男性更年期障害|やる気のなさや体調不良は男性ホルモンの低下が原因かも|テストステロンを増やすには?
男性ホルモンの低下で男性更年期障害に
更年期といえば女性のイメージがあるかと思いますが、男性の更年期もあります。
女性更年期は広く知られていますが、男性の更年期はまだ広く知られていないのではないでしょうか。
やる気が起きない、ぐっすり眠れない、イライラする、気分がすぐれないなど、このような不調を年齢のせいと片付けてしまっている人も多いかと思います。
しかし、これは男性更年期障害の可能性を疑う必要があります。
男性の更年期は、男性ホルモンであるテストステロンの減少が原因です。
女性の更年期障害は閉経前後に起こり、誰でもほとんど同じ年代でなりますが、男性の場合は個人差が大きいです。
なので、更年期と気が付かずに放置されていることがほとんどなのです。
テストステロンは男性ホルモンの一種で男らしい肉体を作るホルモンになりますが、心身の健康にも大きく影響を与えています。
男性は、環境というファクターがテストステロン減少のきっかけになります。
テストステロンは獲物を捕る為のホルモンと言われ、分泌が多い人はリスクを恐れずに獲物を捕ることに長けていると言われています。
これは現代でも同様です。
ケンブリッジ大学の研究によるとロンドンの金融街で働く為替ディーラーの唾液中のテストステロンの数値を測ったところ「テストステロン値が高い人のほうが儲けが大きい」「同じ人でもテストステロンが高い時のほうが儲けが大きい」ということが分かったそうです。
不調があり体重が増えると注意
男性ホルモンであるテストステロンは、人や社会から評価を受けると増えていくことが分かってい
す。
なので、評価をもらえないと分泌が低下してしまう特徴があります。
男性の更年期障害は年齢が高くなると発症しやすくなりますが、これは評価される機会が少なくなるからとも考えられます。
男性の場合は、30代から更年期障害になることもあります。
テストステロンの減少は、臓器の老化を進行させることも分かっています。
テストステロンの減少を放置していると気分が沈んだり、イライラしたり、体力低下、仕事のパフォーマンス低下、さらに認知症リスクが上がるなどもあります。
不調を感じているのであれば、まずは家族など身近な人への聞き取りや自己診断で更年期障害チェックをすると良いかと思います。
家族でも分かる兆候としては、「体重増加」「夜中にトイレ行く」「笑わない」です。
うつ病は、食欲不振などで体重が減ることが多いですが、男性更年期障害の場合はテストステロンが減少して筋肉量が減り体脂肪が増えることが分かっています。
ですので不調があり体重が増えてしまっている男性は、更年期障害の可能性があります。
もし該当するであれば、更年期障害の診断に国際的に使われている下記のチェック項目で自己診断をしてみましょう。
・総合的に調子が思わしくない
・関節や筋肉の痛み
・ひどい発汗
・睡眠の悩み(寝つきが悪い、ぐっすり眠れないなど)
・よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
・イライラする
・神経質になった
・不安感(パニック状態)
・身体の疲労や行動力の減退
・筋力の低下
・憂鬱な気分
・絶頂期は過ぎたと感じる
・ヒゲの伸びが遅くなった
・力尽きた、ドン底にいると感じる
・性的能力の衰え
・早朝勃起の回数減少
・性欲の低下
各項目を「ない」1点、「軽い」2点、「中程度」3点、「重い」4点、「非常に重い」5点で集計
合計点が17~26点「なし」、27~36点「軽度」、37~49点「中程度」、50点以上「重度」
予防はビタミンDと亜鉛がおススメ
昭和の高度成長期の日本人は、ビタミンDが豊富なサケを毎日にように食べていたのかもしれません。
また、亜鉛はアサリやシジミなどの貝類に豊富に含まれています。
これも当時は、日常的に食べていたかと思います。
現代では、電車に乗っている会社員の人たちを見ても当時ほど覇気がないのではないでしょうか。
当時と食生活が変わりビタミンDと亜鉛の摂取が減ってきているのが原因なのかもしれません。
他に良い食材は、羊肉、牛肉、卵、ヨーグルト、ニンニク、ブロッコリー、ホウレン草、バナナなどがあります。
また、テストステロンを体内で作る為には、糖質やコレステロールが不可欠になります。
糖質制限など極端な食事はしないようにしましょう。
テストステロンは、人や社会から評価されることで増えます。
休みの日は、家にいないで地域活動に参加するなど仕事とは別のコミュニティーに積極的に参加するのがいいでしょう。
これによってテストステロンを増加させてくれるかと思います。
若い頃の記憶を呼び起こすこともテストステロンを増やすと言われています。
ハーバード大学のエレン・ランガー教授は、25年前の環境を再現した部屋で高齢男性に過ごしてもらう実験を行いました。
それだけで彼らには元気がよみがえり、車イスで来ていたのに歩いて帰った人もいたそうです。
同窓会など昔を思い出させてくれる機会は、面倒がらずに出席をしたほうが良いかと思います。
それでも男性更年期障害になってしまったら、メンズヘルスの専門医がいる病院を探して診断を受けるのがいいでしょう。
病院では、テストステロンの直接注射や漢方薬を処方する治療が行われます。
テストステロンを増やしてくれる食材
肉類、乳製品
羊肉、牛肉、馬肉、卵、ヨーグルト
魚介類
サケ、牡蠣、アサリ、ハマグリ、シジミ
野菜、キノコ類
ニンニク、ブロッコリー、キャベツ、小松菜、カリフラワー、カブ、スイカ、ホウレン草、カボチャ、セロリ、玉ねぎ
果物
バナナ、パイナップル、アボカド、ザクロ
その他
ナッツ、唐辛子、ゴマ油、オリーブオイル、ハチミツ
参考雑誌⇒プレジデント2024年12/13号 間違いだらけの健康常識