健康

理想の睡眠時間は7時間ではない?「寝なきゃ」という強迫観念が寿命を縮める

「健康の為に、毎日最低でも7時間は寝ないと……」

そう思って、眠くないのに無理やり布団に入っていたりしていませんか?

睡眠科学や統計データでは、「睡眠時間は長ければ長いほど良い」というわけではありません。
むしろ、「長時間寝よう」と執着することが、かえって心身の健康を損なうリスクもあります。

この記事では、私たちが今日から取り入れるべき「新しい睡眠のスタンダード」を解説していきたいと思います。


データが証明|寝すぎは「短眠」と同じくらい危険

「睡眠不足は万病の元」と言われますが、実は「寝すぎ」も同等にリスクが高くなります。
アメリカで行われた大規模な調査によると、睡眠時間と死亡リスクの関係は「U字型」を描くことが分かっています。

睡眠時間と死亡リスクの関係

睡眠時間リスク評価特徴
5時間未満高い生活習慣病、認知機能の低下リスク増
6.5〜7.5時間最も低い健康維持に最も適したボリュームとされる
9時間以上高い短眠者と同等、あるいはそれ以上の死亡リスク

なぜ、長く寝るほど健康を損なう可能性があるのでしょうか。

主な要因として考えられるのが「睡眠の質が低いから長く寝ざるを得ない」という逆因果の可能性が指摘されています。
また、高齢者の場合、長時間横になり続けることで筋力が低下し、認知症やうつのリスクが高まるという側面もあります。


「何時間寝るか」より「何の為に起きるか」

睡眠研究において、非常に興味深いデータもあるようです。
それは、「人生の充実度(生きがい)」が睡眠の悪影響を相殺するという事実です。

「やらされ仕事」vs「生きがい」

  • ネガティブな短眠
    「仕事が終わらない」「ストレスで眠れない」といった理由で睡眠を削る場合、死亡リスクは顕著に高まります。
  • ポジティブな短眠
    「やりたいことがある」「明日が楽しみ」という情熱を持って活動している人は、たとえ3〜4時間の短眠であっても、健康状態に大きな悪影響が見られないケースが多いです。

これは、精神的な充足感が自律神経を整え、短時間でも濃密な休息(ノンレム睡眠)を脳に与えているからだと考えられています。
「睡眠時間という数字」よりも「日中の満足度」の方が、私たちの寿命を左右すると言えそうです。


「8時間神話」を捨てて、睡眠の質を高める3つのルール

「◯時間寝なきゃ」というこだわりは、脳にストレスを与え、かえって入眠を妨げる「睡眠障害」の原因にもなります。
これからの時代は、以下の3つのポイントを意識してみると良いかと思います。

① 「中途覚醒」を恐れすぎない

夜中にふと目が覚めてしまうと「しっかり眠れていない!」と焦るかもしれません。
ですが、人間は本来、小刻みに眠る性質も持っています。
トータルで3〜4時間程度の質の高い深い眠りが確保できていれば、日中の活動にほとんど支障はありません。
「目が覚めたら、また眠くなるまで本でも読もう」くらいの気楽な姿勢が大切です。

② 寝る前の「脳のクレンジング」

布団の中で悩み事を反省するのは、脳を覚醒させる最悪の習慣です。

  • 明日の楽しい予定を一つだけ思い浮かべる
  • 「今日はこれができた」と自分を肯定するこのように、交感神経から副交感神経へスイッチを切り替えるルーティンを仕組み化しましょう。

③ 「意図的な夜ふかし」はアリ

「早く寝なきゃ」と義務感で布団に入るより、自分が本当にやりたいこと(趣味や学習)に没頭して、心ゆくまで夜を楽しむ方が精神衛生上ポジティブに働くことがあります。
眠くない時は無理に寝ない。自分の身体のリズムに正直になることが、結果として睡眠の質を引き上げてくれます。


まとめ|自分にとっての「最適解」は数字の外にある

「平均7時間」という数字は、絶対ではなく、あくまで統計上の目安に過ぎません。
必要な睡眠時間は、個人個人で異なります。
ショートスリーパーの人もいれば、ロングスリーパーの人もいます。
大切なのは、世間の常識に自分を当てはめることではなく、「翌朝、気持ちよく目が覚めているか」「日中に活力を維持できているか」という自分自身の感覚が大事でもあります。

まずは今夜、「何時間寝たか」ではなく「どれだけリラックスできたか」に意識を向けてみてはいかがでしょうか。。
常識の物差しを捨て、自分にとっての最適な睡眠がきっと見つかると良いかと思います。

参考雑誌⇒老化が早い人、遅い人の24時間(プレジデント2026年2/13号)