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炎症について|慢性炎症を予防するには食生活が大事

炎症とは回復する為の反応

炎症は身体にとって必要な反応で、急性炎症は身体を守る為に欠かせない反応です。
炎症反応がなければ、損傷した組織を修復したり病原体を排除したりすることができません。
多くの場合、身体はこれを緊急事態と認識して炎症を引き起こす特定の化学物質を放出します。
損傷した部位に白血球が集まり、傷を修復し、病原体と戦っています。
これによって痛みや腫れ、赤み、熱が発生しますが、これらの反応は全て治癒過程の一部であり身体が恒常性を回復する為に必要な反応になります。
細菌感染やアレルギー反応に対しても同様に、炎症は細胞内で進行しているので外からではなかなか分かりません。

炎症反応は免疫機能を活性化させてくれます。
白血球が病原体を排除すると急性炎症は通常数日以内に収まり傷も治り発熱も解消して体調が改善します。
しかし、場合によっては身体が炎症を止める適切なタイミングを見極められずに炎症が慢性化してしまう場合もあるようです。

慢性炎症は健康に害を及ぼす

落ち込む女性

慢性炎症は免疫機能の役割が終わっても続いてしまうことがあります。

例えば、一型糖尿病や関節リウマチなどの自己免疫疾患では、身体が誤って自分の組織を攻撃するので持続的な炎症が起こります。
その結果、痛みや発疹、組織の損傷などの症状が現れます。

慢性炎症は命に関わる場合もあります。
動脈内の炎症細胞がプラークを形成し、それが蓄積すると脳卒中の原因となることがあります。
プラークとは、動脈の内壁に蓄積する脂肪、コレステロール、カルシウム、その他の物質の集合体になります。
身体は、プラークを異物とみなして炎症を引き起こして、結果的にプラークが厚くなっていきます。

長期間に渡る慢性炎症は、健康な細胞を損傷させDNAに永久的な損傷を与えてしまう可能性があります。
日本人の主な死因である心臓病、がん、脳血管疾患は、何かしらの形で慢性炎症と関連しています。
このことから、慢性炎症は長期的に健康に対する大きなリスクと言えます。

慢性炎症に関連する問題は、アルツハイマー病やうつ病、高血圧、心臓病、脳卒中、二型糖尿病、アレルギーや喘息、ニキビ、湿疹、乾燥、関節炎などがあります。
健康の為には、慢性炎症を予防することが大切と言えます。

では、どうすれば炎症を予防することができるのでしょうか。

炎症を抑えるには食事を意識しよう

タブレットを見る女性

慢性炎症の原因の一つに不健康な食事があります。
炎症を抑える最善の方法が抗炎食品を多く含む健康的な食事をすることと言われています。
適切な食品を選ぶことで身体の炎症を抑えて予防することができます。

では、実際にどのような食品を選べばいいのでしょうか。

食物繊維
血糖値を安定させて炎症発症物質を過剰に生成するのを防いでくれます。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、両方をバランス良く摂取することが望ましいです。
食物繊維は、納豆、豆腐、アボカド、サツマイモ、海藻類、野菜、全粒小麦、ナッツ、プルーンなどに多く含まれています。

オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、体内の炎症を抑える効果があります。
心臓、肺、血管、免疫機能の健康をサポートしてくれます。
サバやイワシなどの脂肪の多い魚、牡蠣、チアシード、クルミ、亜麻仁などに多く含まれています。

抗酸化物質
ビタミンA、C、E、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、体内の炎症反応を抑える重要な役割を持っています。
トマト、にんじん、小松菜、ホウレン草、カボチャ、ハーブやスパイス、紅茶、コーヒー、豆類などに含まれています。

タンパク質
タンパク質中心の食事は、血糖値を安定させ、過剰なインスリンの分泌を防ぐことで炎症を抑えてくれます。
特に朝食で十分なタンパク質を摂取することが重要とされています。
肉類、魚類、卵、乳製品などに良質なタンパク質が含まれています。

炎症を悪化させる食品

精製炭水化物
白米やパン、糖質などの精製炭水化物は、血糖値を急上昇させてしまうことがあります。
これによって炎症性サイトカインが過剰に作られてしまうことがあります。

加工肉
ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉は、飽和脂肪酸や保存料が多く含まれています。
これが腸内環境を悪化させて炎症反応を引き起こしやすくしてしまいます。

揚げ物
フライドチキンなどの揚げ物はAGEや酸化脂質が含まれています。
これらは、炎症反応を増強させてしまう原因になります。

糖質を含む飲料
ジュースなどの糖質を多く含む飲料は、インスリン抵抗性や肥満を引き起こしてしまう原因になり慢性炎症の発生を助長してしまいます。

トランス脂肪酸
マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させ善玉コレステローを減少させます。
これによって動脈硬化や心血管疾患のリスクが上昇してしまいます。

添加糖
菓子類や清涼飲料水に含まれる添加糖は、血糖値の急上昇やインスリン抵抗性を引き起こし炎症反応を引き起こしやすくなります。

健康を維持し体内の炎症を抑えるには、炎症を抑えるとされている食品を選び、炎症を悪化させてしまうとされる食品を避けるようにすると良いかと思います。