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ヘルス&フィットネス~日々の健康・身体作りに役立つ知っておきたいこと~

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トレーニング・フィットネス

アスリートのパフォーマンス発揮に必要なコンディショニングについて

アスリートが試合に勝ち続けるには、様々な調整が必要になります。
日々のハードトレーニングは、パフォーマンスを高める為には欠かせませんが、栄養摂取や睡眠、休息も非常に重要となります。
しかし、試合に勝ち続けるには、さらに幅広いコンディショニングが重要になります。

アスリートにおいてのコンディショニングとは一体何なのでしょうか。

アスリートのコンディショニングとは?

コンディショニングとは「アスリートのパフォーマンス発揮に必要な全ての要因を、ある目的に向けて望ましい状態に整えること」です。

パフォーマンス発揮に必要な要因は筋肉以外にも様々あります。
体格や筋力、全身持久力などの行動に関する身体的要因は、パフォーマンス発揮に直接関係しているのでとても重要な要素になります。
それだけでなく、運動に対する適応性や病原体に対する抵抗力(免疫機能)、スポーツ外傷・障害に対する抵抗力のような身体の防衛や恒常性維持に関係する要因も体調維持に関わっていますし、集中力や判断力、忍耐力といった心理的要因もパフォーマンス発揮に影響します。

さらには外部から及ぼされる影響という観点で環境的要因が考えられます。
競技や練習時の環境(天候や温度、湿度、高度、フィールドサーフェイスなど)や競技や練習時に用いる用具の性能や適応性、効果的な栄養摂取、アスリートを支える関係者の存在などもあります。

また、情報的な要因も重要です。
対戦相手に関する情報収集・分析・対策をした上て試合に挑むことでより高いパフォーマンスを発揮することができるようになります。
最新のスポーツ医・科学の知見を取り入れることも効果的なコンディショニングを行う上では重要となります。

パフォーマンス発揮に必要な要因は、直接的、間接的に影響を与える様々な要因があります。

コンディショニングの実践

アスリートが試合に勝ち続けるには、最高のパフォーマンスを発揮する必要があります。
そのパフォーマンス発揮に関連する要因を多角的な視点をもって検討していくことが重要です。

国立スポーツ科学センターの調査によると、国際総合大会に出場したアスリートがコンディショニングの観点で特に気をつけていた要因として、フィットネス、スキル、メンタル、メディカル(外科的スポーツ外傷・障害、内科的疾患)、栄養、スケジュール、用具、戦術・戦略であったと報告をしています。
まずは、これらの要因について着目をして評価と調整を進めてみると良いかと思います。

このように整えるべき要因を定めて、現在の状態を評価します。
目標とするコンディションを設定し、その設定した目標に向けて望ましい状態に調整をしていく一連の過程がコンディショニングです。
要因を検討する際には、常にパフォーマンスへの影響について考慮することが重要となります。

長期と短期のコンディショニング

ダッシュ

コンディショニングには、長期的なコンディショニングと短期的なコンディショニングがあります。

長期的なコンディショニングとしては、競技団体が進めるアスリートの発掘・育成・強化活動が挙げられます。
体力テストなどで運動能力が高い人材を発掘し各競技団体による育成・強化の為のサポートを受けることができるようにする為の環境整備もコンディショニングになります。

また、身体の発達が著しい成長期のアスリートでは、スポーツ外傷・障害の予防とともに適切なトレーニングや栄養摂取、休養方法を含めた体調管理の実践が重要です。
その為の知識や技術を含めたリテラシーの向上も重要なコンディショニングになります。

ベテランのアスリートでは、高い競技レベルを維持し、競技を継続していく為に体力の衰えを補う為のスキルや体調管理、外傷・障害予防などを含めたセルフコンディショニングの徹底が重要と言えます。

女性は、初経から閉経、妊娠、出産、育児とライフステージに応じた身体の変化があるので、それに伴う健康課題があります。
月経の調整や月経異常の予防、出産後に現役復帰を目指すアスリートは妊娠期、産前・産後におけるトレーニング、育児と競技生活の両立など多岐にわたるコンディショニングが必要となります。

短期的なコンディショニングは、試合に向けたテーパリング、計量に向けた減量、試合と試合の合間のリカバリーなどトレーニングや栄養学的なアプローチがあります。

国際大会に出場するのであれば、長距離移動による疲労や時差対策を含めた体調管理、現地での試合・練習環境などの情報収集や整備などもコンディショニングの例として挙げることができます。

また、スポーツにおいて禁止されている物質と方法が記載された禁止表国際基準などの最新情報を確認し、アスリートが競技の場に立つことができるように情報のマネジメントを行うこともコンディショニングになります。

自分のコンディショニングを適正に評価できるようにしよう

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効果的なコンディショニングの実践には、アスリートのパフォーマンス発揮に関わる様々な要因について現状を評価して、目標となる状態に少しでも近づける為に調整することが重要です。

アスリートを支える関係者は、自身の専門分野だけでなく他の分野に関する知識や技術について把握しておくことで専門家同士が連携できますので、効果的なコンディショニングが実践できるようになると言えます。

そして、何よりも重要なのはアスリート自信が自分のコンディショニングを適正に評価し調整していく知識や技能を持ち合わせセルフコンディショニングができることです。
アスリート自身が置かれている状況をよく理解し、適正にコンディションの評価と効果的な調整を実践できることはアスリートが備えるべき資質と能力であると言えます。

アスリートは自分自身のコンディションを適正に評価できるようになりましょう。