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トレーニング・フィットネス

メカニカルストレスを高めるフォーストレプス、エキセントリックは強い刺激になる

エキセントリックでは筋繊維が間引かれる

メカニカルストレスを高める方法として、エキセントリックトレーニングとフォーストレプスがあります。
エキセントリックとは、伸張性収縮で筋肉をブレーキとして使う力発揮のことです。
実際のトレーニングで言うとバーベルやダンベルを下ろす動作になります。

メカニカルストレスを高めるバリスティックトレーニング、重要なのは動作の質

同じバーベルやダンベルを使った場合、負荷を持ちあがるコンセントリック(短縮性収縮)よりも下ろすエキセントリック(伸張性収縮)の方がメカニカルストレスは強くなります。

なぜ同じ重さを扱っているのに挙げる時と下ろす時でメカニカルストレスが変わるのでしょうか。

それはエキセントリックの時は、使われる筋繊維が間引かれているからです。
挙上する時と下ろす時に同じ筋繊維を使っていると負荷は下りてきません。

そこで例えば、挙上する時に100本の筋繊維を使っていたなら、下ろす時には50本の筋繊維しか使われていないと言う現象が起こります。
このような状態になると50本の筋繊維にとっては、持ち上げるよりも2倍の負荷がかかっていることになります。
最大筋力を超える負荷で無理やり引き伸ばされるような状態になり、頑張って力を出しても負荷を支えきれずにじわじわと落ちてくるのです。

エキセントリックの局面では、実際に活動をしている筋繊維へのメカニカルストレスが非常に大きいと言えます。

下り坂を走るような運動も1歩1歩の着地にかかるストレスは小さいのですが、長い時間走る間に筋肉全体に強いストレスがかかり、激しい遅発性筋痛が引き起こされることもあります。
上り坂よりも下り坂の方が筋肉痛も起こりやすいです。

手応えがなくてもオーバートレーニングになる可能性がある

悩むイメージ

エキセントリックトレーニングで筋繊維をくまなく使うには、どのくらいの回数をこなす必要があるのでしょうか。
これについては残念ながらよく分かっていないようです。

例えば、80%RM程度の負荷を下ろす時、全体の3分の1ほどの筋繊維が使われるとします。
やがてその3分の1の筋繊維が疲労してきて、まだ使ってない筋繊維を使われるようになります。
次から次へと元気な筋繊維が動員されてくると言うことになると考えられますが、本当にそうなっているのかどうかは解明されていません。

どのくらい行えば良いのかと言う指標がないのがエキセントリックトレーニングの欠点と言えます。
また、メカニカルストレスの強さが外見上分かりにくく、挙上動作に比べると下ろす動作は達成感が少なくなります。
自分が頑張っている手応えが小さいと言うことも欠点と言えるかもしれません。

筋肉にとってエキセントリックの刺激がトレーニング効果を高める方法の一つであることは事実です。

負荷強度が同じであれば、エキセントリックの方がコンセントリックよりも筋肉に対する刺激が大きくなることが分かっています。
十分な回復期間を設ければ筋肉を肥大させる効果も大きくなります。

エキセントリックトレーニングは、手応えが少なくても筋肉には微小な損傷が起こっている可能性があるのでオーバートレーニングに注意する必要があるでしょう。

普段のトレーニングではフォーストレプスを

筋トレグッズ

エキセントリックを普段のトレーニングとして行う為に最も簡単な方法がフォーストレプスです。
これは通常のトレーニングで負荷が持ち上がらなくなった時点で、パートナーに補助をしてもらい数回動作を追加する方法になります。
負荷を挙げる際には、パートナーの力を借りて、そこから自分の力でブレーキをかけながら下ろしていきます。

エキセントリックの局面では、等尺性最大筋力の1.5倍程度の力を出すことができます。
同じ負荷なら、挙げることができなくなった後でもゆっくり下ろすことはできます。

フォーストレプスは現場で直ぐに取り入れることができますし、通常のトレーニングだけで終わるよりも、はるかに強いメカニカルストレスを与えることができます。
その結果、筋肥大の効果も高くなります。

さらにエキセントリックの局面を重視した方法に専門的エキセントリックトレーニングがあります。
これは負荷を挙上するのを最初から補助してもらい、負荷が挙がった状態にしてから下ろす動作のみを行うというものです。

120~130%1RMの自力では挙げることができない負荷を使って1~3回だけ頑張って下ろします。
このトレーニングは、筋力を非常に高める刺激になるので、パワーリフティングのように挙上重量そのものが目的となる競技には向いていると言えます。

ですが、非常に特殊なトレーニングであり一般の人が行うと怪我をしたり筋肉へのダメージや疲労が大きくなり過ぎたりするのであまりおススメできるトレーニングではありません。
何か特殊な目的がない限り、フォーストレプスを活用するのが良いかと思います。