健康情報館

ヘルス&フィットネス~日々の健康・身体作りに役立つ知っておきたいこと~

健康情報館
病気は薬が作る

その薬の効果は誇張されているかも!?数字に騙されてはいけない!病人は健康診断で作られる

数字に騙されてはいけない

骨粗鬆症の新薬の治験が行われて次のような結果が出ました。

・100人に1人は骨折を免れる
・骨折するリスクが2%から1%になる
・骨折するリスクが50%減る

あなたは、これらのうちどの効果が一番高いと思いますか。

おそらく「骨折するリスクが50%減る」が一番効果が高いと思う人が多いのではないでしょうか。
実はこれら3つは全て同じことを言っています。

この薬を飲まなかった100人のうち骨折したのは2人だった。
飲んだ100人のうち骨折したのは1人だった。
100人中2人から1人になったので、100人に1人は骨折を免れたのです。

これを%で示すと、100人中2人が1人になったので骨折するリスクが2%から1%になると言えます。
また、100人中2人が1人になる、半分になったと言えるので、骨折するリスクが50%減ったと言うこともできます。

これらは全て同じことを言っているのですが、印象はずいぶんと違うのではないでしょうか。
一番効果が出ている感じがするのは、骨折するリスクが50%減った、ではないでしょうか。

よく考えてみると100人中2人だった罹患率が1人になったと言うのは大きな効果ではありません。

つまり「薬を飲んでも飲まなくても骨折するリスクはあまり変わらない」と見ることもできます。

これは、言葉のマジックと言えるでしょう。
骨折するリスクが50%減ると言われれば、その薬を飲めば全世界で骨折するお年寄りが半減するかのように思えてしまうのではないでしょうか。

ちなみに骨折するリスクが50%減ると言う文章は、フォサマックという骨粗鬆症治療薬の承認に実際に示された治験データです。

製薬会社はこのように日々、言葉のトリックや複雑な式を用いるなどあの手この手で高い効果を謳ったレポートとともに新薬を発表したり、紹介したりしています。
捏造ではないですが、巧妙な数字のトリックがまかり通ってしまい、製薬会社の思いのままになってしまっているのが薬業界の現状と言えます。
私たちは、そのトリックに騙されないようにしないといけません。
薬の効果は誇張されているのではないかと常に疑いを持ち冷静に考える必要があります。

医師は成果よりも出来高が大事

メディカル

病院で「念の為に薬を多めに出しておきます」「念の為に検査をしておきましょう」と言われたことはないでしょうか。

患者さんが心から安心してもらう為に提案・処方するのが本来の医師の姿ですが、報酬の為の提案・処方になっていることも少なくはありません。

日本の医療は、診療報酬制といって薬や検査をする度に点数を積み重ねていく方式です。
1点=10円と加算されて報酬が決まります。

病院は、患者さんを治した成果ではなく、処方した薬や行った検査の数など出来高で報酬を得ています。
その為にあまり必要ない検査でも推奨してきます。
そうすることで点数が加算されるからです。

また、承認されていない治験薬を処方することで利益を得ている病院もあります。
最後の臨床試験として患者さんに投与すると製薬会社からまとまった金額が研究費として支払われます。
「まだ認証されていませんが、あなたの症状によく効きそうな新しい薬があります」などと患者さんに伝え検討してもらうのです。

しかし、新しい薬=副作用は未知数であり、もしかしたら大きな副作用が出てしまう可能性もあります。
その薬が自分にとって本当に良い薬なのかどうかは誰にも分かりません。
不要な薬、不要な検査、不要な処置は健康を損ねる可能性が大きくなると言うこともできます。
提案されたからと言って安易に受け入れるのはやめ、冷静に判断をしてメリット、デメリットをしっかりと考え自分自身が決めるようにすることが重要かと思います。

病人は健康診断で作られるのかも

儲かるイメージ

高血圧や脂質異常症、骨粗鬆症など自覚症状がない病気に薬が出される時、根拠となるのが基準値になります。
健康診断や定期健診を受けると血圧や尿酸値、中性脂肪など様々な数字が並んでいるかと思います。
これら全てに基準値が設定されています。
その数値よりも高いのか低いのかによって異常と判断されます。
異常となれば、直さなければいけないとなり病気にされて薬を飲みましょうとなります。
言い換えれば、何の自覚症状がないのに基準値を根拠として薬を出されてしまうのです。

人の身体は一人一人で違います。
このことを考えてみると何かおかしな話になるのではないでしょうか。
血圧が高め、尿酸値が高め、中性脂肪が高めなど基準値と照らせば、いくらでも異常は見つかるのではないでしょうか。

健診後の診断で「血圧がかなり高いです。放っておいたら危ないです。」と言われたら誰でも不安になるのではないでしょうか。
それまで何の異常も感じていなくても、もしかしたら明日にも血管が詰まって死んでしまうのでは?と思ってしまう人もいることでしょう。

そして、治したい、治さなければと治療を考えるのではないでしょうか。
こうして数字だけで自覚症状もないのに患者となり病人になるのです。

怖いのはこうした流れで薬を出されて多くの場合、定期的に薬をもらいに行き、今後ずっと飲み続けなくてはならなくなることです。

例えば、今回血圧が高めだったので薬を出しておきます。と言われ軽い気持ちで薬をもらっただけなのに気が付いたら一生のお付き合いが始まり、大丈夫と信じて飲み続けた結果、さらに悪化していた何てこともあります。

なぜこんなことになってしまうのでしょうか。
そもそも根拠となる基準値とは一体何なのでしょうか。

血圧は、一昔は年齢に90をプラスした数値でした。
50歳の人であれば140、70歳であれば160くらいあっても大丈夫だったのです。
ですが、2004年にこれが見直され65歳未満は129以下、65歳以上は139以下を目指すという「高血圧治療ガイドライン2004」が出されました。

基準値が変わった理由は、旧来の基準値では高血圧による病気・死亡リスクを回避できないからとのことです。
2004年の改定以降、高血圧が原因で亡くなる人が減ったのか、と言うと決してそんなことはありません。
基準値が下げられた結果、血圧の基準値を超える人が増え患者さんが増加しただけだったのです。

つまり、薬を飲んでくれる人が増えて病人が増えただけだったのです。
病人が増えれば病院は儲かり、製薬会社も薬が売れて儲かります。

さらには、血圧の基準値はしばしば勝手に変更がされます。
現在も改訂されていますが、今後さらに厳しくなるかもしれません。
人の身体は一人一人違うので、どのあたりが適正値なのかは誰にも分かりません。

メタボリックシンドロームに関しても、少し太り気味の方が長生きすると言うことが分かってきています。
中には標準体重プラス20kgを適正とする説すらあるようです。
どれが正しくてどれが間違いなのかは、その人次第になります。
標準のお腹周りよりも少し太めの方が調子のいい人もいるでしょうし、細めの方が調子のいい人もいるでしょう。

もし、身体が重たくて仕方がないと言うことであれば現在よりも少しやせた方がいいでしょうし、標準値よりも太ってしまったけど冷えがなくなった、疲れにくくなったなど何か身体に良い影響が見られるならそれはあなたにとってそれが適正値なのかもしれません。
自分が健康で楽しく過ごせているのであれば、数値に囚われる必要はないのではないでしょうか。

自分の身体が今どんな状態なのかがわかるのは自分しかいません。
普段から自分の身体の調子を確認しておくといいでしょう。

基準値や新しい説や外部の情報は、あくまで参考程度に考え振り回されないようにするといいのではないでしょうか。

参考書籍⇒薬が病気をつくる