日ほどで生存数がゼロになるという、著しい寿命の短縮が観察されました。

さらに衝撃的なのは、飲用水の代わりに1%の食塩水を与え、同じように油脂ごとの生存期間を比較したところ、カノーラ油を摂取したラットの生存期間はさらに短縮されたことです。
これらの結果は、動物モデルにおいてカノーラ油が「毒物」として作用する可能性を強く示唆していると言えます。

なぜカノーラ油が寿命を縮めるのか?未解明の微量成分がもたらす強力な作用

カノーラ油の主要な脂肪酸組成にこれといった問題が見られないにもかかわらず、なぜこのような劇的な寿命短縮作用が観察されるのでしょうか。
この疑問に対する最も有力な説明は、やはり未解明の微量成分が関与しているというものです。

もし、ある程度の量が含まれていれば、その成分を抽出して化学的な分析や生理作用の解明を進めることができます。
ですが、ごくわずかしか含まれていない成分は特定が非常に困難です。
カノーラ油には、二種類の硫黄を含む「グルコシノレート」という有害物質が含まれていることが明らかになっています。
しかし、このグルコシノレートが分解して生成される成分は多岐にわたり、それぞれの成分がどのような有害作用をもたらすのか、そのメカニズムはまだ十分に解明されていません。
それでもなお、これらの微量成分が、たとえ微量であっても「強烈な寿命短縮作用」を発揮していることは、複数の動物実験によって明確に示されています。
このカノーラ油の寿命短縮作用については、日本国内外の複数の研究機関からも同様の論文が報告されており、その信憑性は高いと言えます。

まとめ|カノーラ油の選択は慎重に!未知の健康リスクに備える重要性

カノーラ油は、その脂肪酸組成だけを見れば、一見健康的な選択肢のように思えるかもしれません。
ですが、ラットを用いた複数の動物実験では、カノーラ油の摂取が寿命を著しく短縮させる可能性が示されています。
これは、まだ科学的に完全に解明されていない微量成分が、強力な生理作用を持っているためと考えられます。

もちろん、動物実験の結果がそのまま人間に当てはまるわけではありませんが、カノーラ油に含まれる未解明の微量成分が、私たちの健康に予期せぬ悪影響を及ぼす可能性があるのかもしれません。

参考書籍⇒糖尿病は、体にいいはずの油が原因だった