コルチゾール、アルドステロンなどを分泌させる副腎、慢性的なストレスによって副腎機能が低下してしまう
ストレスでコルチゾールが上昇
ストレスと深く関係している臓器に副腎があります。
副腎は腎臓の上にあり、小さな器官で三角形のような見た目をしています。
副腎は私たちにとって大変大きな役割を果たしていてストレスと大きく関わっています。
副腎には、表面の副腎皮質と内部の副腎髄質という2つの組織があります。
副腎皮質では、コルチゾールとアルドステロンと呼ばれるホルモンを生成しています。
コルチゾールはストレスホルモンとも呼ばれストレスから身体を守っています。
糖質利用の調節、血圧を正常に保つなどに関わるホルモンになります。
アルドステロンは、塩分、カリウム、水分のバランスを保つ役割をしています。
副腎髄質では、アドレナリン、ノルアドレナリンと言われるホルモンを生成しています。
これらは、身体の機能が正常に働く為に様々な役割を果たしていますが、その中でも非常時に血圧を上昇させたり、筋肉への血流を増加させたり、エネルギー源としてブドウ糖を血中に増加させたりする重要な働きをしています。
副腎皮質、副腎髄質のどちらからのホルモンは例えば、怖い犬から逃げたり、バスに急いで乗ったりする時に必要となる「闘争・逃走」の為に大事なホルモンになります。
また、コルチゾールは覚醒を促すだけはなく、目覚めを促し、食べ物の消化や感情の調整にも関係しています。
なので、慢性的なストレスを受けることで、コルチゾールのレベルが長期的に上昇をしていると不眠、体重増加、不安、鬱などの症状が出る可能性が高くなります。
コルチゾールのレベルを直ぐに下げる方法はありませんが、規則正しい生活をして十分な睡眠を確保し、身体を休ませることでストレスを軽減することが重要かと思います。
副腎疲労の誤解
長期的なストレスによって副腎から分泌されるコルチゾールが多くなります。
それがさらに長期に渡ると副腎の機能が低下し、コルチゾールが十分に分泌されなくなり副腎疲労になり、疲れやめまい、不眠、イライラ、消化器系の不調など、様々な症状を感じるようになるという説があります。
ですが、この説には誤解があります。
自己免疫疾患、特定の薬物、良性腫瘍などが原因で起こる副腎機能不全という病気があります。
しかし、副腎疲労という病名はありません。
副腎疲労とは、医学的に認められた疾患ではないのです。
なぜなら疲労というのは、睡眠時無呼吸症候群、線維筋痛症、甲状腺障害、特定のビタミン欠乏症などといった様々な健康上の問題が原因となっている可能性が高いからです。
自分に起こる副腎疲労に似た症状を副腎が疲労していると安易に考えはいけませんし、副腎疲労を改善するサプリメントを使ったりすることも良くありません。
他に原因がないか一度、病院で診てもらい診断をしてもらったほうが良いでしょう。
高血圧の人はアルドステロンが過剰になっているかも
副腎では重要なアルドステロンを生成していますが、あまり知られていないのではないでしょうか。
アルドステロンは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種になります。
血圧を管理して塩分と水分を調節する働きがあります。
アルドステロンの量が少な過ぎると、まれに頭がボーっとすることがあります。
一方でアルドステロンが過剰になるとむくみや高血圧などの症状が出ます。
ある調査によると、高血圧のアメリカ人約10人に1人は、自分がアルドステロンの過剰分泌であることに気がついていていないようです。
アルドステロンの過剰分泌は良性腫瘍が原因であることが多いので、良性腫瘍を取り除くことで対処することができる場合があります。
高血圧の人は、アルドステロンの数値を調べてもらうと良いかもしれません。
副腎疲労の場合、軽い運動やリラックスをしよう
副腎が健康に機能をしていない場合は、運動を行うことが難しくなることもあります。
激しい運動は避けて、軽めの運動を行うようにしてみましょう。
身体に過度な負担がかからないように注意しながら行います。
運動強度を低くしゆっくりとした運動やストレッチ、軽い有酸素運動などから始めるようにします。
また、副腎疲労は慢性的なストレスが原因になります。
なのでストレスを軽減する為にリラックスする方法や健康的な食生活、生活習慣の改善が必要になります。
すでに過度なストレスに晒されている場合はリラックス方法やストレス解消の為の方法を取り入れていくと良いでしょう。
リラックスする方法は個人によっても変わるかと思いますが、一般的に瞑想、好きな音楽を聴く、ぬるめの湯船にゆっくりと浸かるなどすると良いかと思います。
そして、十分な睡眠を毎日確保し、栄養バランスの良い食事、規則正しい生活を意識してみましょう。
朝目覚めたら朝日を浴びる、寝る数時間前には部屋を暗くするなどをすれば、入眠しやすくなります。
副腎が疲労しているかもしれないと思う人は、これらを意識してみると良いかと思います。