自分に厳しすぎるあなたへ。「友人へのアドバイス」が心を軽くする処方箋になる理由
「自分はダメだ」「いつも失敗ばかり」——。
そんな風に自分を責めて、心が苦しくなっていませんか?
自分を客観的に見るのは難しいものですが、実は「もしこれが友人だったら?」と視点を変えるだけで、驚くほど冷静で現実的な考え方(適応的思考)が見つかるようになります。
今回は、認知行動療法でも使われる「客観視のテクニック」について解説します。
1. なぜ自分には厳しく、他人には優しいのか?
心が辛くなりやすい人の多くは、非常に真面目で責任感が強いという長所を持っています。
しかし、その反面、「自分に対してだけ異常に厳しい基準」を設けてしまいがちです。
例えば、同僚がミスをしたときには「誰にだってあるよ」と励ますのに、自分がミスをすると「なんて無能なんだ」と激しく叱責してはいませんか?
この思考の偏りを修正し、バランスの取れた視点を持つために有効なのが「友人へのアドバイス」という考え方です。
2. 「友人へのアドバイス」に変換するステップ
新しい考え方(適応的思考)がなかなか腑に落ちないときは、以下のステップで自問自答してみましょう。
ステップ①:同じ悩みを友人が持っていたら?
想像してみてください。仲の良い友人があなたと同じ悩みを打ち明けてきたら、あなたは何と声をかけますか?
- 自分への言葉:「私はいつも失敗ばかりで、もう救いようがない」
- 友人への言葉:「『いつも』は言い過ぎだよ。この前は成功してたし、仕事のミスは誰にでもあることだよ」
友人に対して「本当に救いようがないね」なんて言う人は、まずいないはずです。
友人にかける言葉こそが、実は「現実に即した正しい視点」なのです。
ステップ②:根拠のある「現実的な助言」を意識する
ここで大切なのは、単なる「お世辞」や「根拠のない慰め」にしないことです。
- NG例:「君は世界で一番優秀だから大丈夫だよ」(根拠のないお世辞)
- OK例:「結果は残念だったけど、準備のプロセスは評価されていたよ。今回は運が悪かった面もあるんじゃないかな?」(事実に即した助言)
事実に基づいたアドバイスこそが、納得感を生み、心を落ち着かせる力になります。
3. ケーススタディ:視点を変えて心を整える
具体例を参考に、自分を客観視する練習をしてみましょう。
| 悩みの種 | 自分を責める思考 | 友人へのアドバイス(適応的思考) |
| 仕事のミス | 「もう終わりだ、無能だ」 | 「プロでもミスはする。次はどうカバーするか考えよう」 |
| スピーチの失敗 | 「恥をかいた。全員が笑ってる」 | 「聴衆はそこまで気にしていないし、緊張するのは自然なこと」 |
| 人間関係の断り | 「嫌われたかもしれない」 | 「用事で断るのは普通のこと。それで嫌うような相手ではないはず」 |
自分以外の立場に立つことで、状況を冷静に捉えることができるようになります。
4. 友人を思い浮かべるのが難しいときは?
もし「相談できるような友人がいない」「人間関係で悩んでいて友人を想像したくない」という場合は、「自分がカウンセラーになったつもり」で考えてみてください。
あなたは、悩んでいるクライアント(=自分)を助ける専門家です。
専門家として、どんな冷静な分析と温かい助言を送りますか?
まとめ:自分を「一番の親友」として扱おう
自分へのアドバイスを考えることは、「自分を親友のように大切に扱う」ことと同じです。
もし今、自分を責めて苦しくなっているのなら、一度立ち止まって問いかけてみてください。
「もし、大切な人が隣で同じように泣いていたら、なんて声をかけるだろう?」
その答えこそが、今のあなたに必要な「適応的思考」です。まずは自分に優しい言葉をかけることから始めてみませんか。



