【認知行動療法】自動思考が辛い気分を作る仕組み|苦しい時に浮かぶ考えに気づく方法
つらい気分の裏側には、必ず「自動思考(オートマティック・シンキング)」が存在します。
憂鬱・悲しみ・不安といった感情の“真犯人”は、実は 状況そのものではなく、頭の中に浮かぶ考え方 です。
この記事では、辛い気分を生み出す自動思考の見つけ方と、特に強い影響を与える「ホットな思考」について詳しく解説します。
■ 自分を追い詰める自動思考に気づこう
辛い気分を感じるとき、必ずその直前に何らかの思考が浮かんでいます。
例えば、
- 「どうしてこんな失敗をしたんだろう」
- 「私はいつも人を傷つけて嫌われてしまう」
このような考えが、気分をさらに悪化させてしまいます。
しかし、辛い場面では思考を思い出せないこともあります。
その場合は、同じ状況をリアルに想像し、頭に浮かぶ考えをメモに書き出してみましょう。
多くの場合、複数の思考が同時に浮かんでいるはずです。
まずは 頭に浮かんだことをすべて書き出す ことが、自分を追い詰める思考に気づく第一歩です。
■ 特に辛さを強める「ホットな思考」に注目
複数の思考が浮かんでも、すべてが同じ強さで心に影響するわけではありません。
その中には、あなたを特に苦しめる 「ホットな思考」 が存在します。
● ホットな思考とは?
認知行動療法で使われる言葉で、
もっとも強く感情を揺さぶる思考 のことです。
● ホットな思考を見つけるコツ
- 書き出した思考を一つずつゆっくり思い浮かべる
- 心がざわつく、悲しくなる、苦しくなるものを探す
- その思考が「ホットな思考」
ホットな思考は、あなたが最初に向き合うべき課題です。
また、状況を問わず繰り返し浮かぶ思考もホットな思考である可能性が高いです。
例:
仕事でストレスを感じる人の場合
→「こんなに頑張っているのに報われない」という思考がホットな思考かもしれません。
■ 自動思考が辛い気分を作る|状況・思考・気分の関係
ここでは、実際の例を使って「状況 → 自動思考 → 気分」の流れを見てみましょう。
【例1】仕事のミスで落ち込むケース
● 状況
会社で別の仕事が途中のまま期限を過ぎていたことが発覚。
先輩に謝ったら「俺がやっておくからいいよ」と言われた。
● 気分
- みじめ
- 無力感
- 傷ついた
● 自動思考
- みんなはちゃんとできているのに
- 大事な仕事でミスをするなんて許されない
- 私にはこの仕事は無理かもしれない
● 解説
「みんなは優秀なのに自分はダメだ」という思考が、
みじめさや無力感を強めていることがわかります。
【例2】恋人に別れを告げられたケース
● 状況
金曜日の夜、帰宅後に結婚を考えていた彼女から別れを告げられた。
● 気分
- 絶望
- 傷ついた
- 失望
● 自動思考
- 自分はこの先、一生一人だ
- 自分のような人間を好きになる人なんていない
- いいことなんて一つもない
● 解説
「一生一人だ」という極端な考えが、深い絶望を生み出しています。
辛いのは別れそのものではなく、
絶望を強める“認知の歪み”が問題 なのです。
■ まとめ|辛い気分の原因は「状況」ではなく「自動思考」
辛い気分を作り出すのは、状況そのものではなく、
その状況をどう解釈したかという 自動思考 です。
- 思考を書き出す
- ホットな思考を特定する
- 認知の歪みに気づく
これらを続けることで、感情に振り回されにくくなり、心が軽くなっていきます。





