加工食品は栄養が少ない!?野菜ジュースで野菜は摂れない
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野菜ジュースで一日分の野菜は摂れない
一日に必要な野菜がこれ一本と言うキャッチフレーズで売られている野菜ジュースがあるかと思います。
普段から野菜不足を感じている人の中には、栄養バランスを整える為にと飲んでいる人も多いのではないでしょうか。
少し古いデータではありますが、名古屋市消費生活センターが2007年に100%野菜ジュースを16銘柄、果汁を配合した野菜ジュース19銘柄の栄養価を測定して1日に必要な野菜を350gとして、生の野菜から摂れる栄養価と比較した調査があります。
その結果によるとほとんどの野菜ジュースで野菜350gを食べて摂取できる栄養素を大きく下回っていました。
残念ながら野菜ジュースは、野菜の代わりにならないと言う結論になります。
名古屋市消費生活センターでは、野菜ジュースは小鉢一皿程度として考えるなどして食事に上手に取り入れていくといいとまとめています。
野菜ジュースは、350gの野菜を使っているのかもしれませんが、加工の過程でビタミンやミネラルが失われていると言うことでしょう。
しかし、消費者の多くはこれ一本で一日分の野菜が摂れると思い込んでいるのではないでしょうか。
野菜ジュースでは、野菜を摂ったことにはなりません。
基本的に野菜は野菜で摂るようにしましょう。
加工食品は栄養が失われる
野菜ジュースに限ったことではなく加工食品は、栄養素が失われてしまいます。
では、なぜ失われてしまうのでしょうか。
その理由はいくつかあります。
純水の使用
純水とは、不純物を一切含まない純度の高い水のことです。
日本の水は軟水の為、濃度は高くありませんが水道水にもカルシウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。
加工食品には、不純物の混入や食中毒を避ける為に純水が使われています。
純水で調理をすると水に溶けているミネラルがない為に食品中の水溶性栄養素がどんどん溶け出していきます。
そして、多くの場合、煮汁は捨てられてしまいます。
純水を使って調理をするとビタミンやミネラルが損失しやすくなっててしまうのです。
精製油の使用
加工食品には、油が使われることも多いですが、この油も食品中のビタミンやミネラルを損失させる原因となります。
食品に使われる油の多くは、ヤシ、菜種、トウモロコシ、ゴマなどの植物の種を搾って作られます。
これらはもともとミネラルを含んでいますが、ミネラルが残っていると変色が早く頻繁に油を換えなくてはいけません。
この為、精製して不純物(ミネラル)をそぎ落として純度の高い油を使うのです。
このような精製油で加工をすると純水と同じように食品に含まれている油に溶けやすいビタミンやミネラルが流失してしまいます。
リン酸化合物の添加
加工食品には、リン酸塩が多く使われています。
ウィンナー、ハム、かまぼこなどの練り物、缶詰め、カップ麺など非常に広範に使用されています。
メタリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩など種類も様々です。
PH調整剤もリン酸であることが多いようです。
食品は酸性にしておくと雑菌の増殖を抑えることができるのでリン酸化合物をはじめとするPH
調整剤が食品の日持ちをよくする為の食品添加物として広く使われているのです。
リン酸化合物の問題は、カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルの吸収を阻害してしまうことです。
子供が好きでお菓子やデザートにもよく使われているので注意した方が良いでしょう。
その他
高温での加熱、野菜の不処理(次亜塩素酸ナトリウムで洗う)、鮮度などの問題です。
これらによって栄養素が壊れてしまったり流失してしまったりしてしまいます。
鮮度の悪い食材を使っていれば、栄養価は悪くなります。
加工食品が家庭料理と決定的に違うのが、作ってすぐに食べるのか、食べないのか、です。
加工食品は、作ってから数時間~数ヶ月まで日持ちさせなければいけないと言うことです。
その為に高温で処理をしたり食品添加物を使ったりしています。
それによって栄養は大きく損なわれているのです。
食品メーカーが最も大事にしているのは食中毒を出さないこと
家庭料理であれば、栄養素を無駄にしない調理法として洗った野菜は長時間水にさらさないとか、茹で過ぎないとかすることができます。
ですが、加工食品の製造現場ではそうではありません。
食品メーカーが最も大事にしていることは、栄養ではありません。
食中毒を出さない、日持ちがする、安い、見た目がキレイと言うことが加工食品での優先順位の上位です。
食中毒を出さないのは、最も重視する項目でしょう。
もし食中毒が出てしまったら大変なことになりますから。
栄養素がどうかは、優先順が低くずっと下になるのです。
その結果が、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が足りないのにカロリーや塩分が多く、添加物も多い加工食品が溢れることになっているのです。
もちろん全ての加工食品がそうではないと思いますが、加工食品の多くは栄養素が極めて少ないと言うのは事実です。
加工食品を普段からよく食べている人は気を付けた方が良いでしょう。
今の野菜はビタミンやミネラルが少ないはウソ!?
サプリメントメーカーの多くは、今の野菜は昔と違い栄養が少ないから十分に栄養が摂れないと訴えるかと思います。
その根拠として過去と現在の食品成分表を比較すると野菜の栄養素が昔に比べて少なくなっていると言うものです。
果たしてこれは本当なのでしょうか。
実はこれには大きな情報が隠されています。
それは、昔と今では栄養素の測定方法が違うと言うことです。
昭和時代では、滴定法でしたが、現在ではHPLC法などになっています。
昔と今では分析法の精度が全く違い、今の測定法の方が数値が少なく出る傾向があります。
なので昔のデータと今のデータを単純に比較できることではないと言うことなのです。
そして、旬の野菜とそうでない野菜の栄養価の違いについて目をつぶっていると言うこともあります。
昔は、野菜は旬の物しかありませんでした、
しかし今ではビニールハウス栽培で一年中出回っています。
野菜は旬の物が栄養価が高く、そうでない物では栄養価が落ちてしまいます。
食品成分表には、平準化した数値を載せますので現在の食品成分表では栄養価が低めに表示されることになるでしょう。
農薬や化学肥料で土壌がやせていることや、えぐみがなく甘く食べやすい農作物を目指して品種改良が行われてきた結果、農作物の栄養素が減少傾向にあることは確かかと思います。
野菜は旬の物を選んで食べるようにすれば栄養もしっかりと摂れるのでサプリメントに頼らずに済むでしょう。
とは言ってもスーパーで買い物をしていると旬はあまり意識されないので何が旬の野菜なのか分からないと思います。
最近では、野菜の直売所も増えていますのでそう言った所で買うと良いかと思います。
農家の人と直接話すこともできます。
旬の野菜は、供給量が多いので価格も安くなるのでお財布にも身体にも良いでしょう。
旬の野菜が何なのか調べてから購入するようにすると野菜の栄養をしっかりと摂ることができると思います。