美容・健康が気になる女性のサプリ状況の例、コラーゲン、葉酸、酵素

今は、多くの人がサプリメントを一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
美容と健康の為に毎日飲んでいる健康食品が数種類あると言う女性がいます。
彼女が飲むサプリメントは下記の通りです。

毎日飲む物

これを見てどう感じるでしょうか。
健康に気を付けている人と思うかもしれませんが、私からするととても健康に気を使っているとは思えないのです。
なぜだと思いますか。一つ一つ説明をしていきましょう。

意味がない酵素ドリンク

俗に酵素を摂ると代謝が高まって脂肪の燃焼を促してくれるとされています。
このことからも酵素はダイエットに良いと言うイメージをもっている人も多いと思います。
確かに酵素は、代謝に不可欠で関わっている物質でもありますが、口から摂ったら同じような効果があると言うわけではないのです。口から摂ると言うことは、消化されるということです。

酵素はタンパク質で構成されています。タンパク質は分子が大きくそのままでは吸収できません。
口から摂った酵素は、消化酵素によって消化されてから吸収します。
タンパク質は、アミノ酸からできていますので酵素はアミノ酸やペプチドに分解されます。
分解されると酵素の活性がなくなり酵素として働かなくなります。
つまり酵素を口から食べても意味がないと言うことなのです。
口から摂った酵素が再び酵素に合成されて利用されるかどうかは分かりません。
吸収されたタンパク質は、身体の構成成分として使われるかエネルギーとして使われるかですが、何になるかは分かりません。

酵素はタンパク質で構成されているので酵素の材料になるタンパク質を食べれば良いことになります。
肉や魚などをしっかりと食べるだけで実は十分なのです。酵素をわざわざ食べる必要もありません。

人間は、自分の身体で必要な量の酵素を作っています。その種類は3000種類以上あると言われています。
仮に外から酵素を補ってそれが働くとしてもコップ1杯程度の量では全然足りません。
人が1日に作り出す酵素の量はとても膨大です。酵素のほんの一部である消化液だけでも1日8リットル程度分泌されています。
多少ドリンクで摂ったからと言っても何の意味もないことが分かるかと思います。
酵素を摂れば美容効果があるとかダイエット効果があるとかは理屈自体がおかしいと言えます。

酵素ドリンクで体重が落ちたと言う人は、酵素の働きではなく単純にカロリーが減ったからではないでしょうか。
一食を酵素ドリンクなどに置き換えていませんか。もしそうであれば、やせるのは当たり前と言えます。
一食減ったので摂取カロリーが必然的に落ちているはずです。
決して酵素でやせたと言うわけではないかと思います。

添加物が99％以上の葉酸サプリ

葉酸は、新しい細胞を作り出す時に必要な栄養素です。
胎児の健康な成長に欠かせない栄養素でもあり厚生労働省も全ての妊娠可能な女性に葉酸の摂取を呼び掛けています。
ですが、葉酸不足による胎児の先天性異常が起こるケースは、日本では欧米ほど多くはありませんのであえてサプリメントを使う必要もないと思います。

あるアメリカのメジャーなサプリメントの原材料表示です。

乳糖、セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、葉酸
一粒300㎎（脂質0.07ｇ）、炭水化物0.265g、葉酸200㎍

重さの単位が違うので分かりやすく統一してみましょう。
mgは1000分の1g、㎍は100万分の1gです。
葉酸が200㎍と表示されていると多いように感じますが、mgにしてみると0.2mgになります。
一粒の重量が300㎎中、葉酸は0.2mgしか入っていなく割合にすると約0.067％しかありません。
残りの99.8mg（99％以上）は葉酸以外の物と言うことになります。
葉酸以外の99％以上は一体何が入っているのでしょうか。

サプリメントは栄養素だけで作られているわけではありません。
味をつける為に甘味料、日持ちをさせる為に保存料、増量剤や形式の為の賦形剤など実に様々な添加物が使われています。
このサプリメントの場合は、添加物が99％以上使われていることになります。
もちろんカプセルの原料や粉を固める為の添加物など、サプリメントを作る上で必要な最低限の添加物はあります。
葉酸の1日に必要量も微々たる量ですので、それ以外の原料を加えることである程度の大きさにするのは仕方がないとも言えます。
ですが、それを考慮しても99％以上は多いかと思います。
サプリメントで葉酸を補うことはできるかもしれませんが、それ以上に添加物を摂取していることにもなります。
果たしてこれが健康に果たして良いと言えるのでしょうか。

コラーゲンで肌はプルプルにならない

コラーゲンと言うと肌に良いイメージを持っている人が多いと思います。
翌日肌がプルプルすると聞いたことある人も多いのではないでしょうか。

世間では美容にあたかも良いように謳われていますが、コラーゲンを口から食べても意味がありません。
これは酵素の時にも説明をしましたが、理由は一緒です。
口から食べても消化されてしまいコラーゲンではなくなるからです。

コラーゲンも酵素と一緒でタンパク質でできています。
コラーゲンはとても分子量が多くそのままでは吸収ができませんので、消化されてアミノ酸などになってから吸収されます。そして、吸収されたアミノ酸が再びコラーゲンに合成されるわけでもありません。
酵素と一緒で普通に肉や魚などのタンパク質食品を食べれば良いと言うことになります。
ただ近年では、ヒドロキシプロリンを含むコラーゲンペプチドがコラーゲンの生成を促すとされる研究報告もあるようですが、根拠が少なく信頼できるエビデンスはありません。

コラーゲンを食べた翌日に肌がプルプルになることはありえません。
これは残念ながら気のせいでしょう。
なぜなら肌のターンオーバーは1ヶ月程度かかるからです。
新しい細胞に入れ替わるまで時間がかかるので翌日に変化があると言うことはあり得ません。

また、ゼリーやドリンクの場合は味をつける為に糖質がたくさん使われている可能性があります。
糖質の過剰摂取は、肥満や生活習慣病の原因となるのでこれも問題となります。
ゼリーやドリンクで摂取するのはあまり良いとは言えません。

以上のことから、こららのプリメントを摂取してもあまり効果がないと言えます。
サプリメントで本当の健康は手に入らないのではにでしょうか。

参考書籍⇒サプリメントの正体