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玄米で簡単に栄養価up|白米で失われてしまう栄養が玄米には詰まっている

玄米には白米にない栄養素がある

白米よりも玄米のほうが栄養価が高いことは一般的に知られているかと思います。
玄米には、白米で失われてしまう貴重な栄養が多く含まれています。

玄米は収穫した籾から籾殻を除いたものになります。
白米はそれを精製してぬかや胚芽を削り取った状態です。
精米の過程で取り除かれるぬかや胚芽の部分には、ミネラルやビタミン、食物繊維などの栄養素がぎっしりと詰まっています。
白米は、口当たりがよく見た目も美しくなりますが、せっかくの栄養素をごっそりと落としてしまっているのです。

玄米は、江戸時代に入るまで多くの人が食べていました。
戦国時代の武士たちや長距離を走る飛脚たちのスタミナを支えていたと言われています。
都市部で白米が食べられるようになると当時全国から江戸を訪れた大名や武士たちは江戸に行くと体調が悪くなることが増えました。
故郷に帰ると治ることから江戸わずらいと呼ばれるようになりました。
原因不明とされたこの病気は明治、大正まで続きます。
これがビタミンB1不足による脚気であることが分かったのは20世紀はじめのことでした。
精米で取り除かれてしまうぬかや胚芽にビタミンB1が多く含まれているので白米ばかり食べていたことによりビタミンB1欠乏になっていたのです。
白米と玄米は、まったくことなる食べ物と言えます。

日本で何千年にわたって食べ続けられてきた玄米こそが私たちに必要不可欠な主食とも言えるのではないでしょうか。

玄米に含まれるガンマオリザノール

玄米ご飯

ガンマオリザノールは、米糠の脂質に含まれるエステル類の総称でコレステロールの吸収を抑える作用があるとされています。

ガンマオリザノールは、玄米に含まれ白米には含まれていません。
高脂肪食への依存や食べ過ぎを脳から断ち切ることができるとされている成分がガンマオリザノールになります。
どうしても食べてしまう、食べ足りないと感じてしまうのを防ぐ効果が玄米に期待できます。

ガンマオリザノールの効果としては、糖尿病の予防・改善、脂肪への依存を断ち切る、腸から脂肪が吸収されるのを抑える、腸内細菌のバランスを改善させるなどがあるとされています。

また、更年期障害などの不定愁訴に効用があるとして医薬品として用いられることもあり、化粧品にも使用されることもあります。

マグネシウムが豊富

マグネシウムは、何百種類もの酵素の働きに欠かせないミネラルで、骨や血管の遺伝情報の発現に必要な酵素でカルシウムやリンによる働きを助けています。
その他にも筋肉を弛緩させたり血圧や血糖値を安定させたり、疲労回復、イライラを抑えるなどの働きもあります。

また、マグネシウムの摂取量を増やすだけでやせる可能性もあるようです。
実際に普段の食事からマグネシウムの摂取量が少なかった人が、食事制限や運動などを一切行わずにマグネシウム摂取量を増やしただけでウエストが細くなったり体重が落ちたりという実験結果も出ているようです。
これはマグネシウムの細胞の代謝を促すという働きによるものです。
他にも筋肉を柔らかくする、肌に潤いを与える、便秘解消など健康面や美容面で様々な効果を発揮してくれます。

日本人の食事摂取基準では、1日のマグネシウムの推奨量は年齢によって異なり、耐容上限量は設定されていません。
マグネシウムは、多くの食品に含まれ、ほうれん草、アーモンド、キャベツ、大豆、バナナ、豆腐、鮭、牛乳、チョコレートなどにも含まれています。

マグネシウムの欠乏症状には、筋肉の痙攣、不安、不眠、疲労感、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振、心臓の動悸などがあります。
その一方で過剰摂取による副作用には、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、低血圧、呼吸困難、意識障害、心拍数の増加などが報告されています。

冷やすとレジスタントスターチが増える

おにぎり

炊き立てのご飯が冷やご飯になるとレジスタントスターチが増えます。
レジスタントスターチとは、難消化性でんぷんになります。
消化されずに大腸まで届いて腸内細菌のエサになるので、レジスタントスターチは食物繊維のような性質を持っています。
ご飯が冷えると難消化性でんぷんであるレジスタントスターチが増えるので、炊き立てのご飯よりも冷えたご飯のほうが身体にとって良いと言えます。
たまにはご飯を冷やして食べるのも良いのではないでしょうか。

レジスタントスターチの種類
・身体が利用できない、消化できないレジスタントスターチ
玄米などの全粒穀物、種実類、豆類など

・自然に粉状で存在するレジスタントスターチ
生のじゃがいも、青いバナナなど

・でんぷんを含む食品を加熱調理後、冷ました際にできるレジスタントスターチ
冷えたご飯など

消化しにくいように化学的に変化させたでんぷん
自然界には存在しない

普段食べる白米を玄米にするだけで、ミネラル、ビタミン、食物繊維など食事の栄養価を簡単に改善させることができます。

玄米が苦手という人は、炊飯時に塩と酒を少しだけ足してみるとうまみと甘さが増します。
そのまま炊飯するよりもおいしい玄米ご飯になると思います。
また、大豆やもち米を混ぜて炊くなどちょっとした工夫でもおいしくなります。
たまには、玄米を食べてみてはどうでしょうか。