魚油のオメガ3(n-3)脂肪酸を摂取しなくても炎症のバランスは保たれている、ネガティブな報告も

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は酸化しやすい

脂質には大きく分けると常温で固体の飽和脂肪酸と常温で液体の不飽和脂肪酸があります。
不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けることできます。
多価不飽和脂肪酸は、オメガ6(n-6)脂肪酸とオメガ3(n-3)脂肪酸に分けることができます。

オメガ6脂肪酸の代表は植物油脂です。
これは種子の油を人工的に抽出した物で、ほとんどの加工食品に添加されている油になります。
大豆、コーン、サフラワー、ヒマワリの種から搾った油です。

オメガ3脂肪酸の代表は魚の油でイワシやニシンなどの冷水魚から搾り取った油です。
アマニの種を搾った物もオメガ3脂肪酸になります。

これらの脂肪酸は、酸化しやすい性質を持っていますので直ぐに空気中の酸素と結びついて違う物質となります。
体内でもオメガ6、オメガ3も簡単に酸化されてしまいます。
それによって毒性物質を生成してしまうのです。

ですが、現代医学ではこれらの多価不飽和脂肪酸を人体に不可欠な脂質となっています。

ところが20世紀後半に入ってこれらの必須脂肪酸とされるオメガ6とオメガ3が食卓に普及するにつれてガン、心臓血管疾患、脳卒中、糖尿病などのメタボリックシンドローム、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患、アルツハイマー病などの脳の変性疾患、うつ病などの精神疾患が増えていると言う事実もあります、

これらの慢性病が多価不飽和脂肪酸の過剰摂取が関係していることをさすがに一部認めざるを得なくなりました。
しかし、多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸であり健康に欠かせないと言うスタンスは変わっていません。
そして、慢性病の原因はオメガ6の過剰摂取にあるとして言っていません。

オメガ3はオメガ6よりも酸化されやすいのですが、それでもオメガ6の過剰摂取の問題しか言っていないのです。
それどころか現在でもオメガ3の健康効果が高いと謳われています。

果たしてこれは本当なのでしょうか。

健康な人はオメガ3を摂取しなくても炎症のバランスは保たれている

オメガ3脂肪酸が現代医学や代替医療に人気があるのは、オメガ6脂肪酸の毒性を中和してくれるとされているからです。

細胞の脂肪酸をキャッチする受容体は、オメガ3もオメガ6のいずれにも結合することができます。
オメガ3が多くなるとオメガ6が細胞に結合する部位を占領されることになります。
これによってオメガ3の作用がオメガ6よりも強くなります。

オメガ6の問題点は、リノール酸から代謝されて生産されるアラキドン酸にあると言われています。
このアラキドン酸は酵素反応によって炎症性物質を生成します。

オメガ3は抗炎症性エイコサノイドを誘導します。
植物油脂の毒性を中和してくれるのですが、これは炎症と言う病的な状態でのみの話になります。

健康な人、特に長寿の人たちは体内では、オメガ6のアラキドン酸から抗炎症性のエイコサノイドが多く生産されているようです。

アラキドン酸から作られるリポキシンA4と言うエイコサノイドは、高脂肪食によって引き起こされるメタ炎症を止める働きがあります。

私たちの体内では、糖質などから飽和脂肪酸が作られています。
飽和脂肪酸からミード酸などのオメガ9脂肪酸が作られます。

飽和脂肪酸やオメガ9脂肪酸は、オメガ6とオメガ3の作用を止める働きがあります。

オメガ3脂肪酸をわざわざ摂取しなくても炎症・抗炎症のバランスを私たちの身体は自然と取っていることになるのです。

また、フィッシュオイルから生成されるプロスタグランジンは、オメガ6のアラキドン酸から作られるプロスタグランジンと同じ作用をします。

プロスタグランジンには、発ガン性が認められているのでフィッシュオイルから作られるプロスタグランジンにも同じように発ガン性があると考えられます。

実際にフィッシュオイルから作られるプロスタグランジンの受容EPの刺激によって発ガン、ガン抑制の両方に働くことが報告されているようです。

DHAなどのオメガ3脂肪酸を摂取すると細胞はストレスを受け細胞成分のオメガ6を細胞から放出させます。
これによってオメガ6が血液中に増えていきます。
つまりオメガ3がオメガ6を増やすことになると言うことです。

このことからオメガ3がオメガ6の毒性を消すと言うこと自体おかしいことになるのかもしれません。

オメガ3のネガティブな研究報告もある

データ分析イメージ

オメガ3は、様々な研究報告によって一般的に健康増進に良いとされています。
ですが、昔からオメガ3に関して相反する研究も存在しています。

2017年の疫学的データによるとオメガ3が心臓血管疾患やガンに良い影響を与えると言う内容の報告が圧倒的に多いと思います。

しかしその一方で、大腸炎、大腸ガンに関してオメガ3が有効と言う研究もあれば、悪化させると言う研究もあるようです。

オメガ3のネガティブな研究報告もあるのですが、検索してもそのほとんどがオメガ3の有効生しか出てきません。

これは一体なぜなのでしょうか。

それは、ネガティブな結果が出た場合は公表されていないからではないでしょうか。
これ自体大問題なことですが、特に問題になるのは、疫学データです。
これは動物ではなくて人間を対象にした研究内容です。

他の原因も複雑に絡み合っているのでエビデンスレベルとしては低いのですが、それでも疫学的データを総括したものではオメガ3のサプリメントで総死亡率、突然死、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを下げると言う効果は認められていないようです。

2018年にも25万人以上の大規模な臨床結果が報告されました。
対象は米国の50歳以上の男性と55歳以上の女性での経過観察です。
その結果によるとオメガ3サプリメントは、心臓血管疾患やガンを予防する効果はなかったそうです。
統計学的に有意ではなかったようですが、女性ではむしろガンの発生が上昇していたそうです。

この研究では、オメガ3と一緒に抗炎症作用と抗ガン作用のあるビタミンDも投与しています。
オメガ3はビタミンDの作用をブロックしてしまうので、ビタミンDの心臓血管疾患とガン予防の効果を打ち消してしまったと考えられます。

しかしその作用よりもオメガ3自体の危険性があるので、オメガ3のサプリメントに健康効果があると言うことは否定されたことにもなります。

オメガ3が本当に健康に良い効果をもたらすのかを評価するには、多くの基礎的データを客観的に見て分析をする必要があることでしょう。

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