タンパク質に関しての迷信5つ「とにかくタンパク質を摂取する」は危険かも
目次
タンパク質は摂れば摂るほど良い×
筋肉をつけたい人にとってタンパク質は特に意識して摂りたい栄養素になります。
筋力トレーニングをしている人は、タンパク質を摂取する為にプロテインを飲んでいる人も多いかと思います。
中には、大量のプロテインを飲んでいる人もいることでしょう。
摂れば摂るほど良いと思っている人もいるのではないでしょうか。
タンパク質は、筋肉だけでなく皮膚や髪の毛、爪、臓器など私たちの身体を構成している物質になるので全ての人にとって重要な栄養素なのは確かです。
しかし、摂れば摂るほど良いわけではありません。
タンパク質を多く含む食品は優れていると思われがちかもしれませんが、摂り過ぎにも注意が必要です。
タンパク質は、消化の過程で有害なアンモニアが発生します。
それを肝臓で処理して腎臓を経て体外に排出されます。
腎臓で老廃物を体外に排出する為に尿酸の血中濃度が上昇します。
必要以上に大量のタンパク質を摂取すると腎臓に負担をかけて痛風のような症状を発症する可能性があります。肝臓にも負担がかかるかもしれません。
健康な人であれば、タンパク質の摂り過ぎで肝臓や腎臓が悪くなるということはまずないとされています。
しかし、大量のタンパク質を長期間摂り続けた場合は、リスクが高くなるのではないでしょうか。
米国の調査によると低炭水化物高脂肪食のケトン食や低糖質食のアトキンス食は、飽和脂肪酸を多く含む肉や卵が多く使用されるので心臓病やガンのリスクが高まる危険性があるとのことです。
赤身の肉の一部を豆類、ナッツ類、大豆などの植物由来のタンパク質に置き換えると冠状動脈性心臓病のリスクを低下させる効果があります。
また、タンパク質はダイエットにも有効と考えている人も多いかもしれませんが、余分なカロリーはタンパク質であろうと脂肪として体内に蓄積されます。
タンパク質は、いくらでも摂っても良いわけではないのです。
筋肉の合成に関しても摂れば摂るほど筋肉の合成が活発になるわけではありません。
体重1kgあたり2g以上を摂取しても体内のタンパク質合成率は頭落ちしてしまうので、過剰分は無駄になってしまいます。
常識の範囲を超えて大量のタンパク質摂取は避けるようにしましょう。
チーズは高タンパク質で良い×
チーズは高タンパク質食品になりますがカロリーが高く、ナトリウムや飽和脂肪酸も多く含まれています。
日本人の食事摂取基準2020では、飽和脂肪酸は1日約16g、食塩は1日7.5g未満を推奨しています。
仮にスライスチーズ2枚程度40gを食べるだけで、飽和脂肪酸は1日の摂取量の半分以上、食塩はその10%以上を摂取することになってしまいます。
チーズを食べるなら低脂肪のものを選ぶのが良いですが、チーズでタンパク質を摂るのはあまり良い選択ではないかと思います。
動物性の肉はガンの原因になる×
赤身の肉やベーコン、ソーセージ、ハムなどの加工肉は発ガン性が明らかになっています。
世界保健機関(WHO)は2015年に加工肉をグループ1の発ガン性物質とみなしています。
これは、加工肉が大腸ガンを引き起こす可能性を示す根拠があることを意味しています。
また、牛肉、豚肉、羊肉などの赤身の肉はグループ2の発ガン性物質とされています。
この報告によって動物性タンパク質はガンの原因になると思われていると思います。
確かにこれは事実かもしれません。
ある研究者によると動物性タンパク質を摂取するなら牛肉や豚肉、羊肉よりも魚介類、一部の鶏肉、鴨肉、卵を中心に摂取するように推奨しています。
これらは、発ガン性と関係があるNeu5Gc糖鎖分子を持っていないからです。
発ガン性があるのは、赤身の肉や加工肉であり、動物性タンパク質の全てに発ガン性があるわけではありません。
一方で果物、野菜、魚を多く食べることで大腸ガンのリスクが軽減されることが様々な研究で明らかになっています。
ガンのリスクを考えるのであれば、赤身の肉や加工肉を控えて、果物や野菜、魚を多く食べるようにしたほうが良いかと思います。
ベジタリアンではタンパク質は十分摂取できない×
これまでアミノ酸を完全に摂取する為には、特定の植物性タンパク質を組み合わせないといけないとされていました。
つまり体内で合成することができない必須アミノ酸をバランス良く含まれている食品を摂らないといけないと考えられていました。
しかし、現在では1日を通して様々な食品群からなる食事をしていれば、1回の食事のみで植物性タンパク質を完璧に組み合わせる必要はないという報告もあるようです。
2019年に行われた調査によるとタンパク質を豊富な食品を食べているベジタリアンは、タンパク質とアミノ酸を十分に摂取できていることが分かったそうです。
豆類、ナッツ類、種子類などの食品から動物性食品と同様に1日に必要とされるタンパク質を摂取することもできるということになります。
ベジタリアンは十分なタンパク質を摂取できないということはないのです。
プロテインパウダーやプロテインバーは良い×
近年では、様々な味のプロテインパウダーがあります。
味のついている多くのプロテインパウダーやプロテインバーには、砂糖などの甘味料の他にも着色料、保存料が加えられています。
これは、加工食品になります。
ミトコンドリアは食物を身体の細胞のエネルギーに変える細胞小器官ですが、加工食品はミトコンドリアの機能を低下させてしまいます。
この為、加工食品を多く食べるほど、身体の倦怠感が強くなる可能性があります。
また、砂糖がどのような名称で記載されていても砂糖が主な主成分になります。
プロテインパウダーやプロテインバーは、手軽にタンパク質を摂取することができる便利な食品です。
ですが、そればかりに頼るのは良くありません。
タンパク質以外の栄養素も摂取できるように様々な食品からタンパク質を摂取するようにしましょう。
プロテインパウダーやプロテインバーは、果物やナッツ類、天然甘味料が使用されたシンプルな成分表記の商品を探してみると良いかと思います。
プロテインパウダーやプロテインバーは「加工食品である」ということを知っておきましょう。
タンパク質は食事からの摂取が基本であり、プロテインがメインにならないようにしましょう。