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糖尿病の真犯人は脂質

糖尿病の原因は脂質と言う事実を国と企業が隠している?国が発表する統計では重要な真実が読み取れない

マヨネーズ・ドレッシング類が油脂ではなくなった

糖質摂取量は、昔に比べ減っているのに糖尿病は急激に増えています。
糖尿病は少なかったのですがこの半世紀で急激に増え今では国民病にまでなっています。

糖尿病の原因は、糖質の過剰摂取とされていますが、糖質の摂取は減り続け、代わりに脂質の摂取が増えていると言う事実があります。
実は、糖質ではなく植物油脂の摂取量増加にあると考えることができるのです。

糖質の摂取量は減っているのに糖尿病は急増している

その実態を突き止めたいものですが、厚生労働省や農林水産省が発表する調査からはよく分かりません。

国民健康・栄養調査では、摂取栄養素で見ると脂質の摂取量が増えています。
それにも関わらず摂っている食品の分類で見ると2000年以降、油脂類の摂取量が急激に減っています。

脂質の大きな摂取源は、油脂類です。

脂質は野菜や海藻も含めあらゆる食品に含まれていますが、もし脂質を多く摂ろうと思ったらバターや植物油脂のような油脂類を食べるのが手っ取り早いと考えるのではないでしょうか。

栄養素としての摂取量が増えているのに、それを含む食品の摂取が減っているのは一体なぜなのでしょうか。

よく調べてみると2000年に国が「マヨネーズ・ドレッシング類」をそれまでの油脂類から調味料・香辛料へと分類を変えていました。
手作りの経験がある人はよく分かるかと思いますが、マヨネーズの材料の約7割は植物油脂でドレッシングにも多く含まれています。
この分類を変えたことは大きな変更と言えます。

国民の脂質摂取量にどのように反映されているのか、厳重に注意をしなければいけないことでしょう。

ちなみにこの変更では「米・米加工食品」に、調理された飯、粥なども含めることになりました。
その結果、この食品の摂取量は2001年以降2倍と言うありえないほど増加をしています。

飯を100g食べれば、60gは水ですが、統計上その処理はどうなっているのでしょうか。

糖質の摂取量は戦後から現在に至るまで減り続けているにも関わらず「糖尿病の増加は糖質摂取の増加による」と言う糖質制限派の解釈に、この食品分類の変更が大きな影響を及ぼしたのではないでしょうか。

久山町研究の別の論文によると、ドクター江部の指摘するようにわずかな糖質摂取増が認められていますが、全体で見れば糖質摂取量は日本で減り続けています。
糖質の摂取量は減り、脂質の摂取量が増えているのです。

バターやラードはパーム油に代わりつつある

食用油

一言に油脂と言っても含まれている脂肪酸の組成や微量成分によって体内での働きは大きく異なります。
なので油脂とひとまとめにすることもできません。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の栄養素摂取量の年次推移から油脂分類ごとの摂取量の推移を算出してみます。

飽和脂肪酸や一価不飽和脂肪酸(オレイン酸など)の多い動物性脂肪と植物油脂、魚介類脂質(EPA、DHAが多い)に分けて摂取量の年次を見てみました。
すると2005年の植物油脂のデータが全体から少し外れているのですが、これはマヨネーズ類を油脂類から調味料・香辛料へ分類変更をした影響かと思います。
植物性と動物性の油脂摂取量は、ほぼ同じように増えているようなのですが少し疑問が出てきます。

パンやクッキーは、長い間、小麦粉とバターが主原料でした。
しかし、みなさんが買っている商品の原材料名を見てみてください。
植物油脂と言う記載があると思います。

かつて街角の肉屋さんでは、カツやコロッケは、ラードで揚げられていました。
それがサラダ油になり、そして現在、多くのスーパーやコンビニではパーム油を使って調理されています。

バターやラードと同じくらいの硬さの油脂として、パーム油が使われるようになりました。
パーム油の方が数分の一の価格に抑えることができるからでしょう。
現在、日本人がどのくらいパーム油を摂取しているかは分かりません。

しかし、植物油脂の国内生産量と輸入量を加算し、その推移を見た結果ではパーム油の供給量が大幅に増えていることが分かります。

昨今、バター不足が頻繁に起こりますが、バターの輸入は国が関わる農畜産振興機構が許認可権を握っているので、個人が自由に輸入することはできません。

一方で余った牛乳が捨てられていると言うニュースもあります。

バターの生産量が足りないと言う政府が言っていることは本当なのでしょうか。
意図的にバターの品薄状態を作って、代替品としてパーム油の消費を推進させようとしているように思えてしまいます。

国が発表する統計からは真実が読み取れない

悩む女性

熱帯油脂としてパーム油、パーム核油、ココナッツ油の供給量がまとめられています。

熱帯油脂の供給源は、アブラヤシの実から得るパーム油、種子を圧搾したパーム核油、あるいはココナッツ油がほとんどを占めると考えられます。

パーム油・パーム核油の原油は独特の香りがしますが、精製してしまえばほとんど無味・無臭になるので幅広い料理に使いやすい油脂になります。
外食や加工食品の材料は、かつて動物性脂肪でしたが植物油脂、とくにパーム油に替わり、またマヨネーズも人気があります。

家庭料理の本を見るとマヨネーズがよく使われ、糖質制限を推奨する医師が関わる病院の給食料理集では、1日1食マヨネーズを使った料理が登場していることもあります。
そして、マヨラーと呼ばれる人たちは、一体どれくらのマヨネーズを摂っているのでしょうか。

これらの現状があるにも関わらずそれが反映されていない国の発表は、何かを隠そうとしていると言えるのではないのか、と考えることができてしまいます。

植物油脂の消費が減ると産業界と行政が困る

戦後の食糧難が落ち着いた1950年代になると欧米並みの食事が重要とされて日本でも畜産業が盛んになりました。
動物性食品を安価に供給するには、短期間で家畜を生育できる濃厚飼料が必要です。
そして、栄養価が高く生産効率の良い菜種や大豆、トウモロコシなどが選ばれました。

ですが、菜種や大豆を粉砕して家畜に与えると油が多過ぎて家畜の消化系に問題が出てくることが分かりました。
そこで、これらを脱脂して脱脂粕を家畜に与えて油分を食用油として国民に供給するようになったのです。

高リノール酸植物油は健康に良いと言うエセ情報にも助けられ1965年から1975年にかけて食用油の消費が急速に伸びました。

さらには日本の国策として、インドネシア、マレーシアなどの南方アジアにアブラヤシ畑を作りパーム油を製造できる技術と設備を導入する代わりに日本の工業製品・設備・技術を買ってもらうことにしたのです。

そして、パーム原油を大量かつ安価に輸入し精製して食用に使い始めました。
国、酪農業界、食品油脂業界は、深く関わっていると言えます。
つまり、植物油脂が売れなくなってしまうと困ると言うわけです。

多くの植物油脂に危険性があると考えられますが、国も産業界もそれに口を閉ざしています。
御用学者を使ってまで科学的な事実を隠し、油の消費拡大をしているのではないでしょうか。
そうでなければ厚生労働省の資料は、もっと正確に国民の食事事情を反映したものになっているのではないかと思います。

参考書籍⇒糖尿病は、体にいいはずの油が原因だった