「言いたいことが言えない」を卒業!自分も相手も大切にする自己主張術(アサーション)
「自分の気持ちを伝えると相手を傷つけるかも」「断ったら嫌われるかも」と、つい自分の本音を飲み込んでいませんか?
実は、自分の都合や思いをしっかりと伝えることは、わがままではなく、お互いを尊重し合うための「誠実な態度」です。
今回は、心理学に基づいたコミュニケーション技法「アサーション」を取り入れ、角を立てずに自分の意見を伝えるコツをご紹介します。
1. 自己主張は「相手を論破すること」ではない
アサーション(自己主張)という言葉を聞くと、「自分の権利ばかり主張して、相手を言い負かすこと」だと誤解されがちです。
しかし、本来の意味は全く異なります。
すべての人の思いは尊重されるべき
アサーションは、人種や性別、立場を問わず「誰もが自分の思いを誠実に表現する権利がある」という考え方に基づいています。
日本では「控えめ」が美徳とされることもありますが、自分の都合を隠して相手に合わせ続けるのは、実は「相手を信頼していない」依存的な態度とも言えるのです。
「私は」を主語にする
相手を責める時は、つい「(あなたは)なんでそんなこと言うの?」と相手を主語にしてしまいがち。
これを「私は〇〇と感じた」「私は〇〇したい」という「Iメッセージ(私を主語にした表現)」に変えるだけで、相手への攻撃性を抑えつつ、自分の思いを真っ直ぐに届けることができます。
2. 「傷つけたくない」が逆に関係を壊す理由
「人を傷つけるのはよくない」という思いが強いあまり、非主張的(消極的)になってしまう人がいます。
しかし、本心を隠して我慢し続けることには大きなリスクがあります。
- 心の中で「睨み」が募る
表面上は笑っていても、心の中では相手を責め、ストレスを溜め込んでしまいます。 - 突然の爆発
我慢が限界に達すると、別の場面で感情が爆発し、相手に「なぜ怒っているのか分からない」と戸惑いを与えてしまいます。 - 事態のこじれ
あとで「そんなつもりではなかった」と言い出すことで、かえって相手を傷つけ、信頼を失うこともあります。
「他人と意見が違って当たり前」という適応的な考え方を持ちましょう。
意見の違いを丁寧に話し合うことは、むしろ親密な関係を築くためのチャンスなのです。
3. 実践!角を立てない「アサーティブ」な言い換え例
自分の事情を説明しつつ、相手の気持ちにも配慮する「アサーティブ」な言い回しのバリエーションを増やしましょう。
ケース①:長電話を切りたい時
相手を拒絶せず、事情と代替案をセットで伝えます。
- 〇 良い例(アサーティブ)
「話の続きをもっと聞きたいんだけど、明日の会議が早くて寝ないといけないんだ。ごめんね。週末にお茶しながらゆっくり聞かせて?」 - × 悪い例(非主張的)
「うん、うん……(本当は切りたいのに延々と相槌を打ち続け、翌朝寝不足で後悔する)」 - × 悪い例(攻撃的)
「私も忙しいし、夜も遅いからいい加減にして!」
ケース②:無理な依頼をされた時(上司や目上の人)
「断れない」という思い込みを捨て、現状を共有して相談します。
- 〇 良い例(アサーティブ)
「お声がけありがとうございます。ただ、明日夕方までの業務が重なっておりまして……明後日の着手でもよろしいでしょうか?」 - × 悪い例(非主張的)
「わかりました。すぐやります(無理をしてミスをしたり、裏で不満を言ったりする)」 - × 悪い例(攻撃的)
「急に言われても困ります!私だって忙しいんです!」
4. 「思いやり」と「控えめ」を使い分けるコツ
「人を傷つけない」ことは大切ですが、相手に合わせることが必ずしも「思いやり」とは限りません。
本当の思いやりとは、自分の限界や状況を正直に伝え、お互いにとって無理のない着地点を見つけることです。
そのためには、下記のようなマインドセットを持っておきましょう。
- 意見の相違を恐れない
違う意見は、新しい発見への入り口。 - 「断る=拒絶」ではない
断っているのは「その依頼」であり、相手の「人格」を否定しているわけではありません。 - 代替案をセットにする
できない理由だけでなく、「これならできる」という提案を添える。
まとめ:自分の心を守ることが良好な関係を作る
自分の都合や思いを飲み込み、心の中で相手を睨んでしまう関係は、決して健全とは言えません。
- アサーションは自分も相手も大切にするスキル
- 「私は」を主語にして正直に伝える
- 事情を説明し、代替案を提示する
アサーティブな言い回しを一つずつ身に付けていくことで、人間関係の風通しは驚くほど良くなります。
今日から、小さな「NO」や「自分の事情」を伝える練習を始めてみませんか?



