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トレーニング・フィットネス

タバタトレーニングは4分間の短時間運動で長時間運動の効果を得ることもできる

タバタトレーニングについて

「健康の為に何か運動をしないと・・・」と思っている人は多いかと思います。
でも、なかなか時間が取れなくて、ジムに行ったりするのはちょっと難しいという人もいることでしょう。
年齢が上がるにつれて筋肉を大きくしたり痩せたりするよりも疲れにくい身体や病気を予防することが目的になってくるのではないでしょうか。
そこでおススメなのが効率のよい運動法としてのタバタトレーニングがあります。
短時間で効率よく運動効果を得ることができるトレーニングになります。

タバタトレーニングは、日本発症のトレーニング法です。
運動生理学を研究する田畑泉氏が1990年代にスピードスケートの日本ナショナルチームのヘッドコーチをしていた入澤孝一氏考案のトレーニング法を分析してまとめた論文が海外の雑誌に取り上げられて広まりました。
そして、タバタトレーニングと呼ばれるようになりました。

タバタトレーニングの正式な方法は、自転車エルゴメーターを用いて最大酸素摂取量170%の強度の運動を20秒間、その間に10秒の休息を挟んで6~7セット行い疲労困憊にするというものになります。
最大酸素摂取量170%の運動とは、続けて行うと50秒程度で動けなくなる運動です。
イメージとしては400mを全力疾走する感じになります。

タバタトレーニングは、休息を入れて1セット30秒なので8セット行ってもたったの4分で終わります。
非常に短い運動になりますが、このトレーニングを週に4回6週間行ったスピードスケート選手は最大酸素摂取量が10%、中距離の記録に大きな影響を与える指標が30%も改善する結果が出たそうです。

これは、タバタトレーニングがアスリートの運動能力アップに多大な効果があることを意味しています。
運動に科学的なメソッドを取り入れることに熱心な海外のアスリートたちは、自分たちのトレーニングに活用するようになったのです。
それが逆輸入する形で日本でも広まり、今ではプロ・アマ問わず多くのスポーツ選手が取り入れています。

糖代謝が改善し生活習慣病の予防になる

躍動感女性

タバタトレーニングのその後の研究によって老若男女問わず「疲れにくく病気になりにくい身体」を作れることが分かってきました。
その理由としては、最大酸素摂取量が増えることです。
よくダイエットの為にランニングなどの有酸素運動が大事だと言われますが、同じ運動であっても人によって疲労度は異なります。
これは個人個人によって最大酸素摂取量に差があるからです。

最大酸素摂取量が多いとマラソンのような有酸素運動を行う際に身体にエネルギーを効率よく供給することができるので疲労度は少なくなります。
最大酸素摂取量は、加齢によって低下していきます。
タバタトレーニングを行うことで最大酸素摂取量を維持、または向上させることができます。

最大酸素摂取量を高めることは、心臓病などの生活習慣病の予防にとても効果があることが明らかになっています、
最大酸素摂取量が高い人ほど血液中の糖を代謝する能力が高くなります。
その為、糖尿病などの生活習慣のリスクを抑えることができます。

タバタトレーニングが糖尿病の予防に効果があるのは、GLUT4と言うタンパク質の濃度を高めることができるからです。

GLUT4は、筋肉の外側から内側へ、エネルギー源となるブドウ糖を輸送するタンパク質です。
運動によってGLUT4が増えると血液中の糖が細胞に取り込まれる速度が速くなって血糖値が下がります。

また、タバタトレーニングの大きな特徴として短い時間で長時間の運動と同じ効果をもたらすことができます。

短時間で長時間の運動と同じ効果が得られる

タバタトレーニングは、とても短い時間で行うことができます。

タバタトレーニングの大きな特徴として短い時間で長時間の運動と同じ効果をもたらすことがあると言うことです。
これまでの実験動物を対象にした研究で、280秒のタバタトレーニングが6時間に及ぶ低強度の運動とGLUT4の濃度増加において同じ効果をもたらすことが分かっています。
たったの4分の運動で身体は長時間覚えていると言えます。

筋細胞に中にPGC1aと言うタンパク質があります。
このタンパク質はGLUT4の増加にも関わり、また持久力と関係が深いミトコンドリアの量に関わりがあることでも知られているのですが、4分間のタバタトレーニングを行うとPGC1aの量は、24時間にわたってキープし続けることが判明しています。
週に3回タバタトレーニングを行えばPGC1aの値を常に高いレベルに保ち糖代謝や持久力を上げ続けることができるのです。

しかし、運動強度の高い本格的なタバタトレーニングを40代以上の人の場合は注意が必要です。
特に高血圧の人や関節に痛みがある人は、事前にメディカルチェックをして無理のない範囲から始める方が良いでしょう。

運動強度を落としたりセット内の運動回数を減らしたりしても最大酸素摂取量が増えることも分かっていますので、初めは無理のない範囲で行ってみてください。

タバタトレーニングは休息時間を入れても4分でできます。
また、自分の体重だけで行うことができるので特別な器具も必要ありません。
なので運動が苦手な人やジムが続かない人でも日常に手軽に取り入れることができますので日常に是日取り入れてみると良いのではないでしょうか。

ワーク20秒レスト10秒×8、4分間のタバタトレーニング

腕立て伏せする女性

タバタトレーニングは20秒の高強度運動と10秒の休息を8セット繰り返すのが基本となります。
終わった時点で息が切れて動けない状態になるのが理想です。
床にはカーペットなどがあると衝撃を和らげてくれるので、下にも音が響きにくくなるので集合住宅の場合はその方が良いでしょう。

タバタトレーニングでは、足腰などの大きな筋肉をできるだけダイナミックかつスピーディに動かしていきます。
そして、1セットで行う回数をできるだけ多くすると効果が高まります。

大きい筋肉を使う運動とは、例えばバーピー運動です。
これは、全身を使うので上半身と下半身の筋肉をバランスよく刺激することができ強度も高い運動になります。

バーピー運動は、立った状態から腰を曲げてしゃがみこみ、両手を床につけます。
両脚を後ろに蹴り出して腕立て伏せの姿勢になります。
そして、腕立て伏せの姿勢から両脚を素早く引き寄せて再びしゃがんだ姿勢になり、直立に戻ります。
これを繰り返していきます。
余裕があればしゃがんだ姿勢から軽くジャンプするのも良いでしょう。

最初のうちは、回数が少なくても良いですが、効果的に行うのであれば常に全力で行うようにします。
これを週2~4回を目安に行います。
6週間継続するだけでも十分に効果を実感することができると思います。
慣れてきたらセット間の回数を増やしたり、より高強度の運動を取り入れたりしていけると良いでしょう。

タバタトレーニングを行うことでダイエット効果も期待ができるかと思います。
継続的に取り込むことで体力が向上して日常の運動量が増えて結果的にダイエットに繋がることもあります。

何歳になっても元気で活発に動ける健康な身体を維持する為にまずは、20秒の運動と10秒の休息のセットを8セット行ってきついと感じるくらいのタバタトレーニングから実践をしていければ良いかと思います。
慣れてきたら目的によって種目を変えて色々な種目を取り入れてみると良いでしょう。
バリエーションはいくらでも作ることができます。