健康や医療に対して人々は騙されやすい、捏造で打ち切りになった健康番組も
目次
多くの人が騙されたゲルマニウム、マイナスイオン
多くの人は、健康や医療の情報に対して非常に騙されやすいと言えます。
以前、ゲルマニウムを入れたブレスレットやネックレスの広告がよく新聞などに載っていたかと思います。
肩こりが良くなる、ガンが治るなど、謳われていたことがありました。
その効果は実証されていて有名なスポーツ選手も身に付けていると宣伝されていました。
価格は、高いものであれば数万から数十万もする物もありました。
こんな物を一体誰が買うのかと思うかもしれませんが、実際に買う人がいるので広告費をかけて宣伝をしていたのでしょう。
国民生活センターが調査をしたところブレスレットには、ごくわずかなゲルマニウムしか入っていなく、中には全く入っていない物もあったそうです。
しかも、たくさん入っていたとしてもゲルマニウムが健康に良いと言う論文自体ありませんでした。
国民生活センターが業者に問い合わせたところ多くは回答がなく、回答した業者はデータを持っていませんでした。
中には逮捕された業者もあったのです。
なぜこんな物に多くの人が騙されてしまうのでしょうか。
これは言葉の力が強いのではないでしょうか。
ゲルマニウムは、マイナスイオンを発生させると謳っている物が多かったと思います。
マイナスイオンと言う新しい言葉に多くの人が引きつけられたのではないでしょうか。
当時マイナスイオンは、大ブームになっていました。
覚えている人もいるのではないでしょうか。
マイナスイオンは、化学で言う陰イオンと同じような印象を与えますが、実は何の関係もありません。
マイナスイオンは健康に良いと宣伝されていて、さらにはそれを発生させる掃除機や冷蔵庫など様々なマイナスイオン発生商品が登場していました。
2002年頃、家電量販店はマイナスイオンの商品で溢れていました。
マイナスイオンが流行語にもなりました。
ですが、マイナスイオンには何の根拠もなく、いわゆる疑似科学なので言い方を変えれば霊感商法とも言えます。
今では家電メーカーもそれを認めています。
マイナスイオンがブームになった時、科学者は「効果がある可能性は低い」と言う言い方をしていました。
実際は、全くないと言いたいところだと思いますが、化学に「絶対」はありません。
その後に効果を実証する研究が出てくることもあるので、このような言い方をしたと思います。
「可能性は低いが可能性はあるかもしれない」「可能性はある」と都合よく解釈をして広まったと言うことだと思います。
しかし、これを単なるデマで済ませて良い話しではありません。
これによって莫大な利益を得た企業があり、利益を得たい企業はデマを広めようとしていたのです。
マイナスイオンと言ういかにも科学を装った言葉を使ってマスコミを使って宣伝を増幅させたのです。
これは詐欺とも言える行為ではないでしょうか。
これらから分かることは多くの人は、新しい言葉、科学的な言葉に簡単に引っかかってしまうと言うことです。
捏造をして打ち切りになった健康番組
テレビの健康番組に多くの人は簡単に騙されてしまいます。
昔、発掘あるある大事典と言う番組がありました。
この番組で納豆を食べると痩せると言う説を大きく取り上げたことがあります。
納豆一パックあたりのカロリーは、約80kcal程度あり茶碗半分くらいのご飯に相当します。
これをたくさん食べてやせるはずはないのは、少し考えれば分かることです。
しかも納豆の中には、やせる成分なども入っていません。
ところが、放送の翌日スーパーから納豆が消えて2~3週間は品切れになりました。
そして、納豆を食べるとやせると言う説は捏造だったことが発覚し、番組は打ち切られました。
また、バナナダイエットと言うものも同じです。
納豆と同じく、バナナにやせる成分は入っていません。
カロリーも1本あたり茶碗半分程度のカロリーがあります。
バナナしか食べなければやせられますが、他に食事をしたりおやつを食べていたりしたらやせません。
このようなデマに多くの人は簡単に騙されてしまうのです。
やせるかどうかは、カロリー収支なのでカロリーの消費量が摂取量よりも多ければやせますし、その逆なら太ります。
これは子供でも分かる単純な話なのですが、新しいダイエット法は次々と出てきます。
その都度に多くの人が飛びついています。
ダイエットの場合は、納豆ダイエット、バナナダイエットなど名称そのものに新鮮な響きがあるのでしょう。
国の都合によって成人病から生活習慣病に変えられた
高血圧と言う言葉は、私たちにあまりにも定着していますので目新しさはありません。
しかし、高血圧を気にする人が増え始めた80年代頃、この言葉が人々の口に上がる際、当時話題になり始めたコレステロールと同じく、人々を引き付ける新しい言葉でした。
高血圧と関わりがあると言えば生活習慣病と言う言葉があります。
これは以前、成人病と言われていましたが、言葉が変わったことによって新鮮味が出てマスコミが宣伝をして多くの人が気に始めたのです。
成人病は今では死語になり、何も変わっていないのに見事にすり替えられたと言えます。
生活習慣病が使われ始めたのは、1996年頃です。
この言葉も今では定着しています。
一度定着をするといつから始まったのか、誰も気にしなくなりますし、もとに戻って検証する人もいなくなってしまいます。
生活習慣病は、当時の厚生省が使い始めた言葉です。
なぜ成人病を生活習慣病に変えたのでしょうか。
それは、成人病だと老化と言う自然現象によって起きると言う意味が強かったからです。
成人病と言うと成人になると罹りやすくなる病気と誰もが受け取るのではないでしょうか。
ですが、これでは厚生省(国)にとって都合が悪いことに後に気がついたのでしょう。
自然に起る病気であれば、国が面倒を見ないといけなくなると言うことです。
老化によって起こった病は、高齢化社会になれば負担がかさむ一方になります。
どうすれば国の負担を減らすことができるのか考えたことでしょう。
そして、成人病が自然現象でないことにすれば良いと考え、生活習慣病と言う言葉に変えたのではないでしょうか。
成人病は、老化ではなくて生活習慣によって起こると言うようにすれば、その負担は国ではなくて国民に負わせることができるわけです。
よく考えると分かりやすい誘導だと思いますが、新しい言葉に惑わされてまんまと乗せられてしまったと言うことです。
生活習慣病は老化現象、メタボもアンチエイジングもウソ
成人病の全てが老化と言うわけでは、もちろんありません。
ですが、実際に生活習慣病は老化現象によって起こることが多いです。
ましてや全てが生活習慣によって起きるなんとんでもない話しです。
2005年になると、また新しい言葉であるメタボリックシンドロームが出てきました。
メタボリックシンドロームは、大ブームになり流行語にまでなっています。
当時、NHKのきょうの健康と言う番組で5回連続でメタボリックシンドロームの特集をしていました。
さらに数多くのマスコミによって発信もされました。
メタボリックシンドロームが出てきてから3年後にメタボ健診が始まりました。
メタボと言う言葉を流行らせたのは、健診を受けさせる為のキャンペーンだったのではないでしょうか。
このメタボ健診で医療機関や製薬メーカーは、一体どれほど儲かったのでしょうか。
基準値を下げると言う手法を用いて、高血圧140⇒130、HbA1c値5.8⇒5.2などにして病人の数を増やしているので儲からないはずがないと思います。
その結果、国保をはじめ健保の財政は食い散らされてしまったのです。
赤字になるのは医療業界が儲かっているからで、面白いように儲かっているのでどこからも異論が出ることはなかったのです。
これが医療業界の姿なのです。
医療はビジネスだと言うこと忘れてはいけません。
メタボと聞くと、多くの人はお腹が出ている中年の男性と言うイメージを持っているかと思います。
実際にメタボ健診の基準に男性のウエスト85cm以上というものがあります。
内臓脂肪が蓄積されているので動脈硬化を起こして心臓病などのリスクが高くなるとされています。
あれほど宣伝されたので少しでもお腹が出ている人は誰でも気にするのではないでしょうか。
ですが、このウエスト85cmと言う基準には何の根拠もないのです。
むしろお腹周りはこれくらいが一番長生きすると言うデータさえもあります。
そもそもお腹周りを測定して病気の判断をすること自体おかしいことではないでしょうか。
極端に太っている人は別ですが、少し太っている人の方が健康に良いぐらいで長生きをします。
やせている人の方がガンになりやすく、寿命も短い傾向にあるのです。
これは戦後の日本人を考えてみると分かることでもあります。
日本は敗戦で貧困国になりました。
国民の栄養状態も悪く、みんなやせていました。
高度経済成長期を経て豊かになり、体格も良くなって寿命も延びました。
日本人は、太ることで寿命を延ばしてきたとも言えるとも考えることができます。
それを太っているからとメタボリックシンドロームに結び付けて病気にしてしまっているのです。
また、アンチエイジングもそうです。
老化現象は自然の摂理で逆らうことはできません。
人間が自然に逆らうこと自体、いかに傲慢で愚かなことなのかと言うことなのです。
アンチエイジングと言う言葉も、企業が老化を食い止めることができると言った医薬品や食品、化粧品などを売って儲けようとしているだけではないでしょうか。
健康に関する新しい言葉は、売上を出したいが為に作り出されているものではないでしょうか。
実に多くの人がマスコミの報道に踊らされています。
マスコミの情報に踊らされずに新しい健康用語を耳にしたら、まず疑ってみることをした方がいいかと思います。
マスコミは真実を伝えているわけではありませんから。