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体内時計はストレスによっても乱れる、コロナ騒動によって睡眠に影響を受けた人が半数近くもいる

リモートワークが睡眠の質に影響しているのかも

春は、春眠暁を覚えずと言う言葉があるように環境の変化によって眠気が増すことが多いです。
ですが、春が過ぎてもいまだに眠気が取れない状態の人たちも増えているようです。
コロナ騒動が始まって1年半くらい経ちますが、長期に続くコロナ騒動が影響をしているのかもしれません。

ある医療機器メーカーが行った睡眠に関する調査によれば、コロナによって睡眠に何らかの影響があった人は日本で48%もいるようです。
これは世界13カ国の平均37%と比べてもかなり高い数値になります。

今ではテレワークなどの在宅勤務者は、増加傾向にあるかと思いますが、全ての人が在宅で仕事が済むわけではありません。

ある調査によると、「在宅勤務をまったくしたことがない人」「ほぼ毎日在宅勤務をしている人」「週に1~2回在宅勤務をしている人」の中で睡眠の質が最も悪かったのは週に1~2回の在宅勤務のグループだったそうです。
この結果から、良質な睡眠は在宅勤務をしているのかどうかよりも一定のパターン、一定のリズムで生活できているかどうかが大きく関わっていると考えることができます。

私たちの体内には体内時計と言うものがあります。
これは私たちの生活リズムを司っているもので自律神経と深く関わっています。

生活リズムが崩れてしまうと体内時計が崩れてしまい睡眠の質も落ちてしまいます。

体内時計は1日25時間サイクル、同調因子で修正している

私たちがほぼ一定のリズムで眠くなったり、覚醒したりするのは体内時計によってコントロールされているからです。

厚生労働省が提供する健康情報サイトe-ヘルスネットによると、睡眠・覚醒リズム以外にも体温などの自律神経系、内分泌ホルモン、免疫・代謝系などが体内時計によって約1日のリズムとして調節されています。
これをサーカディアンリズム(概日リズム)と呼んでいます。

1日は24時間なので体内時計も24時間であるべきかと思うのですが、実際は25時間周期になっています。
なぜ1時間の差があるのかはよく分かっていませんが、それでも毎日決まった時間に寝起きができるのは同調因子が1時間のズレを調節してくれているからです。

同調因子の代表的なのは、光です。
これは自然の太陽光だけでなく人工の光も含まれます。
他には、時計などの目視できる物や、食事、運動などの生活習慣もあります。
これらによって25時間サイクルを24時間に調節することで朝起きる、夜寝ると言う行為を行うことができます。

毎日、同調因子で体内時計を修正する必要があると言うことです。

反対に同調因子がうまく作用せずに時間のズレが開いてしまうと規則正しい時間に寝る、起きると言うことができなくなってしまいます。

これによって眠気や倦怠感、食欲不振など様々な不調が出てきます。
このような睡眠障害を概日リズム睡眠障害と言います。
代表的なのが時差症候群、いわゆる時差ボケです。

ストレスが体内時計を狂わせる、規則正しい生活で正常に

体内時計イメージ

コロナの影響で海外出張や海外旅行に行く機会が減ったので、ここ最近は時差ボケとも無縁の人も多いかと思います。
ですが、概日リズム睡眠障害は、むしろ増加傾向にある可能性があるのかもしれません。
なぜかと言うとコロナによって生活環境が大きく変化したからです。

在宅勤務、リモートワークの増加で生活リズムが乱れてしまった人、寝る時間がどんどん遅くなっている人は確実に増えているのではないでしょうか。

また、自粛生活によって運動不足や食生活が乱れてしまった人もいるのではないでしょうか。
さらには、寝る前のスマホやPC、テレビ、ゲームなどをしていると、本来なら浴びる必要のない時間に光を浴びてしまうことになり体内時計を乱してしまいます。

体内時計はストレスによっても乱れてしまいます。
マウスを使った実験ではサーカディアンリズムについて調べている最中、偶然にも阪神淡路大震災が発生したところ、まるで時差ボケのようにマウスの体内時計が10日間も乱れたことが観察されたようです。

コロナ騒動によってほとんどの人は、多かれ少なかれストレスがかかっているはずです。
と言うことは私たちの体内時計がいつ乱れてもおかしくない状況下で毎日過ごしていると言えるのではないでしょうか。

体内時計を乱さない為には、ストレスを上手く発散していくことが大事になります。
乱れた体内時計を正常に保つには、一番の方法は生活リズムを一定に保つことです。

毎日同じ時間に寝て起きるようにする、朝起きたら朝日を浴びる、寝る前にスマホなどの光を見ないようにするなどすると良いでしょう。

起きる時間に関しては、どんなに寝る時間が遅くなってしまっても起きる時間は変えないようにすることも大切です。
遅い時間に寝たからと言って起きるのも遅くなってしまうと、また寝る時間が遅くなってしまい悪循環に陥ってしまいます。

起きる時間は毎日同じ時間帯に起きて朝日を浴びるのが良いのです。
毎日規則正しい生活を送っていると体内時計を正常に保つことができるかと思います。