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ダイエット

炭水化物抜きダイエットは不健康にもなるので注意が必要

炭水化物とは?

一般的には、炭水化物は糖質のこと指していることが多いかと思います。
厳密には、炭水化物は糖質と食物繊維の総称になります。
糖質は、私たちの生命を維持するエネルギー源となります。

糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを作り、脳や神経組織、筋肉などで利用されます。
分解されやすく速やかにエネルギー源となります。
摂り過ぎてしまうと中性脂肪になって体脂肪として体内に蓄積されていき、肥満や脂肪肝の原因にもなります。

炭水化物抜きダイエットとは、糖質が制限されるので中性脂肪が分解されやすくなり、体内に蓄積した脂肪が燃焼されて肥満解消に繋がります。
しかし、炭水化物抜きダイエットは健康を害する危険もあるので注意も必要です。

では、どのような危険があるのでしょうか。

糖質不足によって脳の活動が抑制される

脳伝達イメージ

糖質は、脳の重要なエネルギー源です。
ケトン体もエネルギー源として利用することもできますが、ケトン体は非常時であり通常は糖質がエネルギー源として利用されています。

また、ケトン体で全てを賄えるわけではありません。
糖質は、脳にとって不可欠な栄養素で、極端に糖質を制限してしまうと脳に負担がかかってしまいます。
脳は糖質が不足してしまうと脳活動が鈍くなってしまい、思考力や判断力の低下やイライラするなどの症状が出てしまうことがあります。

炭水化物抜きダイエットをしたことがある人で頭がボーっとするなどの症状が出たことがある人も多いのではないでしょうか。

タンパク質や脂質の過剰摂取に繋がる

脳は、エネルギーが不足すると身体が飢餓状態と判断してしまいます。
そうなるとわずかな食事でも脂肪を蓄えようと働き、身体は脂肪を溜め込みやすい体質になってしまいます。

また、炭水化物には食物繊維も含まれるので、炭水化物を抜くと腸内環境が乱れて便秘などの原因にもなります。

さらに、炭水化物を抜いてしまうとタンパク質と脂質でエネルギーを補うことになるので、タンパク質や脂質の過剰摂取に繋がってしまいます。
タンパク質の過剰摂取は、代謝を担う肝臓や腎臓に負担がかかると考えられます。
肉類や乳製品の過剰摂取は飽和脂肪酸を増やす原因となります。

その結果、脂質異常症や心疾患などの生活習慣病のリスクを高める原因となってしまいます。

筋肉が分解される

筋肉

筋肉は常に合成と分解を繰り返しています。
身体は、糖質が不足すると筋肉を分解し糖質を作ります。
筋肉の分解によって生じたアミノ酸であるアラニンは肝臓に運ばれ糖新生によってグルコースに変換され、全身のエネルギー源になります。
これによって筋肉の分解が促進されてしまいます。
筋肉量が減少してしまうと代謝も悪くなるので、やせにくく太りやすい体質になってしまいます。

タンパク質を摂取十分に摂取していれば筋肉分解を防ぐことができると考えることもできますが、今度はタンパク質の過剰摂取が問題になってしまいます。
過剰摂取の問題を解決するには、バランスが大事になるのではないでしょうか。

ケトン体の増加によって起こる症状

長期間に渡って糖質が不足すると生命維持の為、脂肪を分解し糖新生によってエネルギー源を作ります。
脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解してグリセロールは糖新生によりグルコースに変換されてエネルギー源になります。
この時、体内の酸化反応による代謝産物としてケトン体が生成されます。

ケトン体は脳のエネルギー源になりますが、体内に増加すると血液中が酸性に傾いてしまいます。
そうなると腹痛や吐き気、意識障害などの症状が出て、命に関わることもあります。
食事制限中でも必要最低限の炭水化物を摂取する必要があります。

短時間で変化があってもやせていない

炭水化物に含まれる糖質は、体内で水分と結合しやすい性質があります。
糖質を控えることで体内の水分量が減ってむくみの改善に繋がり、比較的短時間で見た目に変化が出ます。
実際に体内の水分量や筋肉が減るので、見た目にも変化が出てやせたと感じるかもしれません。
早く結果を出したい人には良いのかもしれません。

しかし、体脂肪は思ったほど落ちていなく、代謝も悪くなっているのでやせにくい身体になっています。
炭水化物抜きダイエットで落ちた体重のほとんどは体水分や筋肉です。

ダイエットは、体脂肪を落として長期間体型を維持してこそ成功と言えます。
ダイエットを通じて長く健康を維持していきたい場合は、筋肉をつけて体脂肪を落とすようにしましょう。
その為には、適度な運動と規則正しい食生活をしていく必要があります。
長い時間かけてダイエットをするほうが体型を維持しやすく健康を害することもありません。
短期間で結果を求めるダイエット法は危険と言えるので、十分に理解してから行うようにしましょう。