マインドフルネスの基本！「ボディスキャン」で心と身体を整える方法

2025-11-28 I.B.D

ボディスキャンとは？「今ここ」の身体感覚に意識を向けるマインドフルネス瞑想

「ボディスキャン」という言葉をご存知でしょうか？

これは、マインドフルネス瞑想の基本的な技法の一つです。
現代社会では、私たちは過去への後悔や未来への不安など、「思考」の世界に囚われがちです。
マインドフルネスは、この「今この瞬間」の体感や体験に心を集中させることで、認知や感情に流されにくい、安定した心のあり方を目指します。

ボディスキャン（Body Scan）の「スキャン」とは、入念に見たり調べたりすることを意味します。
この技法では、頭の先から足の先まで、身体の各部位に順番に注意を向けて、その瞬間の感覚に気づくトレーニングを行います。

✅ ボディスキャンの核心：思考ではなく「感覚」を経験する

ボディスキャンを行う上で最も重要なポイントは、「身体について思考する」のではなく、「身体の感覚を経験する」ことです。

「身体が疲れているな」と考える（思考）
「足の裏が床に触れていて、少し冷たい」と感じる（感覚の経験）

この違いを意識することで、良いことも悪いこともありのままに受容し、出来事や思考に執着しないマインドフルネスの本質に近づくことができます。

ボディスキャンを毎日の習慣にするための実践ステップ

ボディスキャンを日常に取り入れ、「今この瞬間」に戻る習慣を作りましょう。

🧘 環境と姿勢：リラックスできる場所で

ボディスキャンは、基本的に暖かく静かな場所で仰向けになって行います。
マットやヨガラグの上で行うのが理想的です。

ただし、疲れている時や眠気を感じる時は、姿勢を変えてみるのがおすすめです。

眠気を感じたら
床に座る、または椅子に腰を下ろすなど、少し背筋が伸びる姿勢に変えてみましょう。

⏳ 時間：最初は短く、慣れたら10分程度

最初はイメージが湧きにくいかもしれませんが、毎日続けることで感覚が掴めてきます。
慣れてくれば10分程度でも効果を実感できます。
朝起きた時や就寝前など、決まった時間に行うと習慣化しやすいでしょう。

📝 実践ステップ：身体の隅々まで意識の光を当てる

以下の手順で、頭の先から足の先まで、意識の焦点をゆっくりと移動させていきます。

気付きを意識する
- 仰向けになり、目を軽く閉じて、まずは呼吸に意識を向けます。
- 自分自身の身体に起こるあらゆる感覚に心の目を向けましょう。
  マットや床に接している背中側の感覚（あたたかい、硬いなど）も意識します。
お腹の感覚から呼吸の流れをイメージする
- 意識をお腹に向け、呼吸と共にお腹が膨らんだり、凹んだりするのを感じます。
- 次に、左足の付け根から足先へと意識を移します。
- 吸った息が肺を通り、左足を通って爪先まで届くところをイメージし、息を吐く時は、足先から身体の外へと呼気が動くのを想像します。
  これを数回繰り返します。
足先から各部位へ意識を移動
- 左足の爪先、足の裏、甲、かかと、足首、ふくらはぎ、膝、太ももへと、その感覚を丁寧に探ります。
  感覚を探り終えたら、その部位から注意を解き放っていきます。
全身のパーツへ順に注意を向ける
- 右足、骨盤周辺、背中の下部、お腹、背中の上部、胸、肩、手へと順に注意を移します。
- さらに両手、手の平、手の甲、手首、前腕、肘、上腕、肩、わきの下、首、顔のパーツ、頭部全体へと進みます。
全身の感覚と呼吸の流れに気づく
- 全身スキャンが終わったら、全体としての身体の感覚と、身体を出入りして流れていく呼吸の感覚を数分間感じとります。

ボディスキャンを続ける上で大切なこと

ボディスキャンは、「心を穏やかにしよう」「リラックスしよう」といった目的意識を持つ必要はありません。

ただひたすら「身体に十分な注意を向ける」こと、それ自体がトレーニングです。
身体の感覚に気づき、今ここに意識が留まるだけで、結果として思考に囚われにくく、穏やかな状態へと導かれていきます。

まとめ｜ボディスキャンがもたらす効果

要素	ボディスキャンの実践	効果・メリット
目的	「今この瞬間」の身体感覚に意識を集中させる	過去や未来の思考に囚われにくくなる
方法	身体の各部位に順番に注意を向ける	身体の感覚をありのままに受容する力がつく
ポイント	身体について考えるのではなく感じる	心と体が「今ここ」に留まり、集中力が高まる
習慣化	1日10分程度、決まった時間に行う	ストレスや不安の軽減、心の安定につながる