【知られざる事実】温泉・サウナで疲労回復は逆効果?自律神経を休ませる快眠について
脳はリラックスできていない?温泉・サウナが脳を疲弊させるメカニズム
疲れた身体を癒すために、温泉やサウナにゆっくりと浸かる時間を楽しみにしている人は多いと思います。
「汗をたくさんかいてスッキリした」「身体が芯から温まって疲れが取れた」と感じるのは、入浴による爽快感や感情的なリラックスによるものです。
しかし、生理学的に見ると、脳にとっては真逆の状態が起きています。
自律神経への過剰な負荷こそが、脳疲労の原因です。
熱い環境下(高温の浴槽やサウナ)に身を置くと、身体は体温が上がりすぎるのを防ぐために、自律神経(主に交感神経)を使って大量に発汗させます。
これは、身体が過熱から身を守ろうとする防衛反応です。
- 汗をかくほど脳が疲労
この体温調節の作業は、自律神経系にとって非常に高い負荷を意味します。
つまり、汗をダラダラとかけばかくほど、身体の司令塔である脳は必死に働き続けているということになります。 - サウナは特に過酷
特に高温のサウナは、短時間で体温を急激に上昇させるため、脳にとっては極めて過酷な環境です。
温泉やサウナの後の「どっと疲れた」という感覚は、脳の過労によるものである可能性が高いのです。
真の疲労回復には、自律神経を休ませ、体温を急激に上げないぬるめのお湯に短時間浸かることが理想的です。
科学的根拠なし!「汗=デトックス」の大きな誤解

温泉やサウナで汗をかく行為が疲労回復を妨げるだけでなく、もう一つ注意すべき点があります。
それは「汗をかけば体内の有害物質が排出され、デトックスできる」という説です。
この説は広く信じられていますが、医学的・科学的には根拠に乏しい誤解です。
- 解毒の主役は肝臓と便
私たちの身体にとって有害な物質は、主に肝臓で無害な物質に代謝され、その後、便や尿を通じて体外に排出されます。
汗から排出される有害物質は、全体の排出量から見るとごくわずかに過ぎません。 - デトックスの最重要課題
もし本当にデトックスを期待したいのであれば、汗をかくことよりも、便秘を解消し、腸内環境を整えることが最も重要になります。
腸内環境を改善し、排便をスムーズにすることこそが、効率的なデトックスに繋がるのです。
過度な発汗は脳を疲れさせるだけで、肝心のデトックス効果は限定的であることを理解しましょう。
また、睡眠中の寝汗も、自律神経が体温調節のために働くことを意味するため、寝室の温度を暑すぎず寒すぎない適温に保つことが、質の高い睡眠には望ましいです。
快眠のための新常識|空腹によるストレスを避ける
良質な睡眠を得るためには、眠りにつく直前の食事がNGであることは広く知られています。内臓も休ませるために、就寝の2~3時間前には食事を終えるのが理想です。
しかし、「胃腸に負担をかけたくない」という思いから空腹を我慢しすぎるのも、実は睡眠の質を低下させる原因となります。
- 空腹は交感神経を刺激
人間が強い空腹を感じると、脳は「エネルギーが不足している」というストレスや軽い危機感を覚えます。
このストレスや飢餓感が、リラックス時に優位になるべき副交感神経ではなく、活動・緊張時に優位になる交感神経を刺激してしまいます。 - イライラで寝つきが悪化
交感神経が優位になると、心拍数が上がったり、脳が覚醒状態に近づいたりして、イライラ感が生じます。
その結果、寝つきが悪くなる、あるいは夜中に目が覚めるなど、睡眠の質が大きく低下してしまいます。
【対処法】遅い時間でもOKな「血糖値リフトアップ法」
夕食が遅れてしまい、「食べるのもNG、空腹を我慢するのもNG」というジレンマに陥った場合は、胃腸に負担をかけず、空腹感を抑える工夫をしましょう。
空腹感の主な原因は血糖値の低下です。
そのため、寝る直前でも血糖値を少しだけ穏やかに上げる程度のものを少量摂ることが有効です。
<快眠をサポートする低負担な軽食例>
- キャンディーやチョコレートを少量
極めて少量(キャンディー1粒、チョコ1かけら)であれば、血糖値を素早く穏やかに上げ、空腹によるストレスを鎮静化できます。 - 温かい牛乳や豆乳
リラックス効果のある成分(トリプトファンなど)も含まれており、胃に負担をかけずに空腹感を和らげます。
この程度の「つなぎ食」は、胃への負担を最小限に抑えつつ、空腹による自律神経の乱れを防ぎ、スムーズな入眠をサポートしてくれます。



