健康

ご飯を抜いて肉や魚中心の食事はタンパク質と脂質の過剰摂取に繋がる!?

ご飯を抜くと五大栄養素のバランスが崩れる

ご飯など主食を抜く糖質制限はダイエットの即効性があります。
実際に主食を抜くと手っ取り早くやせることができるので根強い人気があると思います。
糖質制限ダイエットは、直ぐにやせたい人には良いかもしれませんが、健康を考えた場合、良いとは言えません。
主食であるご飯などの炭水化物(糖質)を食べずに肉や魚などの主菜を中心に食べると栄養バランスが偏った食事になってしまうからです。

食事の基本は栄養バランスが整っていることが一番大事です。
栄養素にはそれぞれ栄養学的な意味がしっかりとありますのでどれか一つでも欠けてはいけません。
五大栄養素である炭水化物(糖質+食物繊維)、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取するのが望ましいとされています。

主食は主に炭水化物(糖質)で私たちの重要なエネルギー源になります。
ご飯、パン、麺類など

主菜は主にタンパク質や脂質などでエネルギーの供給や身体の構成成分になります。
肉や魚介類、卵、大豆製品など

副菜は主にビタミンやミネラル、食物繊維などで身体の調子を整える成分になります。
野菜、キノコ、海藻、イモなど

炭水化物は、体内で消化されて最終的に私たちのエネルギー源であるブドウ糖になって利用されます。

消化されずにエネルギーにほとんどならない炭水化物が食物繊維です。
糖質は、通常ブドウ糖しかエネルギーとして利用できない組織にブドウ糖を供給すると言う大切な役目があります。

身体には体内でブドウ糖を作りだす機能が備わっているので、糖質を摂らなくても身体が動かなくなることはありません。

非常事態にはケトン体が利用、筋肉が分解されて糖質を合成

脳もブドウ糖以外にもケトン体を利用することも可能ですが、全てを賄えるわけではありません。
ケトン体は非常事態の時に使われるものです。

ブドウ糖は、常に一定の量が必要で血糖値を一定の範囲に保たれていますので足らないと体内で合成されます。

体内で糖質は主にアミノ酸から作られています。
タンパク質である筋肉をアミノ酸に分解して肝臓でブドウ糖に変換されます。
糖質が足りないと筋肉がどんどん分解されていくことになります。
一度分解された筋肉は、食事を戻しても運動をしない限り元には戻りません。

また、糖質を摂らなさ過ぎてしまうとケトン体が体内で増えることになります。
これはケトン臭を発生させてしまうかもしれませんしケトーシス、ケトアシドーシスになるかもしれません。
ケトン体が増えてしまうと身体が酸性に傾いて正常に働かなくなってしまい、様々な症状が出てしまうこともあります。

五大栄養素はバランスを崩してしまうと身体に悪影響が出てしまいます。
そして、糖質を含むご飯を抜いてしまうとタンパク質や脂質の過剰摂取にも繋がってしまいます。

主食を食べないとタンパク質、脂質の過剰摂取に繋がる

炭水化物、タンパク質、脂質は三大栄養素と呼ばれています。
これらは炭素を含みエネルギーを作り出すことのできる栄養素で推奨摂取比率があります。
1日の消費カロリーの50~60%が炭水化物、15%がタンパク質、20~30%が脂質が目安とされています。
このように摂取カロリーの半分以上は炭水化物から摂取することが良いとされていますが、主食を食べないとこのエネルギー比率が偏ってしまいます。

本来、主食から主にエネルギーを補うのですが、主食がないと主菜からエネルギーを摂取しないといけなくなります。
1日のエネルギーを主菜から供給をしようとすると必然的にタンパク質と脂質を摂らないといけなくなるので過剰摂取に繋がってしまう可能性があります。

タンパク質は、身体に良いイメージがあるかもしれませんが過剰に摂ってしまうのは良くありません。
栄養素は、適度に摂ることが大切です。

タンパク質は腎臓や肝臓に負担、脂質は生活習慣病のリスク増

悩むイメージ

タンパク質の過剰摂取は、腸内環境の悪化や肥満にも繋がりますし腎臓や肝臓に負担をかけてしまうかもしれません。
タンパク質は、代謝の過程で有害であるアンモニアが発生します。
アンモニアを無毒化し体外に排泄する為に腎臓や肝臓が働くのでこれらの臓器の負担が増えると考えられます。
ただ、これはとてつもない量を摂取した場合と考えられるので、そんなに心配する必要はないのかもしれませんが摂り過ぎは良くないと思われます。

脂質の過剰摂取は、生活習慣病や循環器疾患のリスクが高くなることが考えられますし肥満の原因にも繋がります。
特に飽和脂肪酸摂取量の増加は、肥満や心筋梗塞、糖尿病などの疾病の原因となるので注意が必要です。
飽和脂肪酸は常温で固体の脂肪で主に動物性の脂肪です。

身体に良いと言われるn-3系の脂肪酸(DHA、EPAなど)、オメガ3などとも呼ばれますが、これらも摂り過ぎれば身体に良くありません。
現代の多くの人が不足しているので積極的に摂りましょうと言われているだけで、たくさん摂れば良いわけでもありません。

食事は、総摂取エネルギー量と栄養バランスを考慮して食べることが大事とされています。
さらに食後の血糖値の上昇を抑えられる食事だとさらに良いのではないでしょうか。

基本は、主食、主菜、副菜を毎食適切な量を食べることです。
主菜は肉だけではなく魚、卵、大豆・大豆製品などをバランスよく食べて、副菜も色々な食材を食べるようにすると良いでしょう。