製薬会社から寄付金を貰う御用学者たち、製薬ビジネスはギャンブル新薬の開発に巨額のお金が投じられる

降圧剤の売上1兆円

高血圧の薬である降圧剤と血管拡張剤は、今や年間1兆円以上にもなる超巨大市場になっているようです。
1980年代の終わり頃までは2000億年程度だったのですが、今では5倍にも膨れ上がったことになります。
また、日本は世界有数の薬服用大国で、薬の消費量はアメリカに次ぐ世界2位です。
一人当たりに換算すると日本が世界1位になるようです。

日本人は、世界一薬が大好きな民族と言えます。
そして、最も多く飲まれているのが降圧剤で、日本人は物凄い量の降圧剤を飲んでいると言えます。

2012年バルサルタンは、降圧剤だけでなく全ての医薬品で最も売れた薬になりました。
バルサルタンが収益の面でどれほど凄かったのかが分かるかと思います。

降圧剤改ざん事件で分かったことは、製薬会社にとって降圧剤は非常においしくわずかな操作で膨大な利益を上げることができると言うことです。

データ改ざんは、社員一人の個人ではなく会社ぐるみの可能性も高いでしょう。
大学側も、その人間が社員であることを知らなかったとは思えません。
非常勤講師と言う肩書は隠れ蓑だったのではないでしょうか。

また、製薬会社から1億円を超える寄付金が渡っていたことも分かっています。
医療雑誌を舞台にしたキャンペーンでは、製薬会社から雑誌社や教授たちに広告費や謝礼金と言う形でお金が渡っていたのではないのでしょうか。

バルサルタンの事件では、医薬品と言う人の命に関わる分野において製薬会社、学者、メディアが癒着して人の命よりも利益を優先していることを浮き彫りにしたと言えます。
本来であれば、公正であるはずの学者があくどい商売の片棒を担いで広告塔になっていたわけです。

これは、氷山の一角なのかもしれません。

まだ明るみになっていないだけで、もしかしたらデータ改ざんは当たり前のように行っているのかもしれないのです。
そして、私たちがそれを知る術はないと言うことです。

製薬ビジネスはギャンブルと変わらない

博打イメージ

降圧剤データ改ざん事件は、氷山の一角かもしれません。
なぜなら新薬を開発するのはとても困難だからです。
ブロックバスターと言われる商品は、今ではほとんど出ないようです。

80年代までは画期的な新薬はしばしば出ていたようですが、90年代からはほとんど出ていません。
人間の発想には限界があるかと思いますし、薬の分野でも出るべき物は全て出尽くしたと言うことかもしれません。

ですが、製薬会社は新薬の開発を止めることはありません。
新薬の開発に何百億と言う巨額なお金を投じているからです。
ヒット商品を出さないと元を取ることができないのです。
もしヒット商品ができれば、損を取り返せるどころか膨大な利益を得ることができます。

これはもはやビジネスと言うよりもギャンブルに近いのではないでしょうか。

何百億もかけて開発した薬が効果なかったり強い副作用があったりすることが最終段階で分かったとしたら認可されません。
認可されなかったらその時点で開発に投資した膨大なお金が全て消えていくのです。

認可が下りるのと下りないとでは天と地ほどの差があるわけです。

製薬会社は、謝礼、接待、贈り物、研究費などで研究者や学会の幹部に取り入ろうとします。
そうすると研究者は新薬に対する評価を甘くしたりデータを捏造したりすることもあるのではないでしょうか。
これは一般の会社でもよくあることだと思います。

製薬会社から寄付金を貰う御用学者の人たち

お金

2008年3月30日読売新聞朝刊にこんな記事があったそうです。

新聞社は、全国50の公立大学に2002年~2006年までの5年間で医学部の学者の受け取った寄付金の額や提供者を公開するように求めた。
その結果、高血圧や高コレステロールなどのガイドラインを作った276人中、87%に当たる240人に製薬会社から寄付金が渡っていることが分かった。
2004年の高血圧ガイドラインの場合、委員の9人全員に合計8億2000万円の寄付金が渡っていた。
一番多かった人は、約2億3000万、そして、約9400万、約8500万、約83000万と続く

このように御用学者たちは、物凄い額の寄付金を貰っているのです。
これでもまだ情報公開は不十分と言う声もあることでしょう。
では、なぜ学者は製薬会社から多額の寄付金を受け取るのでしょうか。

委員たちによると

「公的資金が少なく企業からの資金は研究に欠かせない」
「収支の全てを大学に報告をして私的に使う余裕は一切ない」
「大学から出るのは年300万円だけで光熱費も天引きされ秘書の給料もまかなえない」

これらは公立大学の性格上ある程度理解はできるかと思います。
ですがこのような発言もあるようです。

「外部から研究費を多く取るほど良い教授と言う見方が強く寄付の多さで評価されるようになった」

寄付金の多さ=評価になっていると言うことです。
つまり、製薬会社との癒着を推し進めて自ら御用学者を生み出していると言えます。
中には学者自身が癒着を認めた発言もありました。

「寄付金を受け取る際に、その会社の薬を使って欲しいと言う意味合いは当然くみ取る。今はやめたが、企業ごとの寄付額と薬のリストを医局長が作って医局に張り同じ薬効なら寄付額の多い薬を優先して使うようにしていた。」

医局とは、大学病院などにある医者たちのたまり場です。
そこに寄付のリストを堂々と張っておくとは大胆過ぎるでしょう。
医学部と言う所が世間とかけ離れていることが分かるのではないでしょうか。

同時に大学側のずるがしこさもうかがえるかと思います。
そのようなリストを張り出すことは、製薬会社へのプレッシャーにもなると思います。
リストを見た製薬会社の社員は、額が他よりも少ないともっと出さなければ自社の薬を使ってもらえないと思うのではないでしょうか。
そして、会社同士で競い合って額が上がっていくことにもなるのではないでしょうか。

製薬会社の関係者は、こうも言っているそうです。

「寄付金は、医者と親しい関係を気付く為の名刺代わり」
「医局に出入りさせてもらう為の通行料、おたくの薬をたくさん使っているからと寄付金を求められることもある」

こうなってしまうと学者ではなく、悪徳商人から袖の下をせびる悪代官のようではないでしょうか。

新聞社の取材に対して「企業から寄付金を問題にすること自体がおかしい」「不愉快だ」と感情的になる学者もいたそうです。

人間は、痛いところを突かれると怒り出すものです。これがそれの良い見本なのかもしれません。

そして、この記事の5年後に降圧剤バルサルタンのデータ改ざんが明るみに出たのです。

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