トレーニングの総負荷量が同じであれば週3回でも6回でも効果は同じ
トレーニングによる筋肥大効果は総負荷量で決まる
筋力トレーニングは、一般的には週2~3回程度とされています。
筋力トレーニングをすると筋肉が疲労をするので回復するまで時間がかかります。
その為に中1日空けて週3回、もしくは中2、3日空けて周2回などになります。
では最適な頻度と言うのはあるのでしょうか。
これについては週に何回トレーニングをするのか、トレーニング頻度は重要ではないことが分かっています。
筋力トレーニングの効果は、頻度ではなくトレーニングの総負荷量によってその効果が決定されます。
筋肥大の効果は、トレーニングの強度×回数×セット数によって決まるのです。
週のトレーニング総負荷量が大きくなれば筋肥大の効果は高まります。
2016年ニューヨーク市立大学のシェーンフェルドらは世界で初めて筋肥大の効果と週単位のトレーニング頻度(週1~3日)を調べた7つの研究報告を解析し報告をしました。
・週1日のトレーニングでは効果がない
・週2日で筋肥大効果が認められた
・週3日でも同様の効果が認められた
この結果から週の頻度を増やして週単位での総負荷量を増やすことによって筋肥大効果が高められることが示されたことになります。
総負荷量が同じなら週3回でも週6回でも効果は同じ
筋力トレーニングによる筋肥大効果は、1回の総負荷量ではなくて週単位の総負荷量によって決まります。
これを示唆したのが、オクラホマ州立大学のコルクフーンらによる研究報告です。
2018年コルクフーンらはトレーニング経験者を集めて頻度を週3回、週6回のグループに分けました。
被験者にスクワット、ベンチプレス、デッドリフトを行わせました。
3種目とも週単位での総負荷量を同じになるように強度、回数、セット数が設定されました。
トレーニング頻度が違いますが、週単位での総負荷量は両グループとも同じにしました。
こうしたトレーニングを6週間継続しトレーニング前後の筋肉量を計測しました。
その結果、両グループとも筋肉量は増加しましたが、グループ間で有意な差は認められませんでした。
この研究結果によれば、筋肥大の効果は週の頻度ではなくて、週単位での総負荷量によって決まると言うことになります。
週単位での総負荷量が同じであれば、週の頻度は3回でも6回でも効果は変わらないと言うことです。
トレーニングは、頻度ではなくて週単位での総負荷量を考えると良いでしょう。
頻度ではなく週単位での総負荷量を考えよう
日によってその日の体調は様々で、調子が良い日もあれば悪い日もあります。
1日のトレーニング総負荷量もその日の体調によって変わることでしょう。
調子があまり良くない時はトレーニングは少なくし、調子が良い時は多くしたりすると思います。
こうした場合、あらかじめ基準となる週単位での総負荷量を決めておいて、その中で頻度を調整していくと確実に筋肥大の効果を得ることができます。
総負荷量は、トレーニングの強度×回数×セット数で出すことができます。
なので高強度で少ない回数のトレーニングと低強度で高回数のトレーニングでも総負荷量が同じであれば、筋肥大の効果は同じになります。
例えば、10kgで10回行うトレーニングでも1日4セット×週2回行った場合と1日2セット×週4回行った場合では、総負荷量が同じになるので筋肥大の効果も同じになります。
また、同じ頻度でも10kgの重量で10回のトレーニングを1日2セット行った場合と10kgの重量で5回のトレーニングを1日4セット行った場合では総負荷量が同じになるので筋肥大の効果も同じになります。
2018年ヴィクトリア大学Grgicらは、筋肥大の効果と週単位の頻度について検証した23の研究結果をもとにレビューを行いました。
週単位の総負荷量が同じであれば、週の頻度は2回でも4回でも筋肥大の効果は同等であると結論付けています。
さらに「より筋肥大の効果を高めたい場合、週の頻度を増やして週単位の総負荷量を高めることでさらなる筋肥大効果を得ることが可能である」としています。
ですが、大容量のトレーニングを高頻度で行うと疲労が取れなくなり逆効果になると考えられます。
仕事や生活、疲労の回復を考慮すれば、やはり週2~3回のトレーニングが現実的で理想的なのかもしれません。
理解しておきたいことは、筋力トレーニングの筋肥大効果は頻度ではなく、週単位の総負荷量だと言うことです。
まずは、トレーニングの指標となる週単位での総負荷量を決めて、それを基準に体調や疲労の度合いに合わせてトレーニング強度や回数、セット数、頻度を上手く管理し調整をしていくことが筋力トレーニングの効果を高める為の近道になるかと思います。
ただし総負荷量が多ければ多いほど良いと言うわけではないので、オーバートレーニングにならないように週単位の総負荷量を決めるようにしましょう。